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305_個別最適な授業実践から得られたこと(高校数学)

人生に感謝を。シンパクト和 です。

 今年4月より、一人一台端末を活用した「個別最適な授業実践」を始めて1ヶ月経過しました。得られた3つの気づきを紹介します。

 私は、下記のラーニングピラミッドの「自ら体験する」「他の人に教える」に重きをおいた授業作りに挑戦しています。

ラーニングピラミッド

「教師が全体説明する時間を最小」に、「生徒が自分の頭を使う時間を最大に」がテーマです。生徒は自分の理解度に応じて、個別に時間を使える時間を多くとるようにしています。

✨おさらい_数学寺子屋スタイル

どのようにやるか
1.授業スライドを事前にTeamsで配布する。
2.生徒は個人用端末、教科書、ノートを使用する。
3.授業の冒頭にその時間に進む教科書範囲を明示。
4.授業内で授業スライドを元に2つか3つのまとまりを作り、概要を説明する。
5.生徒はまとまりごとに概要を聞き、自分で教科書・スライドを参考にノートへ要点をまとめ、演習を行う。
6.まとめ、演習の時間に疑問点があったら、生徒同士で考える、あるいは教員に質問する。


♦️教師がいなくても生徒たちが教科書の学習を初見で進められる。

 1週間ほど上記の授業形式をやった後、出張で不在となる授業がありました。その際、Teams添付のスライドを活用して、自分たちが学習した内容をノートにまとめるように指示をしました。そして、Teamsで自分が学習した内容のノートを課題提出するようにしました。
 その結果、数学Ⅲの教科書3ページ分の内容を自分たちで学習を終えました。一人一台端末があれば、やり方次第では教師がいなくても授業成立してしまうことを体験しました。次の日の授業で理解度を確認したところ、概ね良好でした。あとは、特に勘違いしやすい所だけを説明して、次の単元に進みました。
 ちなみに、生徒の自習状況の見学を副校長(数学)にお願いをしていました。後日、副校長に聞いてみると、生徒たちが自分たちで学習していて驚いたと言われました。

♦️授業時間内に、教科書以外の演習問題までやってしまう。

 通常の授業では授業時間内の問題演習は、教科書の練習問題でおおよそ時間いっぱいになります。しかし、このスタイルだと自分で使える時間が多いため、ほとんどの生徒が授業時間内に傍用問題集の問題までどんどん解いています。
 家に帰ってから疲れた状態で演習するよりも、記憶の定着と理解の深化に良いのではないかと期待しています。
 授業内で生徒が問題演習に余裕がある場合もあります。そのときは発展問題を10分ぐらい取り扱ったりする時間もありました。教科書の授業進度は計画通りに進みつつも、発展問題を生徒と考察できる時間が作りやすくなりました。以前は、発展問題を扱う場合、教科書の進度を落としていました。

♦️授業時間内に様々な生徒と個別に話せる時間が増えた。

 全体説明をした後に机間巡視する時間が十分にあります。その際に生徒に質問してみると、全体説明で伝えた内容が意外と伝わっていないことに気づきました。内容と生徒のレベルにもよりますが、全体説明した内容がいかに授業内だけでは生徒にしっくりきていないかを体験できました。
 質問が苦手な生徒にはこちらの方から表情を見て話しかけています。そうすると、質問しないので一見大丈夫そうに見える生徒であっても、実はわかっていなくて聞きたい事があると言う事が意外とありました。
 これまでは生徒がわかっていそうな顔で演習していれば、邪魔をしないように話しかけませんでした。実はわかっていない状態で演習している事が意外と多かったことに気づきました。
 現在は日によって話しかける生徒を変えながら、生徒の理解度を確かめています。

✨気づきのまとめ

 全体講義に多くの時間を使っていたこれまでの授業スタイルでは気づかなかったことに気づきました。
 板書を少なくしPowerPointを活用した授業映像を活用した授業、グループワークの時間を毎時間設定する授業などいろいろ取り組んできました。
 現在、1人1台端末の普及によってできることが広がった今が1番生徒の状況に合わせた授業ができる気がして楽しいです。それぞれが自分の思考スピードと理解度に合った学習ができることが1人1台端末の魅力だと改めて気づきました。
 今現在でも続けられている全体講義中心スタイルは、教室内のどれだけの生徒にとって、「自分の頭を使って思考している時間」になっているのでしょうか?
 大学進学を目指して勉強するなど、全員が明確な目標がない限り、「ただ時間をすごしてしまっている生徒」を多く生んでしまっているのではないかと感じています。

 一人一台端末を活用した個別最適な授業をどんどん試していきたい。ラーニングピラミッドで効果の高いとされる「自ら体験する」「他の人に教える」中心とする授業をしたい。

人生の限りある時間を大切に、自分のやりたいことを実現したい。
シンパクト和 でした。


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