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ゴミを売る通販Wishでゴミを買う(製品レビュー第一弾)

私、しむしこは変なものが好きだ。中国製のパチモノであったり、変なガジェットであったり、そういったものにたまらなく心が躍りワクワクする。しかし、手に入れる手段が無い。自分で深圳辺りに出向けたら良いが私は中国語が「I  am Kevin Thanks」ぐらいしか話せないし、ましてや聞き取ることもできない。本当なら大学生のうちに香港なり深圳なり行きたかったが、昨今の情勢的にもそれを推奨する動きは少ないだろう。

対して日本は大層素晴らしい国で、悪貨は良貨を駆逐するということを学んでおり順守している。故に粗悪品が少なくとも一般的な店に出回る事は殆どない。少しアングラな場所にわざわざ探しに行かないと、そんなお店でもキチンと業者を介した正規的な製品が多い。中国製の怪しいパチモノやデッドコピー品は滅多にお目にかかれないのだ。

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あっ、素敵!!!!!!!!!このアングラ感!!!!!!!何の通販これ!?!?!?!?!?!!???


この通販の名前は「Wish」である。一応アメリカに本社を置く自称超巨大通販サイト。何となくわかる通り、中身は根っから何までほぼ中華企業でありアメリカに本社を置いているのはおそらく信用を何となく上げるためであろう。

公式ブログを見ると、2010年に設立され瞬く間に世界最大級のeコマースに成長した…らしい。安価な理由は「加盟店から直接出荷される」からだそう。

現にこの通販の特徴として、「激安」商品に特化していることにある。上の画像を見てもらえばわかる通りドローンが2300円であったりマジコンが386円であったりとっても安い。

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日本が誇る(誇れた)超巨大一流企業ソニーのワイヤレスイヤホンが135円!?嘘やろ!?!?!?

察しの良い方は言わずとも分かるでしょう。ここにある製品はほぼ全てがパチモノ、偽物、模造品、デッドコピー品、英語圏で言うところのKnock Offである。製品画像は本物を使っているため見栄えが良いが、実際はお粗末なシロモノ。安いのは工場から直接出荷しているからではなく、パチモノだからである。

パチモノ好きの私にとってはとてもワクワクする通販だ。

同じ中華系通販としてAlibaba、AliExpress、手机淘宝网等が挙げられるがあちらより遥かに治安は悪い。あちらは正規品と偽物が入り混じる通販だが、こちらは正規品は全く存在しないのだから。


…なんか買ってみたいな。


というわけで皆さんの人柱になるために幾つかの製品を購入してみたのでここにレビューしていく。もしかしたら記事を別で分けるかもしれない。


「新しいユニセックス合成皮革アナログクォークカップル恋人腕時計ギフト」

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無料とはなんぞや?

その名の通り、マジで無料。企業側もデッドコピーゴミを抱え続けてもしょうがないと送料さえ払えばマジで製品という名のパチモノが送られてくる。

幸い(政治的にはそうでもないだろうが)日本と中国は隣国なので送料は大抵の場合安く、荷物が行方不明になることも少ない。大抵は台湾経由で荷物が送られてくる。荷物の経路を見ると時々アプリ側に英語で「中国 台湾省」と書かれているのが日本人的には引っかかるが、まあ現時点で我々が関わる事はなかろう…というわけでサクッと注文。送料は日本円で308円。ドル決済なのでその日の為替で若干値動きがある。

話が前後するが、決済は絶対にPaypalで行うべきである。クレカなぞこんなもんに登録したら何処かの共産国で羊数頭を買われるのに使われるのがオチだ。

また、日本のような常識を相手は持ち合わせていない。粗悪品の中でも特に粗悪品が送られてきたり、誤着未着は当たり前、届いていないのに届いたと主張されることすらある。そんな時にPaypalで決済を行なっていると、Paypal買い手保護という機能を使って

Paypal側からクレームを立てる事が出来、返金申請がかなり楽に行える。通販側も返金申請等は一応行えるが早い話がゴミなのでPaypalに任せたほうが時間も食われず安全なのである。


時計に話を戻す。おおよそ到着にかかる時間は20日前後。ビックリするくらい雑な梱包で届く。

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右側が購入した時計である。左側はKERBHOLZというドイツのメーカーの木製腕時計。わざわざ比較しているのには理由があるが後述。

…見た目は存外悪くない。どうしようもない安っぽさはあるが、ガチャガチャのそれよりはマシである。針も一応回る。

ただ、新品とは思えないほどの引っ掻き傷の多さと、現地の作業員のものと思われる指紋がべったり付いていた。傷はともかく、指紋に関してはこんなものでも何処かで人間が関わっているのだなと思わせるものであった。

持った感触は……軽ッ!?マジで軽い。これで機械式!?

金属に見える部分はアルミなのか、指で小突くとカンと小気味良い音が鳴る。缶バッジの音といえば通じやすいだろうか。裏を向けてもツルツル。電池交換のためのネジなど存在しない。こじ開けろと?

先の写真にわざわざ木製腕時計を並べたのには理由がある。それはこの木製腕時計が「軽さ」をウリにしているからだ。

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KERBHOLZの木製腕時計、公式重量は「150g」と記載があるがそれは恐らく箱込みの重量であって、本体は46g。とっても軽い。私自身大層気に入ってる腕時計である。色もシックで嫌味のないデザイン。この製品自体「軽さ」をウリにしており、実際時計もつけているか外しているか分からなくなったりすることがままある。

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KERBHOLZ15gも負けてんじゃん!かっる!!!!!!技術国ドイツが大変苦労して機械式の時計を46gにまでシェイプアップしたのに流石眠れる獅子、圧倒的な技術力と安価さで超軽量を実現している……大丈夫かこれ?

