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自分以外に期待しない

 自分以外の人間に、精神的サポートを求めたり、経済的な助力を期待したり、仕事の面での役割分担を期待したりすることは、当たり前の気持ちとして湧き上がってきます。自分の行く手が厳しいときは、誰かにすがりたい、誰かの力を借りたい、助けてほしい、そういう思いは一層強くなります。
 でも、自分以外の人たちも、それぞれ、自分自身のことで精一杯です。人は見た目ではわからないもので、基本的に、他人の中では自分の抱える悩みとか苦しさを開けっぴろげにしませんし、何か嫌なことがあるからと仕事を休むような人は、そんなにいません。「水面をスイスイと進んでいる水鳥も、水面下で絶え間なく水かきをしているものだ」という、ことわざがありますが、生きている以上は何らかの苦しみや悩みを抱えていると考えたほうがよさそうです。
 そういう他人が自分のことを気遣って、自分の負担を分かち合ってくれる、そう期待することは、余裕がない自分が他人のことを気遣って、手助けすることと同じです。それを今の自分がするかと自問するならば、そんな余裕はないという心の答えが返ってくる。では他人の助力を期待しないかといえば、他人は自分に比べれば大変ではないし苦労もしていないからできるだろう、という身勝手な考えが頭をもたげてきます。
 他人の苦労は過小評価し、自分の苦労は過大評価する、これが人の本質です。油断をすれば、「なぜ自分だけがこんな苦労をしているのか。他人はいろいろ恵まれていいなあ。」という愚痴の心が出てきます。
 今日一日も、自分の心に愚痴の心が次々と湧き上がることでしょうが、相手の立場に自分を置いて、基本、自分のことはすべて自分でやるし、自分の責任範囲のことは他人のサポートを期待しない、自分の稼ぎで家族を生活することを考え、ないものねだりをしない、こうした基本原則を確認し、未来に良き種をまく一日にできるよう、心掛けて行動したいと思います。

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