見出し画像

綿棒でボタン押す人

  先日、会社のエレベーターに乗った時、途中の階から乗ってきた人が、行き先階のボタンを綿棒で押していました。
 一年ぐらい前までは、こうした光景は珍しくなかったと思いますが、このところは、施設内への立ち入りのチェックも緩やかになり、場所によってはパーテーションも撤去され、屋外ではマスクを外す人も増えつつある中で、久しぶりに出会いました。
 政府の方が、今春にも感染症の分類を2類から5類に変更しようとしており、それに併せて、マスクの着用も原則不要となるようです。今でも、感染症により亡くなる方は少なくないのですが、経済活動や地域イベント、学校行事の制限がもたらす社会への負の影響を受容するほどの感染防止効果が期待できないことから、社会的に、建前の感染防止対策を取りつつも、暗黙の受容が広がっており、それを政府として形にするようです。
 ただ、一方で、感染防止に神経を尖らせる人は一定数おり、有効な治療法はなく、亡くなる人も多いことから、個人としては政府の方針に反発する人も少なくないと思います。綿棒でのボタン押しは個人の行動で人に違和感を抱かせる程度ですが、雨の日でも電車の車内で窓を開けて回る、マスクを着用していない人に対してあからさまに忌避行動を取る、といった行動は、感染防止対策の建前が外されると、利用者同士のトラブルになる可能性があります。
 ある自治体の首長さんからも、特にマスク着用ルールについては国民感情に丁寧にアプローチしないと現場が混乱し、かえって国民の分断を招くとの意見がありましたが、その通りだと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?