インセプション

現実は痛く、歯痒い

インセプションを見て雑記する

彼女との思い出に浸るあまり、いわば夢遊びを繰り広げる主人公ドム・コブ(レオナルド・デカプリオ)夢のまた夢、より深く潜っていくあまり、夢の世界に没頭して、目覚めて現実世界に戻ってきたモル(マリオン・コティヤール)は、現実が「この世界は仮想世界である」と信じ込んでしまうようになる。夢から目覚めるためには、夢の世界で死ぬ必要があり、モルは現実世界を夢の世界だと信じ込んで、飛び降り自殺する。残されたコブは、犯罪者扱いされ、子供を二人残したまま、逃亡生活を続けることになる。

ここから言いたいこと

現実は、痛く、脆く、歯痒い
幻想に囚われ、想像の世界に没頭することで現実から逃れるのは容易いことである。誰かとの楽しい思い出や、ここにはない思いを想像しユーフォリアに浸ることで、感動的な気分になるのは一時的な現実逃避の手段である。しかし、それは想像の中の世界である。

現実は非常であり、残酷である、というのは間違っていない。痛みとともにあるからこそ生の実感を得られるものである。結局、全てをひっくり返す、銀の弾丸は存在しない。虎視眈々と、着々と、現実を繰り広げ、痛み、学習することこそが、人間に与えられた性なのだと、筆者は思い知る。

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