不登校とそのあり方

先月の20日を過ぎた辺りから、「不登校は不幸じゃない」「8月31日の夜に」など、イベントやメディアやTwitterで不登校が何かと話題になっている。9月1日をとうに過ぎていてもなお、賛否両論飛び交っている。

学びの手段はこんなにある

学校というのは、学びの「手段の一つ」でしかないと思っている。6~18歳だけに絞っても子どもたちは全国に何百万人もいるのだから、学校のやり方に合わない子どもも出てこよう。そこで、その子たち個々それぞれに合う手段として…、
或いは学校が刷り込んでくる「学び=決められたこと(それも5教科や受験に使う科目”だけ“)を座って紙に書いて行う」という固定観念が外れれば、様々な「手段」が見えてくる。

・N高(通信制・単位制高校としての勉強をやりつつ、プログラミングや声優や農業など、その道のプロの方々からレクチャーを受けるコースがあるという)
・ホームエデュケーション(自宅学習)
・フリースクール
・オルタナティブスクール(サドベリー、モンテッソーリ、シュタイナー等様々)
・博物館、科学館などを見学
・勉強系YoutubeやNHK高校講座、その他Eテレの番組、放送大学等の動画を視聴して学ぶ
・料理や家庭菜園、実践から学ぶ
・サマースクールなどに参加

不登校の際によく聞かれる「学校に行かないと協調性や社会性が身につかない」も、工夫次第でどうとでもなる。今はSNSやネットがあるのだから。学校の言う「協調性」は同調圧力に屈しろということ。同調圧力で苦しむ人があれほど多いのだから、せめて子どものうちは極力苦しまずに生きられるようにしようよ。

社会性につけても、いざ本物の社会に出ると、同い年の人間のみで構成された集団がほぼ存在しない中、学校という異質な集団で「本物の社会性」を学べるのか?私は疑問だ。

大事なのは、本人が何が好きで何が嫌いで、どんなことに興味があるかを知った上で、子どもの権利として、いかに本人に合って快適に学べる「手段」を選べるか工夫、なんだよね…。
苦痛を感じながら学ぶより、本人に合った方法で、或いは本人が納得した方法で、快適に楽しみながら学んだ方が、興味も意欲もやる気も削がれにくいから。

不登校になる理由も様々。単にいじめの被害や人間関係の問題だけではない。
同調圧力の激しい集団生活自体が本人に合わない。感覚過敏やHSP、HSC等で学校の環境が合わない。一斉授業の下では理解が追いつかない。
その反対に学年を超えた内容が学びたいのに「先に進んではいけません」と制限された。
周りにいる同級生が子どもっぽくて会話について行けない。

そうした「学校自体が合わない」理由で、不登校を選んだ子どもは、何人もいるんだよね。どんな理由でも、苦しい場所から離れられる権利が、そして傷ついた心と体を休める権利が誰にでもある。(大人だったら転職、休職、副業等ある)。
自分にとっては平気でも、誰かにとっては耐え難い環境で限界寸前な場合があるのだ。子どもも同じ。

そこで「学区内の公立小中学校がダメなら私立行けば良いじゃん」とは簡単には言えない。大都会や首都圏ならともかく、居住地域によっては私立中でさえ市を2つ3つまたいだ場所にあり、交通費だけで負担になる…という家庭もあり得るからだ。

ただ、不登校で公立学校を利用しない場合、その子ども達に使われるはずだった税金は回ってこなくて、教育費が各家庭の全額自己負担になってしまうのも事実。
2017年に教育機会均等法が制定され、不登校は問題行動ではないとされた以上、国や都道府県は「不登校の各家庭に月○万円支給」というくらいの踏み込んだ支援が必要になる。学校が変わる間にも、子どもの成長は待ってくれない。明日にでも、“今”苦しんでる子ども達の受け皿(や各家庭への経済的支援)と、約14万人の子ども達が苦痛に感じている学校自体を変えていくことが、同時並行かつ同時進行で必要。この手の動きは得てして遅いのであまり期待はしていないが、可能な限り早期に動いてほしいものだ。(でないと民間では限界があるし、根本的な解決にはならないから!)

また、今年は不登校Youtuberゆたぼんが何かと話題になった。

「周りの同級生がロボットのように見えた」

たった10歳の子どもがあそこまで語るような、窮屈で、子どもが苦痛に感じていて、旧態依然とした学校の方こそ変わらなければならないのでは、という問題提起にはなったのではないだろうか。宿題の件についても、彼にとっては、ロボットのごとく「考えさせず」、大人や権力者や経営者にただ従わせるように子どもを育てる「ツール」に見えたのだろう。或いは宿題の方法が本人には合わなかったか。
他人の人生なので、批判する資格は誰にもない。
そもそも、批判したところで自分の人生が良くなるわけではない。批判にエネルギーを使うなら別のことに使う!

個人的には、もし子どもを持ったら、迷わずホームエデュケーション一択。同調圧力の下、周りの同級生から学問や興味を否定されるよりも、自分の「好き」「楽しい」「面白い」を軸に考えて動く人生にしてほしいかな。だからこそ、私もそういう風に生きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?