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情報の結節点

 組織の中で重要なポジションを歩んでいると、年単位でみるとかなりの人たちとのつながりが新たにできることになります。当然ながら、担当業務や部署が変わると、途切れる人も相応にいますが、中には引き続きといった感じで、長年の付き合いになる人たちもおり、年数が積み重なると、ネットワークは通常、拡大をすることになります。

 ただ、恒常的に業務でやり取りをする人でなければ、意識してネットワークのメンテナンスをしないと、そのうち草ぼうぼうの線路のようになって、使えなくなってしまいます。
今はメールがあるので、時々、メールで近況報告をしておくと、何となくつながることができるので、再開したいときに短時間でよりを戻すことができます。

 もちろん、業務での関係から離れた後に、その人との人間関係を続けるかどうかは、業務上の付き合いがあった際に、どこまで個人的な信頼関係を築けたかというところは大きく、そこがないと、あえて手間をかけてまで人間関係を維持したいとは思わないですし、ネットワークの再開にあたっても、むしろ知っていることがネックになります。

 その時々の勢いとか力関係で、無理押しをした場合、その相手とのネットワークは、僕の負の情報であふれており、その後、立場が逆転した場合は、負のネットワークになって、物事を進める際にマイナスとなってしまいます。

 人間関係のネットワークの1次的なつながりというのは、限りがあり、誰かを介して、2次的、3次的につながる相手に信頼してもらえるかが、自分の情報結節点としての価値を高めることにつながります。

 その際には、1次的な関係の人たちの信頼関係が大変重要になり、そこがダメだと、その先の人たちと、縁があって僕との1次的なつながりができたとしても、色眼鏡で見られるところからはじまるし、仮に僕のことを相手が悪くないと思っても、別な人との関係性において、つながりを深めることを遠慮してしまうでしょう。これは僕が誰かのネットワークの外側にあっても、同じことが言えると思います。

 情報の結節点にあるから、何か儲かるとか、仕事を有利に進められる、そうした打算面で得をするとは限りませんが、少なくとも、多くの情報が入ることで、仕事上は視野は広くなり、自分の意思決定にあたっての参考にはなります。

 そして、情報を積極的に取りに行かなくても、自身の情報結節点としての立ち位置が重要になり、情報が多く手に入るようになると、無理に情報でマウント取らなくても、結節点の機能を維持し、さらに拡充させられるようになります。

 もちろん、自分とダイレクトにつながる1次ネットワークだけでは、手に入る情報には限りがあり、情報の結節点にある人との、1次的な関係は非常に重要ですね。そこから2次的つながりが一気に広がることで、情報量が乗数的に拡大します。

 ネットでは情報はあふれていても、目利きができないと必要な情報には到達できませんし、それには得意分野に長けた人とのつながりが不可欠です。今は必ずしも、リアルにつながる必要はないですが、機微の情報は、リアルの閉じたネットワークにしかないことが多い。

 多少手間はかかっても、人的ネットワークのメンテを行うことは、人生を精神的に豊かに過ごすうえでとても大切なことであり、僕自身、研鑽を重ね、結節点としての質を高めていきたいと思います。

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