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Vivienne Westwoodを着た魔女になりたい

最近、私の周囲で「丁寧な暮らし」をしよう、という人が増えている。
それは、食事や服装、健康や、家の中の快適さなどを求めて。

慌ただしい毎日を、少しでも落ち着きのある生活にする努力だ。


まるでおとぎ話の「魔女」のように、朝早く起きて、陽の光を浴びて、食事に少しだけ手をかけ、花や植物や動物と暮らす。そんな風に生きたいという思いが、共感を呼んでいる。

それは勿論、周りだけではなく、私の理想の暮らしでもある。

学生時代は図書室で本を読むことに明け暮れ、美術室で絵の具に塗れ、大学時代は書店と出版社でアルバイトをした。

紙とインクの匂いが身に染み付くまで働いても何も辛くなかった。今でも電子書籍はあまり受け付けず、紙をめくる動作が無いと本を読んでいる気分になれない。
小さな革細工や刺繍が好きで、夜中に小さな明かりで小さな靴を作っていた。

大学時代はアルバイトの傍ら写真部に入り、プロの写真家の先生に叱られながら世界を切り取った。
文房具コレクターで、お気に入りの紙に、自分で作ったインクで文字を書くことが幸せだった。

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私はアナログで、丁寧な時間がゆったりと流れる暮らしが大好きだ。


だから私も「魔女」になりたい。

でも。

本も写真も大好きだったけれど、自分では「プロ」として自分の生活を支える仕事にする勇気がなかった。
言い訳に過ぎないが、私はハードな生活に耐えうる身体を失ってしまった。

<若いから大丈夫>というお決まりの文句を携えて、大学卒業後に出版社で週4、書店で週4で働いていたら、ある日突然倒れた。
眠っている間も嘔吐が止まらなくて、水さえ受け付けなくなった。
本気で死を覚悟した23歳の春だった。

休息を経ても現場復帰は出来なかった。
苦しい出版界で長く休業を取れる余裕はない。
その後、社会復帰をしたのが現在勤めているIT系の会社である。

今まで生きてきた世界と真逆の電子の世界へダイブした。

職務上、ガジェットやネットワーク上の流行りなどにもチョットは精通してくる。
職場仲間にはゲーマーも沢山いて、今やオンラインゲームも遊ぶようになった。

私はアナログが大好きで仕方ないけれど、今の生活はデジタルに支配されている。

日光を浴びる時間が0でも、ブルーライトを浴びる時間は最低でも15時間以上だ。
もう高性能PCやiPadやiPhoneの無い生活はあり得ない。

だから、半々にすることにした。


このコロナ禍で、有り難いことに、弊社はリモートワーク推進企業になったため、今後は自分で自分の24時間を決めなければならない。
言い訳をしてブルーライトばかり浴びているわけにいかなくなったのである。

だから、アナログな生活とデジタルな生活をちょうど50%ずつ取って、バランスを保つ。
好きなことを諦めないし、新しく好きになることもやめたくない。

だから私はただの「魔女」ではなく、

「現代の魔女」になりたい。

そう、例えばVivienne Westwoodのワンピースを着て、大好きなBenoistの紅茶を飲みながら、電子世界で仕事をして。休みの日はまたアナログな生活に戻る。

このnoteは、そんな日々へ向かうための決意表明である。

魔女


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