かずき師匠から学んだ「努力」するから駄目だったのかもしれないという話
私は子供の頃から不器用で、何をやっても出来なかった。だから、ずっとどうやったら「出来る」ようになれるのかを追求してきた。
そして、今は幸いなことにアメリカのレッドモンドで、クラウドのプログラマとして勤務してコードを書くことを楽しんでいる。正直環境は最高でまわりの人は優秀でかつめっちゃいい人で、マネージャも最高なので気持ちよく働けている。
ただ、自分的には自分が一番下手というのはわかっているので、何とかせねば首になるぞ、もっとうまくならなければという気持ちが常にある。自分なりにメンターに聞いたり、周りの優秀な人を観察して戦略を考えて実行しているからまだ何とかなっているが、根本的な実力は、自分的には何とかせんとやばいといつも思っている。
優秀な人と自分を比べた時の欠けたピース
昔に比べてずいぶんマシになった感はあるが、センスのある優秀なプログラマ、例えばMVP (Microsoft Most Valuable Professionals) の皆さんと比べると、彼らが技術力がずっと高いとか、ずっと経験があるという事実を抜きにしても、「何か」が違う。それはいったい何だろう?と考えていた。きっと彼らが自分ぐらいの実力だった時にも「それ」が違っていた何かが。
たぶんこれという答えが見つかったのでこのブログでシェアしたい。
かずき師匠の衝撃の一言
私はそんなことを考えていたので、「それ」を探ることにした。普段はメンターのクリスに聞いたりするのだが、この件に関してはかずき師匠の方が適任な気がした。かずき師匠は呼吸するようにコードを書く人で、一緒にハッカソンとかをやった時はもう溜息しかでないような実力だった。
かずき師匠はクソのように出来ない私にもいいアドバイスをいつもくれるありがたい師匠だ。
その何かを探るために、彼に「プログラミングをしている時に、面白いなー楽しいなーと思うことは何ですか?」という質問を投げるのと、師匠は良い技術系のブログを頻繁に書くので、「ブログを書き始めるときのきっかけやモチベーションは?」ということを聞いてみた。
折角なので、かずき師匠のアンサーをそのままシェアしよう。
「それ」が目的ではないから
私はそのリプライとして、お礼と、自分で感じている「つらさ」の原因を言語化してぶつけてみた。
師匠はこう答えた
ええ、マジで?という気持ちと共に、ああ、そうか、それかぁ。自分を苦しめていて、そして、MVPの皆さんがあんな楽しそうな理由がぁ。。。
「努力」が自分を苦しめていた
思えば自分はプログラミングが好きだけど、自分の駄目さも知っているので、速く上達しなければ、しなければと思ってずっと「努力」し続けていた。これぐらい「できないといけない」って。努力人三倍ぐらいしてようやく人並みになれる不器用な自分は、いつもそうやってなんぼだった。
でも、MVPの皆さんは全然辛そうじゃなくて、いつも楽しそうに技術と戯れている。だからその違いは何なのかなぁってずっと思っていたけど。たぶん、たぶんこれだ。
MVPの皆さんは、結果として凄くなったのであって、自分のように「出来る人になりたい」と思ってそうなったわけではないんだ…。
「成長」は起こすものではなく起こるもの
さらに師匠はこう答えた。
めっちゃ俺当てはまってるやん。そうかぁ。そもそも目的がちゃうんや。自分は思いっきり「成長」を目指して「努力して頑張って」たけど、本当に技術イケメンになりたかったらそうやなくて、自分の成長のためでもなく、「娯楽」として楽しんだ方が実は近いのだろう。「努力」が「好き」に勝てないメカニズムはこれなのだな。自分がもっと「楽しめる」ことにフォーカスしたほうが良さそうだ。「成長」は起こすものではなく勝手に起こるものと思っておこう。
そういえば Linux を作ったリーナストーバルズも言っていたなぁ。日本語訳はたしか「それが楽しかったから」
そして、師匠はこんなこともシェアしてくれた。
「辛い…やめよう」で踏ん張るんじゃなくて、きっとそれは何かの問題が起きているサインなのだろう。
ヤクの毛刈りがつらい時はどうするか?
仕事や、趣味でもヤクの毛刈りがつらい時はどうするか?以前のブログでも紹介したのだが、インターフェイスを決めてその内部の深堀はしないと決めるというアドバイスも同じくかずき師匠からもらいました。
会話の最後にかずき師匠は次のようにコメントをくれました
まとめ
多分自分が「努力して頑張って」いて、「しんどい」間は決してそれを「娯楽として楽しんでいる」人に勝つことはない。だから、自分がそっちに回れば良くない?自分の「成長のため」は放棄して、「自分が楽しんでいるか」を自分の心にもっと聞いてみよう。しかもそっちの方がずっと楽しそうだ。
きっと師匠はそんなに大したことと思ってないかもしれないかもだけど、自分にとっては大切なピースが埋まった気がしたのでブログを書きました。
昨年の終わりに本を出版しました。おかげ様でベストセラーと言われるぐらい読んでいただけているみたいで幸いです。
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