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大移動 ー新しい労働という地平線ー

 日本が鳴っている。世界が鳴っている。動いている。コロナ後の世界において、新資本主義の時代へ。政府はデジタル田園都市構想を発表した。田舎には面白い動きがたくさんあるので、全て包括できているとは思えないが、方向性としては時代の要請だろう。

サラリーマンから、都会暮らしから、失業から。田舎に来て新しい働き方をする。そんな人が私の周りにはたくさんいる。一度、会社員になって30を過ぎてからやりたいことをする人も多い。

 ある男性は、住宅の営業の仕事で疲れ果て、農業と福祉の連携、農福連携を無農薬で始めた。全国から注目されている。

 ある女性は、学校事務員の生活に悩み、自らの幼少期のような、自然の中で独特な保育をしているような幼稚園で働き始めた。大学で学んだデザインの仕事もする。

 ある男性は工場労働者やスーパーの店員をしていたが、農業を始めた。環境に優しい形態の農業で新聞にもとりあげられた。

 私の住んでいる地域ではこんな人がいる。

 田舎でのささやかな暮らしをデザインする建築家。地域の移住対策のNPOを立ち上げた。NPOでは堅苦しい官僚的な発想ではない、面白い取り組みをデザインしている。

 もともとは教員だったが、今は地域のために活動し、いろいろな役職を持っている。地域の顔役であり、地元の坂本龍馬的存在だ。

 看護師を辞め、母とコミュニティカフェを始めた女性もいる。地域の寄り合う場になっている。

 他にも色々な人がいる。音楽家の夫婦もいるし、移動動物園もある。大工さんもいるし、無農薬の畑をやっている人もいる。

 最後に私のことを少し話させていただこう。

 私はジーンズとTシャツで家から車で10分ほどの精神疾病者の支援のためにNPO法人で働いている。パートがない日は、翻訳、ライター、講師をしている。ライターは福祉のことを中心に書き、講師では屋久島や奄美大島の離島とのリーモート授業をしている。不登校児とのリモート授業もする予定である。ボランティアで地元の聞き書き誌に町で唯一のスーパーのおじいさんがシベリア抑留者であることをまとめて書いた。これからも続けていこうと思う。小説、エッセイ、短歌、詩も投稿を続けている。哲学的な散文が入選したことも何度かある。

 NPO法人を立ち上げた上司たち2人も30歳を過ぎた頃、田舎には福祉事業所が少ないことを問題として捉え、このNPO法人を立ち上げた。「地域と福祉」は現在の福祉のキーワードになっている。自動車部品を作ることが多い私の住む地域の福祉のなかで、地域から仕事を依頼され、農作業などをしている。私は農業と福祉の連携、農福連携にも携わっている。

 なんらかの「いきづらさ」のなかから、「(田舎で)新しい働き方」をすることは、大きな潮流にコミットすることだ。NPO法人の利用者さんも「新しい働き方」ができる人もいるだろう。会社員生活のせいで鬱になっている人も本来は元気に働けられる方だ。地域に還元されるフリーランス「地域的フリーランス」の時代はすでに始まっている。


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