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人は思ってもいないところの地雷は踏んでしまうもの

 昨日は経営トップに手厳しく怒られるという、あまり嬉しくないことがありました。

 発端は定例ブリーフィングの時に報告した、うちの関連企業が研究会を立ち上げるというような話題で、経営トップはこの関連企業の社長が前職にあったこともあり、
かつ、研究会の内容は、当社としては関心はあっても、主体的に参画するような話ではないという感触を、経営トップから得ていたので、関連企業からの情報提供が、プレス直前の前日であり、ブリーフィング当日にはすでにリリースされていたので、「こんなことをやったみたいですよ」的な説明をしました。

 説明の途中で、トップの顔色が変わったので、少しやばいなと思いましたが、これは、関連企業が思ったより研究会のメンバーを集めたので、ホットな話題でもあり、それなりに注目を集めることが予想され、
経営トップも僕と同様に関連企業の実力を過小評価していたので、研究会の陣容をみて、むしろ業界としてのイニシアチブを取られかねない、そのように考えたのかなと、その時は思いました。

 そのあと、再度、個別に呼び出され、まずは手厳しく怒られました。

 怒られた直後は、頭が真っ白で、よくわからなかったのですが、後で冷静に考えると、どうも、関連企業の社長に対し「日頃はいろいろ情報をくれるのに、なぜ今回の件は直接連絡してくれなかった。」的な怒りの電話をしたようであり、相手の社長は「いや、下には前々には情報を入れましたよ」的な苦し紛れの返答をして、それで下が研究会へ参画するのが嫌なので、隠していたと思われたようです。

 たしかに、そうした研究会を立ち上げるかもしれない、という情報は事前に得ており、そのこと自体は経営トップにも話をしていたのですが、先方も、こちらがあまり関心ないだろうというスタンスで、詳細な情報は直前になって連絡がありました。

 本来は、こうした事の経緯にポイントを絞って説明すべきで、それでも怒りは免れなかったでしょうが、「隠している」という疑惑を向けられていること自体を理解していなかったため、釈明のポイントが外れていた、これが怒りを増幅させたのだと理解しました。

 経営トップが関連企業の社長出身である以上、仮に隠したいような内容であったとしても、隠すことのリスクが高いことは言わずもがなであり、経営トップがそこに思いを抱いていることは、僕にとっては思案の外だったわけです。

 ただ、こうしたことは、古今、数えきれないほどあるのだと思います。
 トップというものは孤独であり、どんな人間でも、猜疑心が強くなりがちです。そこに、何らかのバイアスがかかれば、猜疑心が部下の挙動に向かうのは、仕方ないものと思います。

 これが専制君主と臣下の間であれば、怒りのプレッシャーは大変なものであり、釈明する側が爆発までの短時間で、端的に怒りを軽減させる説明ができるとは思えません。
 むしろ昨日の僕のように、見当違いのところの説明に残されたわずかな時間を費やして、爆発までの時間をむしろ早める、どころか、地雷を踏みに行ってしまう、そうしたケースの方が多いように思います。異心のない場合ほど、「受け身」を考えていないので、そうなってしまうでしょう。
 専制君主や独裁者との関係で、絶対権力者の怒りの爆発の先に待っているのは「死」なわけで、なるほど、これは過去の歴史において、濡れ衣を着せられて刑場の露と消えた人も数多いだろうなと、思いを致しました。 

 僕の場合は、不興は買っても命を取られることはないわけで、そこは今後の反省にしたいと思います。
 ただ、こういうケースは、手を変え品を変えて、受け身の取れない体勢のときにやってくるので、再発防止は極めて難しいとは思います。

 まずはこうした悪い縁によって結果を引っ被ることのないよう、善根を積んでおくしかないですね。
 

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