信頼残高のネットワークで成果を上げる
今の僕は、この組織の中の仕組みと作用点の8割方を理解しており、組織の中でものごとを動かそうとする場合、どの人にどんなアプローチで話を持ち込めばよいのか、その際に、誰の協力を得て、僕自身が何を差し出せばよいのか、事案がやってくるたびに、問題解決の突破口となるパスラインが描けるようになっています。
仕組みと作用点を理解しても、実際にそこにあたり、動いてもらえないと絵にかいた餅なわけですが、これまでの長年の関係性の中で、相手に対して何らかの信頼残高がある場合が多いです。
また、これまで関わりのない相手であっても、その相手にとって確実に貸しがあると思う第三者との間には、僕の信頼残高があるので、第三者との間の信頼残高を使い、間接的にアプローチすることもあります。
というか、立場が上になり、守備範囲が広がると、そうした間接的アプローチの方が多くなってきます。
その場合、新規の相手方が、信頼するに足る人物であれば、顔の見える関係を築きますし、そこで僕の信頼残高の口座を開き、できれば3ヵ月以内に信頼残高を積み立てることで、新たなパイプを築くようにしています。
外部との折衝ごとにおいても、こうした中のネットワークは重要で、外部のカウンターパートに、僕自身が組織内部でものごとを動かせると理解してもらえば、相手も手の内を見せてくれるようになります。
人間関係のネットワークは、ある程度の広がりを築き、信頼残高をあちこちで積み上げておけば、特定のところから集中的に信頼残高を引き出すような無理をせずに済みますし、最終的には残高を意識しなくても、動くことができるようになります。
もちろん、自分が必要としない場面でも、相手方からお願いごとをされるなど、信頼残高を積み上げるタイミングでは、取りこぼさずにコツコツ積み上げる努力を続けます。
相手方との関係性は、自分の立ち位置とか組織の関係で、力関係が変動し、立場が逆転することもあるでしょうが、自分の立場が上な時ほど、意識して丁寧に対応することが求められます。
立場が逆転したからと、手のひらを反すような対応をすることは論外ですが、得てして自分の立場が上なときは、自分の方が忙しいことが多く、そこで相手のお願いを埋没させると、結果的に、信頼残高のボーナスタイムを無駄にすることになります。
打算的ではありますが、僕の場合は、ネットワークがつながっている相手とは、人間性をみてつながっているので、打算よりもその人を僕が信頼し、相手にも信頼されたいという欲求が強く、その欲求のもとで、忙しくても相手のために動くようにしています。
組織のネットワークの中心軸の1つになると、自分が直接手を動かさずとも、ネットワークに仕事をしてもらうことで、実質的な時間単価を引き上げることができます。
自分の現状を考えると、組織の稼ぐ力を引き上げることが、時間単価をさらに引き上げる早道なわけですが、人生100年時代を見据えると、組織の外に持ち出せる普遍性のようなものを作っておきたいのも事実です。
そうした思いから出た、転職願望は、周辺で見聞きして、なかなか持続可能性のあるモデルが見いだせず、少し弱まっていますが、今、ネットワークの恩恵により、定時で必要な成果を挙げられているうちに、生み出された時間を、内なる知見を普遍性の高いアウトプットに結び付けられるよう、いろいろ試みてみたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?