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「いつかは全日本!」の功罪

最近、少年スポーツ指導についての考察を書いています。

正直、学校部活動の関係者として、非常に迷っています。

【今日の結論】

どうすればいいのか、わかる人教えてください。


【最近の記事】


【今日の記事】

私が所属する「なみあし身体研究所」の木寺英史教授も、同様の意見をのべているので、紹介します。

「大学駅伝の記録が向上するのに、成年男子長距離の記録は世界と隔たる」
 *先日、素晴らしい記録が出ましたが、その前の記事です。

「この日本的勝利至上主義は何によって強化されたかというと、
一つは各年代で「日本一」を決める大会が開催されていることと、
スポーツ活動が学校で行われていることにあると考えられます。
「日本一」を決める大会があれば勝利至上主義へと過熱するのは当たり前のことです。スポーツ活動が学校単位で行われていることは、試合が学校対抗という形になり、学校の名誉を背負って「負けられない」ものとなっています。
21世紀の日本スポーツ界の課題は「脱学校(教育)」であると考えられます。

多分、この意見は間違いがなく、正しいのだと思います。

バナージ、それでも! といい続けろ(福井晴敏)

ただ、1部活関係者として、「それでも」と言いたいのです。

勝利至上主義とまではいかなくても、
ある程度勝負にこだわらないと見えないことってあるじゃん。

時間守って、集合して、片付けみんなで協力して、大きな声で返事して
「体育会思想だ」とか言われるけど、
あいさつできなかった子があいさつできるようになるでしょ?

控えめというか、自身がなくて下向いてた子が、勝ち負けギリギリの勝負でガッツポーズするようになるの、心が熱くなるでしょ。

入部したころ、ランニングをすぐにさぼって歩いてた子が、
個人戦だと勝ち目のない格上の選手と団体戦でやりあう。
一歩も引かず、自分に気合を入れながら、みんなで拍手して応援して、
自分のベストパフォーマンス発揮して、
ものすごいラリーして、練習してきた技術で最高のボールを決めて、
全員が心の底から「よ~~し!!!!!!」って叫ぶ

今、全国大会に出れる・全国優勝できる、とは思えないけど、
この道を進んでいけば、もう少しこの道を早く歩いていれば、
そういう選手たちと自分も戦う機会がある、
もしかすると、そうなったら自分の可能性をもう少し信じられるかも・・・。

だから、だから、
ハイキューとか、スラムダンクとか、スポーツマンガで、インフレしながら全国優勝を目指すのは美しい幻想に浸って、心を熱くできる。
少なくとも、宇宙最強の野菜星人たちの戦いよりはリアルに夢が持てる。

「諦めたらそこで試合終了です」が名言として心の中に生きる。

 夢を追いかける中で、育つものは確実にあるよね。

学校の先生たち、専門家じゃないから。
とりあえず「業務だから」で、なんとなく運営してる部活でさ、

だらだら体育館に座って、ぺちゃぺちゃしゃべって、
っていう時間の浪費よりはちょっとだけ勝負に熱くなってもいいじゃん

勝負ぬきで、競技の魅力を伝えられる指導者がどれだけいて、
子どもたちにとれだけ出会えるのか?

机上の空論じゃなくて、今のリアルな部活の現場知っている人ならわかるよね?

わかる、わかるよ?
部活っていうシステム自体が制度疲労おこしてて、無理のある存在だって。

でも、日本のスポーツピラミッドの底辺を支えているのは部活でしょ?

中体連・高体連が運営するしかないでしょ。
本職業務抱えながら、3年生の担任とか学年主任とかしながら、県の強化部長とか引き受けてしまった専門の先生が、無償で夜中に残業してエントリーメール整理して、審判に委嘱状だして運営してる大会でなりたっている世界だよね。

それ、どこまで改善できるんだろう?

「俺は、部活するために教員になった!」って豪語する
男前の先生をたくさん知ってるけど、文部科学省様は全否定してるから。
多分、「学校の先生」としては良くない発言になっちゃうから。

「教員の働き方改革」で、真っ先に消滅していくのは部活だから。

次の受け皿もないのに、
勝負にこだわらないスポーツの楽しさを伝える有能な指導者に巡り合えることなんかないのに、
部活は衰退させられていく状況なんだよね。

なんだかんだいって、学校の先生ってまじめで有能な人多いから、
専門競技じゃないのに、数年の勉強で指導者を努めちゃったりするんだよ。

でも、それは「いらない」って言われる流れなんだよ。

この国、本当に子どもたちの未来を考えて
システム設計できてるの?

学校が部活で子どもを抱えなければ、地域社会に子供を開放できる!
っていうけど、受け皿の整備は誰が、どうやるんだろう?

平日に週3回以上、16時から2時間程度、
子どもたちにスポーツの楽しみを教えられる専門性をもったボランティア(ただし、保険などを完備し、研修を受け、質を保証する)を、
1学校あたり10人程度用意する
ことって「何を」「どのくらい」整備したら可能になるんだろう?

いや、本当に、外国ってどうやってこの問題をクリアしてるんだろう?

「お金持ちだけがスポーツを楽しめる」のではなく、
「誰でも」「複数の競技」から「自由に選べる」ようにするためには、

この国にどんな整備をすると実現するのだろう?

週3回、月水金、夜7時からの剣道教室を開いてくれていたおじいちゃん。
あなたが本当に偉大な人だったとあらためて思います。

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