とりあえず1週間放置して精査を確かめる。電池が弱るかもしれないが、交換のしようが無いので仕方ない。

1週間放置した結果、誤差10分ほど。日本製じゃあり得ない。我々が如何に先人たちが築いてきた技術の礎を享受して生きているかが理解できる。ありがとう。時計としてはあまり使い物にならない。

時計のレビューはこれにて終了。次はスマートフォン。


「6.0INCH I11Pro Smartphone FHD…」

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一向に処理が進まない。4月1日に発注した段階では、「4月7日までに処理」と表示されていた。それが7日になると8日になり、8日になると9日になるといった具合で1日ずつ伸びていっている。最近は14日になっているのに「13日までに処理」と表示されるお粗末さ。

正直1912円のスマートフォンなどあり得ないのでどんな代物が届くのか楽しみにしていたらそもそも届かなかった……

こういう時に先述のPaypal特権が発動する。とっとと支払い履歴からクレーム申請を行う。

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チョンパァ(勝利)

次。


「Mate30Pro Smartphone  with 6.6 Inch」

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この画面では4月27日に到着した(サインまで貰った)と記述があるがそんな事は全くなく商品は届いていない。第一中国側は日本郵政の配達を逐一確認できるはずが無いのである。

大体色々この製品はおかしく、深夜の2時ごろにいきなり「只今商品が到着いたしました!」とメールが来た。深夜2時に日本郵便の配達業務が動いているなら大変ありがたいことではあるがそんな訳はないだろう。のくせに到着は13時から17時の間と書いてある。サインなど書いていない。全くのデタラメだ。

これも後述するが、注文履歴から確認できる商品が通るルートに「地名」が書かれていない場合高確率で届かない

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チョンパァ(勝利)


30/50ピース宮崎駿アニメステッカー千と千尋の神隠し(略)ステッカー

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ロリコンぱやおがロリのために作った名作映画、千と千尋の神隠しのステッカー。これも送料のみ払えば良い商品であった。送料184円。言わずもがな、無許諾で作られている商品であろう。

今回は30枚入りを選んだ…というより無料という表示がなされていても実際はバリエーションのひとつが無料でしかなかったりするのがWishの手段。値段表記も同様で、バリエーションの中でも一番安い値段を表示するため欲しいものは結局高かった、という事態がかなり多い。ちなみに日本でそれを行うと景品表示法違反である。なので無料だった30枚入りを選んだ。50枚入りは200円ぐらいだった気がする。これも20日ほどで到着。

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初っ端からこれである。千と千尋じゃねーじゃん。これはハウルの動く城の内部に装着されている魔法の装置で、針が指す色によってドアの向こうが場所が変わる代物だ。

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枚数はぴったし30枚。千と千尋に関係ないステッカーは5枚。1/6か…許容範囲…なのか?というか火垂るの墓なんか暗すぎてわざわざステッカーで貼りたいと思う人も少ないだろう。

(千と千尋に登場する“ススワタリ”は手足があるがこれにはない、つまるところこれはとなりのトトロの“まっくろくろすけ”“ススワタリ”である。)

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…まあ恐らく絵の作者に許可も何も取らず商品化しているのだろう。絵は可愛いが。こんなようないわゆる非公式の絵(ステッカー自体非公式なのだが)もわりと散見される。

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個人的にグッと来たデザイン。オリジナルならさぞセンスがあるけども検索するとこれと同じ画像がちらほら出てくる。

思ったより毒にも薬にもならない代物であった。粘着力は大変微妙で結構すぐ剥がれてきそうな感じはある、中国的な雑さが垣間見える製品であった。この大味さがある意味魅力的ではあるが…


ところで、先程述べた「住所が書かれていないと届かない確率が高い」ということとはどういうことなのだろう?次の二枚を見比べてみよう。上は届いた製品、下は届かなかった製品の注文履歴の画像だ。

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…おわかりいただけただろうか。1枚目は荷物が通ったルートの地名を(一応)表示してくれているが、2枚目は全く表示されていない。これが肝である。改めて言うと、いわゆる発送詐欺商品は本当は発送していないので位置情報を記述できない。なので「配送中」「コンテナ輸送」「トラックに乗せた」など言葉を濁すのである。対してキチンと発送された商品は位置情報を取得する。それ以降位置情報が全く更新されない場合もある(届いた商品のほぼ全てが位置情報が中国で止まっている)ので追跡は全くの役立たずだが、製品が届きそうか否か判断できる材料になる。

このように位置情報は本来の用途とは変わって商品を注文したあとで、当たり外れが判断できる材料になりうるのでこんな感じの表記の商品を引いてしまったらとっととPaypalにクレーム入力を済ませておこう。そして先方から配達完了と言われた時点で通報だ。


結構長くなってきてしまったので、第一弾はここら辺りに留める。購入した商品はまだいくつか存在するので第2弾はそれらの製品をレビューしていこう。

ちなみに今回購入した製品群で一番当たりだったモノはまだ説明していない、というのも製品の性質上まだいまいち中身を把握し切れていないからである。

お次は400円ゲーム内蔵ファミコン、4000円スマホが登場します、ご期待ください。

それでは、また次回。(↓出ました)


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