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「NHK-FM ミュージックスクエアの中村貴子さんに育てられたビンゴ」を作ってみた。

高校生の時、毎晩9時に受験勉強をしながら聞いていたのが、NHK-FMのミュージックスクエアでした。僕の人格の一部は、このラジオ番組によって形成されたと言っても過言ではありません。1995年~1998年のことです。

時代はインターネットが使えるか使えないかくらいの頃で、パーソナリティの中村貴子さんがどんな顔なのかを知るすべもないまま、毎日その声を聴いていました。

カセットテープでこの番組を録音し続け、好きな曲だけをダビングし、ベスト盤のカセットテープを何本も作っていました。この話をするのは、なぜか今回が人生で初です。秋田県で過ごした高校時代まで僕は友達がほとんど居なくて、暗く内向的で、地元のジャスコで不良にカツアゲされそうになって逃げまわるという日常を送っていました。そんな中で好きな音楽の話を誰かとすることもなく、かといって大学に行ってから高校時代の話や自分の趣味を誰かに語ることもなく、長い時間を費やした大好きなラジオの思い出を封印したまま、大人になりました。

この頃特に、神様のように崇拝していたのが奥田民生で、もちろん今も愛していますが、ユニコーンの楽曲の面白さから、回りまわって「おもちゃ作り」で人を笑わせるという仕事に行きついたのだと自己分析しています。能力があったらミュージシャンになりたいと願い、誰にも言わず密かに曲を作り、機材を買ってギターとキーボードで録音し、布団をかぶって歌っていた時代もありました。

なぜかふと、この思い出がよみがえってきたので、90年代後半のミュージックスクエアの話ができる友人をあぶり出して一緒に焼き鳥屋に行こうと思い、以下の様なビンゴを作ってみました。自分が好きなアーティスト(と好きなパーソナリティ、中央)に〇をつけていき、もし一列揃ったら、この番組を聞いて中村貴子さんに育てられた人として「ビンゴ!」なのではないか? と思われる配列を計算して組んでみました。

スライド1

こちらです。よかったらやってみてください。また、編集できるPowerPointのファイルもアップしておきますので、良かったらダウンロードして使ってみてください。

正直、これが正解ではないと思いますし、そもそもたかが24枠で足りるはずもなく、相当悩みました。もちろん、Mr.Childrem、スピッツ、ウルフルズの様な大ブレイクバンドも、Bonnie Pink、Coccoなどの女性シンガーも、小沢健二、コーネリアス、ピチカート・ファイヴ、カジヒデキ、ROUND TABLEなどの渋谷系も、GLAY、L'Arc-en-Cielなどのいわゆるビジュアル系バンドも、小室系も、このビンゴに入れて然るべきアーティストなのですが、ミュージックスクエアならでは、かなと思われるアーティストを優先しました。個人的推しが入っている部分は否めませんが。

なので、もし異論がある方は、上のPowerPointのシートをダウンロードして編集して頂き、「これが正解だ」というご意見をどこかでシェアしてくれたりしたらすごく嬉しいです。PowerPointデータには以下の「ビンゴシート用差し替えパーツ集」も入れてあるので、参考に使っていただけたら。(もちろんこの限りではないんですが…)

スライド3

↑ ビンゴシート用差し替えパーツ集


ちなみに、僕のビンゴシートは以下です。一列揃いました。全部〇をつけてもいいくらいだけど、当時、人一倍好きだったと言えるところまでにしました。系統が違う複数のアーティストが一列に並ぶように組んでいるので、好きな傾向で串刺しされずに、番組を聞いていたら串刺しされることを狙った配列になっています。

スライド2

僕が間違いなく中村貴子さんのおかげでファンになったアーティストの代表は、CARNATION(カーネーション)です。最近Spotifyで見つけてずっと聞いています(時代は変わりました…)。番組を偶然初めて聞いた日のオープニング曲はTHE HIGH-LOWSの「バナナボートに銀の月」でした。

番組の断片で強く記憶に残っているシーンはいくつもあって、中村貴子さんがリスナーのハガキを読んで突然号泣した日や、ファンだから2丁拳銃のCDを5枚買うというハガキに異論を唱えた日、フリッパーズギターを知らなかった頃に特集回を聞いて一発でハマった日など、挙げるときりがありません。今フラッシュバックしたのは、風呂に防水ラジオを持ち込んで聞いていた頃の事。オープニングは真心ブラザーズの「ループスライダー」で、エンディングはたしかthe pillowsの「彼女は今日」だったような。金曜日のTOP20カウントダウンで、奥田民生の「イージュー★ライダー」が1位になった時はめっちゃうれしかったです。純粋な少年でした。

あれから20年以上。僕は、ミュージックスクエアの話を人としたことがないから、現時点で、この番組を聞いていた人が他にもこの地球にたくさんいたということすら不思議な感覚でいます。もしこの記事を見て、何か感じることがあった人がいたら、会ってみたいです。

音楽ビジネスがどうなっていくのかは難しい話ですが、音楽は人間にとって必需品です。人生はなかなか大変なもので、きれいごとだけではない現実があって、子供時代から重い出来事が次々と起こり、みんな泣いたり悩んだりしながら前に進みます。それに寄り添ってくれたのは、思い返すといつも音楽でした。それぞれの年齢で心に響いた曲を口ずさみながら、僕らは何回でも頑張れたんだと、つくづく思います。(だからドラマとか、卒業式とかで音楽が流れると、人は泣いてしまうんだろうか。)

時代は変わり、中村貴子さんもTwitterInstagramをやっておられました。秋田の高校生が、会えるはずもなかった、ラジカセの向こうの人に、時を超えて会いに行けるかもしれない時代が来たんだなあとしみじみ感じました。

最後に、中村貴子さんにもしこの記事が届いたら、僕は当時聴いていた何十万、何百万人のうちのただの一人ですが、心からお礼を言いたいです。人生にかけがえのない素晴らしい音楽体験と、どうしようもない僕がちゃんとした大人になる原動力をくださり、ありがとうございました。



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