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MaaSに関するクラウドメモ Part4/?

今回からは前回までの続編にあたる「Beyond MaaS」を読みながらクラウドメモを作っていきます.
相変わらずMaaSを解説したり,整理をする気は全くないです.
ちなみに前編は↓

読みながらの所感など

『交通版デジタルプラットフォームを「手段」として,まったく新しいビジネスを創出し,社会的な価値を最大化していくこと』(始めの方)
『MaaSの導入自体が自己目的化してしまい,「何のためのMaaSか」がきちんと問われないままに取り組みばかりが...』『実現したい何かがMaaSとは別にあり,そのための手段としてMaaSがある』(p81)

これ大事ね.新規分野って手段と目的の混同がよくある.あくまでも利用者目線でMaaSを設計しないといけない.個人需要を踏まえた公共交通の利便性向上とそれによる付加需要の創出を目的とした交通サービスにすぎない.さらに言えば,地域ごとに目指すべき具体的なゴールは異なるはず.(アクティビティベースドなアプローチ)

p19 参考資料

一社)JCoMaaS 産官学連携.筆者らが参加.

おもしろそうなサービス
東急:サブスクパス(交通+映画+食事)
setowa:スケジューラ機能つきらしい

p33:「交通事業者のサービスはユーザーの囲い込みモデルになりがちだが,(中略)マイカーユーザーに追求するサービス,潜在意識を喚起するサービスのデザインの探求を」

ユーザ側の導入コストという観点からもマイカーユーザーに追求するモデルを(特に実証レベルでは)作りにくいのでは? マイカーユーザー向けとなると,マイカーを所有をしないで,しばらくMaaS利用で暮らす状況が再現されるような長期スパンを考え,その場合で効用が高いと判断されないと使われないが,それを短期の実験で判断するのは難しい.実際に交通事業者が手を付けやすいのは前者となってしまう.
(じゃあどうすればいいのかは分からないので,ただの批判となり申し訳ない)

日本版MaaS(2章)

ここの章が凄く大事だと思ったので独自項目に.

現状
・そもそも日本は交通の整備も運営主体も公ではなく民間.
・各地域の状況に応じて各企業が独自に発達している.
・交通各社の自社グループでの沿線都市開発(TOD),商業や観光などを展開して収益を得ている企業が多いから,鉄道事業を自社内完結で維持出来たり,そういった開発も出来る余裕がある.
・(3番目より)業種間連携に関して,一定のノウハウが存在する.
→ この辺は結構日本独特の状況だったりするが,MaaSの総合的展開においては重要だったりする.
・法が厳しいために公共交通の安全が維持されてきたが,それゆえ新規事業なども大変.

Japan MaaS方針
自分の解釈なので合ってるかは知りません.
・例えば各地方などでMaaSを構築した場合にも,共通化基盤を用いることで,MaaS同士の連携(ユニバーサルMaaS)が取れることが望ましい.
・(現状2,3番目より)異業種連携による移動の高付加価値化,結節点(=駅)の整備と伴うまちづくりが得意でしょ? だからそれを活用できるようにしようね.
・ただMaaSのための事業者間連携がなかなかネックだから頑張ろうね(方針1の続き)

日本は都市交通と地方交通の差がかなり大きい.
→ (以下は自分の考えを多く含む)都市型のMaaSと地方型のMaaSは同じ「MaaS」という言葉で根本的な思想(モビリティサービスの統合と個人に合わせて移動・活動の価値を最大化する)を共にしながら,まったく異なる交通実態に合わせたサービス内容を提供するために,異なる問題意識,アプローチを要する.と思っている.

地方型ではオンデマンド交通(≒乗り合いバス,乗り合いタクシー)などにより,路線バスよりコストカットをしつつ,オンデマンドな運航により利便性を向上する例が多い.このデマンド収集をアプリ経由によってデジタルに行うことにより効率化を図りたい.
自家用車を活用したライドヘイリング,カープーリングなども活用.

※※ (本書とは関係ないが)JR東日本なども最近この流れを非常に汲んだ事業展開をしている印象.(エキナカとかその他鉄道以外の関連事業など)
「変革2027」にあるように,今後は鉄道を起点とした総合的な生活サービスへの展開をしていくみたい.モビリティリンゲージプラットフォームって要はMaaSプラットフォーム.僕はSuicaなどの交通ICを中心として日本は進むべきだと思ってます.

MaaSの分からなさ(2章続き)

多分それだよなぁ...と.

ビジネスの担う部分:参加する交通事業者?プラットフォーマー?オペレータ補助?
収益モデルにかかわる部分:プラットフォーマーの仲介手数料,定額時のレベニューシェア,そもそも定額制は儲かるのか?,中抜き?

MaaSアプリを通じて需要の均衡化,昼間需要の増加,付加需要のできるんじゃね?という検討が必要.

MaaSにかかわる国の流れ(2章続き)

ここに書いてありますね.

①自家用有償旅客運送制度→地方で白タク解禁.実際必要だと思う.
②タクシーの利便性向上→乗り合い・事前運賃確定制,ダイナミックプライシング,サブスクに適用可能な運賃体系
③オープンデータ,オープンAPI
④交通結節点整備.バスタプロジェクトなど.
→ 個人的に(&前書でも)MaaSによる交通のソフト的バリアフリー化には,ハード的バリアフリーも必須だと考える.その点でソフト&ハード双方のバリアフリーを行った結節点を設けることは非常に大事だと思っています.なので結構バスタプロジェクト推し.(※国土交通省の回し者ではない)

参考資料【バスタプロジェクトに関する資料】


地方型MaaSの課題点()

①地域交通計画の策定により,地域での重要交通の指定=運営補助が図られやすくなる?
②バス会社の共同経営(カルテル)を認可制で可能に=バス網整備による利便性向上 etc.

MaaSの管理主体は地域なのでは? -> それは思う.

日本版MaaSの大目的→ QOLの向上.これも諸外国的には結構異質だよね.

ビッグデータの活用?

ETC2.0 : 車のプローブデータ
モバイル空間統計
Suicaによる交通断面データ

キーワード的な


妄想


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