見出し画像

R5司法試験・短答の話

 先日,短答式試験の結果が返ってきたので公開いたします。

憲法41+民法61+刑法43=145点でした。

 総括から申し上げますと,文句なしの万々歳です!令和4年の過去問を試験2ヶ月前くらいに解いた際に多少上振れて143点だったので,本番でも8割,140点を目標としていました。今年は特に憲法が難しかったのですが,例年通りの点数に収束できてよかったです。


①民法


・事前にやってたこと


 逐条テキスト民法(早稲田経営出版)を読み込みました。友達から「択一六法がいいぞ!」みたいな情報を得ていたうえで見た目で間違って購入したものです笑。しかし,これ一冊で短答民法は仕上がるかなりの良書だと感じました(その択一六法読んでないから相対評価はできませんが)。実際に,試験場にもかなりの数同じ本を直前に読んでた人がいらっしゃったことからも,一定の支持は得られているのだと思います。

・当日の感想


 3問目からわからない。不在者管理なんちゃら,改正したのは知ってるけど対策してねえなあ〜と思いながら適当にマーク。あとは割と普通に解き進めていき,何かに引っかかったり引っ掛からなかったりして61点,8割は守り切れました。試験終了直後は,「まあ,こんなもん(8割くらいは取れたんじゃない?)だろ」といった感覚でした。

②憲法


・事前にやってたこと


 短答過去問パーフェクトを3周+ネガティブチェック(間違えた問題は別途さらに回す)
 憲法は水物と思っています。というのも,他2法と違い,解説を読んで「こんなもん知るか!」とキレ散らかしたくなる問題がしょっちゅうあるからです。したがって,「最低限過去(H18~R4)に問われたことは決して落としてはならない,そのうえで残りの問題で運ゲーに勝つのだ。」という意識で準備に取り組みました。
 結果として,短期記憶力だけは自信があったので,短パフェは2日で全問理由つきで答えられる程度には仕上がりました。

・当日の感想


 試験中と直後は絶望です,絶望。憲法って,3つの記述の正誤が全てあって初めて正解なのですが,解いてて3つのうち2つは過去問の知識で切れてもあと1個が知らない!って問題が多すぎたんですよね。令和4年の過去問解いている段階ではそんな感覚になっていなかったこともあり,「今年むずくね?」と,「根本から対策ミスった?」というどっちなのかわからない恐怖に襲われたのを鮮明に覚えています。蓋を開ければやはり平均は低く,私は41点で100位台(上位3%くらい)だったのですが,ただ運ゲーを制しただけだと思っています。また,試験後トイレの前で「足切りって20点だっけ,10点だっけ」みたいな会話が聞こえてきたことからも,「あ,やっぱむずかったんや」と少し安心したのを覚えています。

・ワザップ


 何の役に立つかわからないので,私が試験前から決めていた,運ゲーに勝ったワザップを残しておきます。前提として,2つは過去問知識で切れるので,最後の1個がわからないという場面が想定されています。

