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コーヒー業界に閉塞感を感じるか

今日はコーヒーに関するニュースではなく、ここ最近考えたことを。掲題の通りの疑問なのですが、みなさんはいかがでしょうか?普通に消費するだけの方々は考える必要もないので、気にされなくてもよいです。コーヒー業界にいたり、飲食業界にいたり、コーヒーを置くお店を営業していたり、とてもコーヒーに興味があったりする方は今、何を考えておられますか。

シーンに関して

これに関しては間違いなく日本全体で「盛り上がっている」と思います。小さなカフェ、ロースターが増えていること。そしてコーヒー屋として思う一番は「生豆の輸入業者や仕組み」が増えていることがシーンの盛り上がりを感じます。

小さなカフェが流行り、マイクロロースターが流行り、そして今マイクロ卸が力を持ってきているように思います。少し調べただけでも、ぱっと個人での卸などにも行き着くし、国別に特化した人たちも多いので、きちんとした関係性を築くことができるとお店の大きな力になりそうです。

ネットワークが世界の隅々に渡ることで、個人の活躍できる幅、仕事の完結力が桁違いに広がっているのでこういう流れはより大きなものになると思います。

売上に関して

この部分も上がっているようです。個人店で小さくやっている方には感じづらい部分だとは思います(私もそのグループではあります)コロナが流行っているこの時代に、コーヒーの需要は上がっているので、全体としては変わらない水準もしくは特需での増加が業界にはあるようです。後半に書きますが、小さな個人店は商売を工夫しないと、二局化の波に飲み込まれて消えてしまうかもしれません。

コーヒーの品質や味に関して

これもグッとあがっていると思います。ただし個人的にはここにとても閉塞感を感じています。だからこの記事を書いたという経緯もあります。コーヒーの味を良くしていく部分を、インジェクション(味を後で付加する)コーヒーが幅をきかせ、業界も頼ってきている風潮を感じます。もちろんしっかりと頑張っている人たちもいますが、新しいものをそこに求める力を感じます。

これはあまり良いことではないです。飲み物としての美味しさを求めることは良いことですが、それを風潮や流行にしてしまうと、すぐに頭打ちになったり、今までの流れを蔑ろにしてしまう様子をみます。アナエロビックなどもそうですね。

私はコーヒーをただの飲み物と位置付けたくないのです。それだと、人間の生活がより豊かになっていかないと思っています。コーヒーが生活を豊かにする必要がないと思われるかたも多くいらっしゃることを理解しますが、私はコーヒー屋であって、成し遂げたいことが「美味しい飲み物を提供すること」でないからです。

コーヒーを何と位置付けるか

コーヒーは「ツール」です。飲み物というレイヤーのもう一つ上のツールとして位置付けています。正直、美味しいコーヒーなんて大前提で、美味しくないコーヒーを扱うことなどありません。

そうなったときに「美味しいコーヒーをさらに美味しく」ということはもはや研究の域で、それをしてくださる人たちがいることで成り立つ部分はあります。ただし、カスタマーに接するコーヒー屋が、そこを突き詰めるとカスタマーは満足してくれるのでしょうか?私はコーヒーがあるその場を楽しんでいただきたいのです。

友人とおしゃべりする場所にあるコーヒーはツールです。まさにそれをご提供したい。ひとりでもくもくと作業をすすめる場にあるコーヒー。これもツール。作業がより捗ったり、捗らなかったりしながら生活が楽しいと感じられる状況。これをご提供したい。

そしてそれをご提供することが、今後個人店や小さなお店に求められることだと考えています。これはコーヒー屋だけによりませんが。コロナやこのコロナが作った状況を大きく救い出すのはこういう「人間が楽しく生活すること」に他なりません。もちろん現状、感染対策をバッチリとやってくださいね。

こういうことを考えてみては

美味しいコーヒーが世の中にたくさん出てきました。大きなチェーン店などでもスペシャルティが飲める時代。味で勝負するのはあまり得策ではありません。それに加えコーヒーは嗜好品です。自分が美味しいものが他人にとって美味しいものとは限らない世界です。

品質や味を求めるのでなく、豊かさみたいなものに目を向けることが、今後大切なのだと思います。今この業界のこの味への大きな期待には閉塞感を感じています。わかっている人たちだけでも、違うことをすすめませんか。

個人経営の自家焙煎コーヒーショップのお客様満足度を上げるために利用させていただきたいと思います。サポートいただくことが何より嬉しいです。引き続きよろしくお願いいたします。