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304_「高校で花開く挑戦の種」:生徒主導の探究活動のすすめ

 人生に感謝を。シンパクト和 です。担当教員が疲弊することなく、生徒がやってみたいことをやってみる「総合的な探究の時間」の在り方を提案します。

 生徒主導の探究活動は、従来の大学研究モデルに基づく課題研究から、外部人材と連携する形式へと進化しています。

 このアプローチでは、教員は生徒の興味に対して専門家である必要はなく、むしろ生徒と外部講師との橋渡しをする伴走者としての役割が求められます。

 探究の時間は、成果を出すことよりも、生徒が自らの興味に基づいて「やってみる」ことを重視し、失敗を貴重な経験として捉えることを奨励しています。教員は通常業務に集中でき、生徒は答えのない問いに挑戦する姿勢を育むことができます。

 この形式は、教員と生徒にとって有用な取り組みであり、現在の総合探究の時間の正解ではないでしょうか。

 以前の総合探究の時間では、教員は課題研究を行う必要がある、何かしら成果を出す必要がある、と考えていたような気がします。

 イメージとしてはスーパーサイエンスハイスクールでやっているようなものです。モデルとなっているのは大学の研究室の研究手法です。そのため大学の研究室で行うようなテーマを設定し、高校生のレベルでできるような内容で実施すると言うものでした。

 これには弱点があります。指導する高校教員が生徒の興味に対して十分な知識がないことです。真面目な教員は、生徒の設定したテーマに沿って、自分も勉強して可能な限りのアドバイスをしたりします。

 しかしその勉強をするためには、プライベートな時間を削ってやるしかありません。なぜなら、通常の担当教科、担任業務、文書業務、部活を指導などやるべき事はたくさんあるからです。

 課題研究に対して十分な知識を得られるだけの学習時間は取るのは厳しいです。さらに自分の大切な人生の時間を使って勉強時間に当てないとダメと言う悲惨な状態です。

 スーパーサイエンスハイスクールで行っている課題研究活動がそのまま総合的な探究の時間のモデルになっている学校が未だにあり、大変そうだなぁと思っています。

 それに対してここ4、 5年?で増えてきた探究の時間の形式があります。それは外部の人材と連携することで、教員と外部講師が一丸となって実施していく、総合探究の時間です。

 学校によって地域の企業と連携したり、青年会議所と連携したり、行政と連携したり、大学と連携したりしています。この形式の良い点は、各自の強みを持ち寄ることで、生徒がやってみようと思うことに対して対応できる点です。

 上手に仕組み化できれば、教員の負担はうんと減ります。

 基本的な教員の役割は生徒の伴走者です。外部人材と生徒の橋渡しをすることと、生徒に疑問をぶつけてあげるだけで良いことです。教員は総合探究の準備に過度に時間を取られることが減ります。

 また大学の研究を模倣した課題研究では、何かしら成果を出すことや研究のまとめを求める傾向が強いです。

 しかし、後者の探究の時間のやり方ではゴールがきれいにまとまることを求めません。生徒が「良い問い」を立て「行動」してみて、行動の結果、問いが変容し、また行動してみることを繰り返してくれればオッケーです。

 簡単に言えば、興味があることに対して「やってみた」を大事にします。失敗することを良い経験と捉えます。

 スーパーサイエンスハイスクールの課題研究を参考としている総合探究の時間ではなく、生徒は「やってみたで良い」形式のやり方の方では、教員が過度にがんばらなくてよいため、継続性がありよいと思っています。

 私が勤めている学校でも後者のやり方の仕組み作りをしている最中です。この形式で昨年度スタートをきり、今年度2年目です。

 課題としては、教員の総合探究の時間に対する考え方の共有です。教員は「答えのあると問い」に慣れています。「生徒をコントロールして正解に導こうとすること」に慣れています。

 現在の総合的な探究の時間で実施すべき事はそういうことではありません。「答えのない問い」に挑戦する姿勢を育むことが大事です。昨年1年間やってみて、先生方にも理解が広がっていることに手ごたえを感じています。

 教員が「総合的な探究の時間」の準備と指導に負担を感じることなく、生徒にとって有用な取り組みになるようにしたいです。

 教員、外部人材のそれぞれができることを持ち寄って、できることから手をつけていく。これが現在の総合探究の時間の正解だと考えています。

人生の限りある時間を大切に。シンパクト和 でした。

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