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【レポート】8/30シナリオづくり勉強会②~福祉・教育・子育て~

大阪市の自治体財政を予測する上で、担当を超えて学ぶシナリオづくり勉強会、2回目は「福祉・教育・子育て施策」をテーマに開催しました。

 20名近くが仕事が終わった後に集まり、2時間みっちり講義+ディスカッションを行いました。今回は1~2年目の職員もいて、熱量の高さに嬉しくなりました!

 前回のテーマも専門の職員の方から説明を受け、目からウロコだったので、今回も福祉について語ってもらえるベテランをお願いしよう!と、忙しいのを重々わかっていて「大阪市の福祉職のレジェンド」平野区の武市区長に恐る恐るお願いしたところ、ご快諾いただきました。

福祉職からの初の区長であり、大阪市の生活保護・福祉施策に精通されてます

 今後、高齢化による財政負担が大きくなりそうな「生活保護」の数字の味方から入り、「予算の上限があるから目の前の人を救わない、といった『下品な仕事』はしない」と、大阪市の人権尊重の歴史から流れる福祉マインドについて語ってくださいました。

 同時に、国の補助金が入っているので、国と政令都市としての補助率の交渉が必要な局面が今後起きる可能性や、受給者の方が高齢化で亡くなっていく部分の財政負担の減少、一方で医療扶助が高すぎるという課題を経験も交じえながら共有していただきました。

 終末期医療をとことん施し、管につながれて知らない人の中で亡くなるのと比較して、

「いつもの立ち飲み屋に行って、甘いコーヒーの一つでも飲んで家に帰ってそのまま亡くなったとして、それって『孤独死』なんだろうか、と思う」

 という武市さんの発言に、もちろん必要な医療は届けなければならないけれども、生活保護にかかっているかどうかを問わず「生き方・死に方」を問いかけられた時間になりました。

 そして福祉の後に、大阪市教育委員会の教育政策担当課長の伊藤さんからレクチャーを受けました。

上司の松浦部長が作ってくれた資料とのことで、ありがとうございます!

 大阪市の教育改革の歴史と成果・めざすところの共有をして、今後の教職員の働き方改革や1人1台端末の更新コストなどの話題提供もありました。

 伊藤さんは「社会教育主事」という立場で、大阪市の人権教育・社会教育を支えてきた役職でもあります。しんどい家庭の多い子どもたちの学びを、福祉との連携も含めて支え、不登校特例校を設けて「ひとりも取りこぼさない」教育施策の方向性や教員の採用の課題について、共有できました。

 最後は子育て施策を、区長会で「こども・教育部会」に属しているコアメンバーの山口と、武市区長で話をさせてもらいました。

国の「異次元の子育て支援」についても、共有しました。

 まずは「保育料・教育費の無償化」にどこまで財政が耐えられるか、待機児童対策のためのコスト、児童虐待ゼロをめざした予防的施策の数々と財政的には国の補助なしではかなり厳しい状況なども、共有されました。 

 そして抜け落ちがちな若者支援、子育て~教育をしっかりすることで「貧困の連鎖」を断ち切る必要性など、福祉とも連動した話になりました。

「大阪市でしかできない仕事がある」というキーワードが熱かった!


 その後は3人でトークセッションをしながら、会場からも質疑応答をして話題を広げました。

学校適正配置についてもトークセッションの場では話題になりました

「やはりもっと子ども施策に予算をかけるべきでは」「生活保護の適正化はどこまでやるべきか」「大阪市の教育政策を学校現場はきちんと理解しているのか」など、かけた予算が無駄にならないバランスを考えるような質問があり、対話をする中で気づきもありました。

 さて、今回の会議室は「てるみんが日本酒飲み放題の店から近いところを探した」というご指摘どおり、懇親会会場の「中も津屋・南船場店」まで徒歩5分。そこでは、生活保護の母に若手ケースワーカーが直接質問できるという、ぜいたくな場面も見られました。

セルフ飲み放題なので、日本酒の冷蔵庫前が立ち飲み屋状態に

 勉強会も懇親会も、局や日ごろの仕事も超えて学び・楽しむ大阪市職員&元職員の前向きさに、確かに全国の自治体どこも課題は多いけれど、明るい可能性を感じました。

若手もベテランも交じって、大阪市の未来を語りました。真っ赤な人が多いな……。

 次回は「市民協働(+多文化共生)、危機管理(防災)、環境」を予定していますが、ゲストが見つかるかにもよります。10月半ばに実施予定で考えています!

 並行して、コアメンバーのがあさんがシナリオを書き始めてくれています。年度末には大阪市版の体験会ができるよう、多忙な中ですがプロジェクトを進めていきますので、関わりたい方は情報チェックしてくださいね!

〔ライター・てるみん〕


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