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ファシリテーター

 昨今は、専門性とか、学び直しとか、組織の力に頼らず、個の力を高めていくことが大事である、というようなことが、言われています。

 ただ、専門性って、半端なものでは、どころか、相当程度高度であっても、それだけで生活を立てていくのは、大変なんですよね。
 若い時は、それでも周りは将来性の要素を加味して、そこに相当程度高度な専門性があれば、ウリになるのだと思いますが、小学校、中学校、高校と進むと、勉強でもスポーツでも、地元の神童も普通の人になってしまうように、勝負の世界に出てみると、相当程度高度な人はいっぱいいます。
 それで、専門性はアップデートが必要なので、最後は気力体力の勝負になってきて、若い人が有利ということになります。専門性の中でも、自分だけのブルー・オーシャンを見出し、参入障壁を設けて、安定的な票田を確保しないと、常に気力体力の勝負に巻き込まれ、将来性が減じていく分、徐々に劣後していくことになります。
 専門性プラスアルファの部分、それは人的ネットワークとか、別領域の専門性との組み合わせとか、相乗効果により自分だけのプライベートビーチ的な、ブルー・オーシャンを持つことで、気力体力の勝負に巻き込まれず、最後までその専門性を生かして人生を成り立たせる、ということになると思います。

 学び直しは、魅力的なワードであり、社会人大学院に入る人も少なくないわけですが、個人事業とのハイブリットでビジネスとの相乗効果を高めるとか、ある程度、社会的に成果を出して、そこが頭打ちになったので、橋頭保を見出すために新天地にジャンプする、そんな感じでないと、あまり意味がないように思います。
 僕のところには、大学院に入るために休職できるような制度はありますが、業界の専門知識を得るとか、経営全体の視点を学ぶとかいうのは、若いころはそれでも良いのでしょうが、ある程度の年齢になって実社会から離れても、社会にいたほうが圧倒的に流れが速く、じっさいに水の中に入って流れを体感しているのと、岸辺から川面を眺めるぐらいの違いがあり、結局、休むに近い状況になると思います。ですので、2年後なりに戻っても、周囲との差がついている、よほどの覚悟と、専攻を戦略的に選ばないと、そうなってしまうと思います。

 ある程度の年齢になって大事になるのは、やはり、ファシリテーターとしての能力なんですよね。もちろん、専門性はあるにこしたことはないのですが、何かを実現するにも、ビジネスを成功させるにも、良い情報は半ば閉じたネットワークにしか流通しないし、組織の意思決定も同様です。実行力を担保するには、矛盾を飲み込み、そのうえで合意可能なところで、かつ、実現可能性の高い着地点を見出すしかなく、それには良質な人的ネットワークを持っていることは不可欠で、そこに入るにはファシリテーターとしての能力が重視されるように思います。

 

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