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曲順

アルバムの曲順を検討し続けてます。
曲順。これも永遠のテーマのひとつです。

曲順というのは本当に奥が深く面白い。
曲順を突き詰めると、大衆への印象操作について論文が書けるんじゃないかとさえ感じます。

人は(私は)無意識に、1曲目へのリスペクトを持ってアルバムに対峙してしまうものです。
その曲が比較的軽いサイズの曲だった時には、自然と2曲目へそのリスペクトが引き継がれる。
そのような心理を鑑みると、前半のどこか、3曲目くらいまでにはひとつの山を作ると効果が高いわけですが、その山からどう降ろせば良いのかもまた難しい。

口当たりの良いものを置いて前曲の強い印象とでコラージュさせるか。
もしくは勢いそのままに、別の強いテーマをぶつけていくか。

連続する複数曲のどこを対比させ、どこを延長と捉えているか、
それを制作サイドで掴んでないと簡単に単調になってしまいます
対比延長させるのが、テンポなのか音色なのか、または曲のテーマなのか。真剣に考え出すとかなりの粘り強さが必要な作業です。


余談ですが、野球において近年採用されつつある「2番打者最強説」。
これはもともと3番、4番に最強打者を置くセオリーから、初回に先手を取る事について一歩踏み込んだ方法論ですが、これはアルバムにおいてもかなりあてはまります。

2曲目最強説」は私にとっても非常に馴染みのある法則で、好きなアルバムにも多く見られます。
1曲目がにぎやかしや、露払いの役割を担い、ずどんと2曲目で自分の色を出し、アルバムの印象を確定させる。
もしくは、シングルカットされたものを2曲目という早い段階に出せば、聴き手をひとまず安心させる作用もあります。

なんだかんだ考えだすとあっという間に1日が終わります。
副業の自走屋で南本牧大橋を徒歩で渡りながら、そんな事ばかり考えていました。

伊藤賢一
https://kenichi-ito.com/





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