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ChatGPT出現でAIがITインフラの一部となり、非エンジニアにもチャンスが!

この記事では、
・ChatGPT出現でAIはITインフラの一部になったこと
・これによりAIツールをいかに使うかという世界になったこと
必要とされるスキル、学ぶべきスキルが変化すること
に触れたい。

Chat GPTをはじめとするGenerative AIの出現により、AIはITインフラの一部となり、その仕組みを知らずとも使えればよい、というようなマインドチェンジが必要なのだと思う。

Generative AIに対する自民党の動きが早い

2023年2月17日(金)8時、日本のAI戦略のあり方や政策提言について検討を進める、自民党の「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」(座長:平将明衆議院議員)の第二回会合が開かれた。

テーマは「AI新時代の日本の戦略」で、
・松尾豊(東京大学教授):「AIの進化と日本の戦略」
・安宅和人(慶應大学教授):「時代局面を考える」
が説明されたそうだ。

塩崎議員がすぐにnoteで資料を公開してくれたおかげで、私も翌日には知ることができた。

IT業界にいる自分のまわりでチラホラと話題になり始めて約1か月。この早々のタイミングで政治の世界でも取り上げられた、というのは過去にないくらい早い動きなのではないだろうか。

AIの一般利用が進むフェーズへ

安宅先生の資料をみると、「データ×AI化における産業化の大局観」というスライドに、現在はフェーズ2「データ×AI化の二次的応用が進む」とあり、 一般利用が進展し、サービス業が拡大する、と説明されている。

安宅先生「これから求められる人材について」より

昨年のMidjourney、今年のChatGPTを触っている中、まさに今このタイミングにある、一般利用が進むことを実感している。

TwitterやYouTube、noteには、IT系ではない方々からも使い方の紹介などの情報発信が多数あることからも分かる。

このスライドをもう少し理解しようと、安宅先生の過去資料をたどってみた。

安宅先生「これから求められる人材について」より


Webで見つけた「これから求められる人材について」にある過去の歴史を振り返ることで、少し理解が深まった気がする。

産業革命の場合、新しい技術が生まれたのち、高度な応用が進む例として、家電やガソリン車、プラントなどが生まれたことに触れられている。これと同様に、新しい技術AIを応用した製品サービスが生まれてくることが想像できる。

Twitterを見ていると、まさに安宅先生のスライドどおりのことが起きはじめている。Chat GPT等Generative AIを絡めたWebサービスが日々現れていて、追いかけるのが大変なほどだ。

このフェーズでは「専門性を持つ利活用人材」が必要

この変革の波に乗るには、専門性を持つ利活用人材が必要とあるが、これは
(業種・職種ごとの)専門性を持つ(AIを)利活用(できる)人材が必要
ということだろう。

では、具体的にどのようなスキルが必要なのか?との疑問がわいたので、安宅先生の過去資料をたどってみると、そのヒントになる2017年発表資料があった。当時話題になった「“シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再生と人材育成」だ。

AI、そしてその土台となるデータの力を活かすには、
「ビジネス力」「データサイエンス」「データエンジニアリング」
の3つのスキルセットが必要
とある。

ビジネス力はともかく、データサイエンスやデータエンジニアリングを非エンジニアを含む全ての人が身につけるのは相当ハードルが高い。
しかし、Generative AIが出てきた今、時代は変わった!と感じている。

安宅先生「“シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再生と人材育成」より


Generative AI出現により重視すべきスキルが変化

MidjourneyやChat GPTなどGenerative AIが出てきたことで、AIの中身を全て理解できていなくても、その特性や活かし方が分かっていさえすれば、コンテンツやサービスを作れるようになってきている。
AIをユーザー向け製品サービスとして届けるアプリケーションやAIを用いたユーザー体験を、非エンジニアでも組み立てることができるようになりつつあるのだ。

AIそのものの技術からAIの活用へ、フォーカスすべきスキルが変わってきたのだと思うと、非エンジニアとしては興奮せずにいられない。

安宅先生「時代局面を考える」より
安宅先生「時代局面を考える」より


このような必要スキルの変化は近年にも起きている

IT業界ではオンプレミスからクラウドへのシフトの際に、同様の必要スキル変化が起きている。

以前は、物理的なサーバのハードウェアやOSを理解し、その上で使うアプリケーションを理解する必要があったが、クラウドの浸透と共に、ハードウェアやOSを理解せずともアプリケーション(SaaS)を使うだけで良い、となった。

ハードウェア含めて理解していないとトラブル対応できないからダメ、とIT業界の先輩方から言われ続けてきた。

ところが、クラウドシフトが起こったことで、例えば、AWSやAzureに代表されるクラウドインフラの特性が理解できていれば良い、SaaSアプリケーションが使いこなせればよい、という声に変わってきたのがここ最近の傾向だ。

もっと簡単な例でいうと、テレビやゲーム機、スマートフォンなど中身のテクノロジーは分からずとも、多くの人はただただ使っている。

AIに関連するスキルもこのようになってくるはずだ。

システム不調時にIT部門で飛び交っていた怒号が、今では・・

以前は、メールシステムやビジネスチャット、Web会議ツールがトラブルを起こすと、IT部門が大騒ぎとなり、「原因は何だ?」「いつ復旧できる?」と怒号が飛び交い、ITベンダー含めて、時には徹夜での対応が行われていた。

しかし、これらツールでシェアが高いMicrosoft 365が大企業に浸透した今、いざ不調になると、「Microsoft がトラブルを公表しているからしかたない、復旧を待とう」と言って、企業のIT部門のコーヒータイムになっているらしい。

(もちろん、Microsoft をはじめとするクラウドベンダーの中の人は大変だと思う…が、顧客側の温度感が少し和らいでいる今、以前に比べると多少はマシになったのではないか??この辺りは不明)

非エンジニアがフォーカスすべきはAIの苦手分野

安宅先生の「これから求められる人材について」によると、現在のAIが苦手とすることが例示されている。
例えば、意思がない、問いを生み出せない、枠組みのデザインができない、人を動かす力がない、等だ。

安宅先生「これから求められる人材について」より

裏を返せば、これらは人間が行わないといけない部分であるため、この部分にフォーカスすべき、ということになる。

・意思を持つ
・問いを生み出す
・枠組みをデザインする
・人を動かし、実行する

このあたりを安宅先生は別の資料でも触れている。
AIと共存しつつ「人間は人間らしい価値を提供する事に集中」すればよい。

安宅先生「“シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再生と人材育成」より

最後に

この変化への対応は、年代や立場によっても対応が異なってくるだろう。 現役世代のうち、40代/50代以降のオッサン世代はどうすべきか。

安宅先生「“シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再生と人材育成」より

人生100年時代と言われるようになって、まだまだ20年以上働き続けるだろうと考えられる中、ビジネスパーソンとしてこの変化から逃れられないことは明白。

危機感とチャンスを感じて、自ら学んでいく、変化していくしかない!と、この記事を書きながら痛烈に感じた。

むしろ非エンジニアにとっては、チャンスにもなる変化として、ポジティブに捉えていった方が幸せなのではないだろうか。

自分はチャンスと捉えていきたいと思う。

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