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球場の体感

 昨日はある人のお誘いを受け、東京ドームのカープ戦をバックネット裏のシーズンシートで観戦しました。
 試合結果のスコアボードだけを見ると、9回までは息詰まる投手戦が続き、カープが延長に入り大量点を取り勝利したような試合でしたが、6回以降は、ジャイアンツが押せ押せで、8回、9回は瀬戸際まで追い込まれて、何とかしのいだ感じです。
 特に9回は、まさに臨場感を味わえるイニングとなりました。
 9回から登板したカープのリリーフ矢崎に対し、ジャイアンツの門脇がセフティバント気味の内野安打により意表を突き、守備の乱れを誘って2塁まで進塁、そこで矢崎がカッカしているのが手に取るようにわかりました。
 次の若林は申告敬遠で塁を埋め、梶谷で勝負して内野ゴロに仕留めたのですが、一塁への送球が乱れてダブルプレーにはならず、1アウト1、3塁と外野フライでもサヨナラのがけっぷち、矢崎はダブルプレーにできなかったことで、なおも苛立ち気味です。
 そこで代打に出てきたのが長野。カープのリーグ3連覇後に、FA宣言でジャイアンツに移籍した丸の人的補償としてカープに移籍してきた選手であり、三連覇後に下位に低迷していたチームの精神的支柱として活躍し、今シーズンから古巣に復帰しています。
 おそらく、そうした長野に対する感謝の念もあり、僕自身として、これはやりにくい、ここでサヨナラでも仕方ないのではと思いましたし、やりにくさという点では、選手も気持ちは同じではなかったかと思います。
 ここでスリーボールまで勝負し、最後に申告敬遠で歩かせ一死満塁として、何とか矢崎は二人を打ち取り、サヨナラ負けの危機を乗り越えました。
 やはり、なんといってもこの長野の打席が、ポイントだったように思います。最初から申告敬遠ではなく、4球目で申告敬遠、球場にいると、「ああ、ここだよなあ」と思う、絶妙なタイミングで新井監督が申告敬遠を出しました。球場ですか感じられない体感ですね。

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