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8割、9割が中学受験の衝撃

 昨日は教育系の出版社の方から、中学受験の全体的な話を聞く機会がありました。
 僕の周辺の肌感覚としては、平均2割、多くて3割の6年生が、中学受験をする、そのように考えていましたが、東京都心の臨海部の一部の地域は、受験率が8割、9割といったところもあるようです。
 その人たち全員が、そのまま国立、私立中や、公立の中高一貫校に合格して地元の公立中学に行かない、というわけでもないと思いますが、それでも公立中高一貫一択のような場合でなければ、第二志望や第三志望まで含めれば、かなりの人が全滅せずにどこかに合格するでしょうし、費用面を考えなければ、入口(入学時の偏差値)と出口(大学進学実績)の同レベル公立中高との比較では、私立が良い場合もあり、中学受験に3年ぐらい準備してきた人からすると、世間体やサンクコスト効果もあり、多少無理しても私立に、と考えるのもよくわかります。
 となると、そうした地域の公立中学校というのは、どれぐらい入学者数がいると見込んでいるのか、非常に興味があります。おそらく過去の入学者数を踏まえて、ある程度のクラス編成をするのだと思いますが、それにしても、小学生の同級生の大半が地元の公立に行かないという事実は、義務教育とか学区の考え方を、根本的に見直す必要があるのかもしれないと、その話を聞いて感じました。
 現実、義務教育期間である中学生は検定教科書を無償配布されるのだと思いますが、公立中高一貫校でも、数学は「体系数学」を用いて完全無視ですし、英語は使いはしますが、その3倍ぐらい、他のテキストや教材を用いて授業しているようです。数学は「体系数学」というのは、ある程度のレベル以上の学校はデフォルトのようなので、いっそ配布は選択制にしたほうがいいのかもしれません。ただ、この辺は憲法との関係とか、本音と建前の使い分けみたいな面もあり、簡単にはいかないと思われ、ここはいずれ教科書がタブレットになることで、解消するように思います。
 学区の方も、ここまで中学受験が浸透すると、もう少し選択の余地を広げてもよいのかもしれません。そこで人気が偏る可能性もあり、制度設計は難しいと思いますが、子どもたちの抱えるさまざまな感情を考えると、別な学校に行きたいという人が、以前より増えているように思います。
 ただ、その出版社の方の話を聞いていて、中堅以上の私立大学は、私立中高一貫校の系列化や、提携関係が増え続けており、いわゆる、GMARCH以上の大学に、外の高校から入るのは、以前に比べても難しくなっているようにも感じました、自分の世代も人が多くて大変でしたが、系列校はまだまだ少なく、高校3年からのスパートで何とかなる、ダメなら浪人もありという雰囲気でした。今は小学生の時に、中の上より成績が上の子どもたちは、半ばブラックホールに吸引されるように中学受験に巻き込まれ、相当な時間を費やすことになり、大学系列校以外は、そのまま大学受験まで走り続けさせられることになる、持久走としては相当な長距離で、これが出来る人もいるでしょうが、巻き込まれて走らされている子どもは、持つのだろうかと、心配になってしまいます。

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