大爆死しても一歳責任は負えないので「覚悟の準備」はしません。

ワザップ①111と222は捨てろ❗️
 3つの記述の正誤の組み合わせは2^3で8通り,そして,3つ全てが合っている,または間違っている場合は,111(2点問題なら1)と222(8)の2通りです。したがって,1or8の回答は,25%の割合で単純な確率上で出現するはずです。
 しかし,短答パーフェクトを一周回せばわかるのですが,1か8という回答は殆ど現れません。正確な統計は取ってませんが,8%もないのではないかというレベルです。まぁ,作問する側としても3つ全部揃うようなくだらない問題は作りたくないのでしょう。
 となると,あとは簡単です。判明している2つの答えが共に1なら2を,2なら1を何も考えずにマークすれば90%以上の確率で正解します。あなたが迷っている最後の記述の正誤は,この条件下では50%50%ではないということです。少なくとも,複数問で一貫してこの方法を実践すれば,変に一問ずつ考えるより期待値上は高い得点が期待できます。そもそも憲法は時間が余るのですから,なんか遥か昔のローの教授の核心を突くセリフ思い出せそうとしても,一旦マークして後で戻ってくれば良いのです。
ワザップ② 何一つ言ってることが頭に入ってこなければ❌!
 とはいえ,判明している2つが1・2と割れていることも多々あります。そんな時は一生懸命頭を捻らせて考えるのですが,それでも皆目見当がつかない肢は存在します。そんな時は,ダメ元で2に塗れば良いのです。
 基本的に,それぞれの記述は「Aであるが(前提),Bである(帰結)。」のような形態になっていますが,この記述が正しいと言えるのは,AもBも共に正しい時のみです。つまり,AかBの片方が誤った記載をしている瞬間に,もう片方に何が書いていようとその記述は誤りであり,AもBも全くわからない,という条件下では単純な確率として3/4で2が正解になりますよね。じゃあ2に塗ればいいんですよ笑。「記述のどこが誤っているのかいまだにわからないけどなんか知らんが正解してた」という設問は私だけでなく,復習してない多くの受験生に存在していると思います。

もちろん,これらの方法はたまに売ってる「センター現代文1日で9割!」みたいなチンカス受験生が最後に泣きつくような究極的なものであり,時間があるかぎり一生懸命推論したり,思い出せるよう頭をフル回転させるべきことは間違いありません。しかし,本当にそれでもわからない時は,これで色違いボルケニオンゲットに賭けてみるのも1つの策なのではないでしょうか。年1回の人生かかった試験でこんなギャンブルに出られる胆力は,割と本気でその人の武器だと思います。

③刑法


・準備していたこと


 短パフェを回して過去既出問題を確実に取れるようにすること以外は,あまり論文と意識的に差をつけた勉強はしていません。論文で出ないような罪については,大概過去問ですでに問われていますから,過去問の対策だけで十分なのではないでしょうか。

・当日の感想


 憲法が何点ついてるのか全くわからなかったので,試験直前はとにかく一点でも多くとらないとやばい!という焦りがありました。途中,性犯罪問題が出た時は,改正も絡む以上絶対でないと踏んで何の対策もしてなかったこともあり一瞬青ざめましたが,「あ,罪名旧法のままだし出題ミスやん没問なるわね〜」と思ったので,その問題は適当に2に全部マークして先に進みました(結果,没問となり4点獲得しました。なんか結果出てからXでブチ切れてる人いたんですけど,まあ,自分が正解していて私のようなフリーライダーが気に食わないという気持ちはわかりますが,これに関しては出題ミスか向こうの周知ミスかはともかく没問にする以外なくないですかね笑)。正直,私は刑事系がローの成績的にも一番苦手で,短答も8割の壁をうろちょろしていたので,大ミスかまさなくて済んで安心,43なら上出来かな,と言ったところです。

④最後に


 これは諸説あるとは思いますが,私個人の意見としては,短答は(特に論文に出ないエリアは)短期記憶だと思っています。学習する中で,センター試験の理科基礎(生物・地学)を年末から必死に詰め込んだ高3の冬を何度も思い出しました。
 しこたま下駄を履かせてもらったロー入試と異なり,司法試験に学歴は評価上何の関係もありませんが,センター試験でそれなりに点を取れた人は,その当時のメソッドがかなり役に立つのでしょうね。1周目は感覚を掴むために早めに解くのも大事かなとは思いますが,本格的な短答対策は,(在学中受験者は分かりませんが既卒生は時間があるので)2月とか3月とかからでも十分間に合うとは感じました。
 とりあえず,(巷で話題の通り,1700人合格させるのであれば)1700位の123点まで22点という少なくないと思えるリードを持ちながら,あとは祈って日々を過ごしたいと思います。今勉強しても集中できず身にならないので笑

最低点から4点未満で受かったら,流石に神の存在を確信するでしょうね。没問なければ落ちてるので。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?