見出し画像

頭もしゃべりもカタイ人たちのための「ブレスト・アイデア会議」のやり方、超入門編

相談をくれた1人の友人のためだけにこの記事を書きます。

普段、会社などであまりブレストやアイデア会議をやる文化がなく、慣れておらず、思考が凝り固まっている人たちに、以下の流れを試してみてほしいです。不慣れでコミュニケーションに自信がない人でも一歩ずつ試してみられることだけをまとめました。全部上手くできなくても、「これらを意識している」だけでずいぶん変わります。以下、順に説明します。

■まず:ブレスト、アイデア会議、企画会議の違い

・ブレスト →アイデアを発散し、自由にたくさん出す。アイデアの収束は必ずしも必要ではない
・アイデア会議  →発散と収束。選択肢となるアイデアをたくさん出し、より良いアイデアになるように意見を交換し、今後企画として詰めていきたい候補をいくつか選ぶ
・企画会議  →利益をもたらす企画を提案し、改善点を洗い出す意見交換をしたり、次のステップへの進行の承認を得たりする(補足:アイデアは、具体性、実現性、収益性をこれから詰めていくもの。企画は、具体性、実現性、収益性のある「計画」になっているもの)

この記事では、ブレスト、アイデア会議までのことを書きます。

■基本ルール:全員、準備して参加する

・考えたいお題は事前に参加者に伝え、当日は必ずアイデアを持ち寄る。手ぶらで参加することはNG
・ただし持ってくるアイデアは、話し合うきっかけとして最初にキックオフするボールなので、優れている必要はなく思い付きでOK。それを土台として話がすぐ始まるようにする
・特にブレストでは、持ち寄ったアイデアの発表会をして良し悪しを話し合うより、それをきっかけに新しいアイデアがどんどん生まれることを目指す。アイデア会議では、アイデアがより良くなっていくことを目指す

■役割

1.ジャッジ(1人)→ブレストでは不要。アイデア会議の場合、最終的に前に進めるアイデアはこの決裁者1人が選ぶ。忖度せず、選ばないアイデアは独断でバッサリとボツにする。ただし、良いアイデアはちゃんと評価して「良い」と伝え、喜びの感情を見せつつ今後の課題も伝える。
2.プレイヤー(他全員)→アイデアを楽しんでたくさん考える。(以下はやや上級技だが、)試せるならプレイヤーたちは結託して、ジャッジに選ばれるアイデアを生むためのチームプレイを行う。みんなでジャッジを笑わせようとする姿勢がおすすめ。

※ジャッジもプレイヤーとして参加してよいが、先へ進めたいアイデアの選定と次の行動方針まとめを真剣に考えることが最優先。もしも、ジャッジという立場ゆえに忖度して自分のアイデアを押し出せなかったり、他のプレイヤーにプレッシャーを与えたりする可能性がある場合、ジャッジは積極的にアイデア出しに参加しなくてもよい。かと言ってもちろん、思いついたアイデアの発言を控える必要はない。

※ファシリテーターの必要性については後述するが、理想は参加者全員がファシリテーターであるべし。全員が、アイデアが多く出るよう促進することを目指して、よいコミュニケーションを意識し続けていることが理想。まずはアイデア出しのお題を設定する主催者1人がファシリテーターとしてふるまい、徐々に全員がファシリテーティブになれるよう意識するだけでよい(意識するだけでずいぶん違う)

■アイデアの拡散方法

持ち寄ったアイデアを発想の「きっかけ」にして、以下のように各自アイデアを広げて考えてみる。
1.枕詞に「私だったら」をつけて、どうすれば、もっと自分が欲しい(好む)ものになるかを考えてみる
2.足し算、引き算、かけ算。何かの要素を付け足すか、何かの要素をなくすか、既存の何かの要素をかけ合わせてみる。(割り算「そのアイデアを2つに分解してみる」も、機能することがある)
3.何かの要素をずらしてみる(大きさ、値段、種類数、時期、モチーフ、素材、ターゲット顧客層……)
4.枕詞に「逆に」をつけて、いろいろな意味でそのアイデアの逆を考えてみる
5.そのアイデアを聞いたことをきっかけに思いついた全く関係ないことを言う

■ファシリテーターの必要性

この人がファシリテーター、と定義し宣言する必要はない。会議を主催するホストは「ファシリテーション(促進)」を意識し、参加者全員が同じく他者や場に対してファシリテーションを意識できるよう観察し、考え、コミュニケーションをとる。先述したことの繰り返しになるが、すぐにできなくても、まずは意識していられれば良い。

■ファシリテーターのふるまい

・ファシリテーター自身が緊張しておらず、自然体である。意識しすぎて緊張感を醸し出してしまうくらいなら、ファシリテーターという役割など設定する必要はない。ブレストやアイデア会議の最大の敵は緊張感
・常に面白がり、楽しんでいる
・「みんな、もっとしゃべって盛り上がろうぜ」「考えて」などはNGワード。他者の行動や発想を強制しコントロールしようとすることは、ファシリテーションと反する。例えばずっと黙って考えたい人は、みんなの話を聞きながら手元でメモをとって熟考してから最後にボソッと話してもいいのである。個々がアイデアを出しやすい形で参加できるよう努める
・議論が停滞したら、2人ペアで話したり、3人組で話したりすることを提案する。15分くらい分かれて話したら、また全体会話に戻る
・制限時間をできるだけ感じさせず、脱線しすぎているときはごく自然に少しずつ話を戻してみる。常にゆるやかに、前向きに進めようとする。時間であせらない
・たまに席を外して他の人たちにしゃべらせておく

■アイデアの選び方(アイデア会議の場合)

以下の基準で選ぶ。
1.まず小さく試せる一歩目の行動がある(物理的ハードル、担当者の心理的ハードルが低い)
2.自分、提案者、よく知っている人など、この世の誰か2人が客としてお金を出してでも確実にその価値を欲する
3.怖そうな人に企画をプレゼンする想像をしても怖いと感じない
4.技術的、ルール的に具現化できそうに思える
5.自分たちの組織が欲しい規模・種類の利益が得られそうに思える
6.そのアイデアのプレスリリースの見出しの最初20~30文字が、シンプルに伝わりやすく、「その手があったか!」という意外性を持つものになる

※もちろん、この場で出た新しいアイデアより、最初に参加者が準備してきたアイデアそのままが一番良ければ、それを選べばいい。

■アイデアのブラッシュアップ

上の「アイデアの選び方」の基準を満たす方向に近づけるためには、どう調整すればより良くなるかを考える。



以上です。
機会があればさっそく、会社のチームやプロジェクトメンバーと一緒に試してみて下さい。アイデア会議は最高に楽しいです!

※ブレストやアイデア会議の場に僕も交ぜてくれる方がいたらぜひ、誘ってください↓

※この記事の補足、Voicyでも話しました↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?