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狭い家の効用

 僕が今住んでいるのは借り家であり、部屋も3つしかないところに4人で暮らしています。
 1部屋は実質的にモノであふれているため、普段の生活はリビングで、夜は和室に4人一緒に寝ています。
 子供たちが大きくなってきたので、3年前ぐらいに引越しも企図しましたが、周囲にファミリー向けの物件が少なく、かといって現在の住環境は捨てがたく、結局引っ越せずに今に至っています。
 さすがに土休日は4人一緒だと窮屈な感じがするので、僕はコワーキングスペースを借りて、特に家族で出かけるとかいうことがない限り、そこに朝から夕方近くまでいる感じで、夕方に食材を買って僕が家で食事を作る、そんなサイクルになっています。
 狭いところにいることで、家族に不満がないわけではないのですが、子どもが部屋に籠って何をしているかわからない、ということはなく、家族が顔を付き合わせているので、子どもたちも学校の出来事を話してくれますし、さまざまな話題を共有したり、上の子が下の子の勉強を見てあげたりもしています。喧嘩をしても、とじこもるところがないので、すぐに仲直りします。
 寝るときも一緒なので、体調の変化なんかも、何となくわかります。ただ、僕のいびきが時々ひどくなるので、家族に迷惑をかけることもあり、今はマウスピースをはめて寝ています。
 おそらく、こうした生活も、あと1、2年なのかなと思っていますが、現在の住まいは、借り家とはいえ、そこで家族の歴史が積み重ねられており、思い出が刻まれ、家族の間で定められたルールが随所に確立しており、慣れ親しんだ、住みやすい環境が出来上がっています。
 とはいえ、僕自身も、そうした子どもの頃の住まいを離れ、様々な住まいに順応してきたので、家族も今の住まいを離れても、程なく適応できるはずであり、狭い家の効用は感じていますが、そろそろ、子どもたちが自立できるような、新たな住まいに引越したいと考えています。

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