いつの季節も死にたくなる

夏から秋、秋から冬にかけての季節の移り変わりはいつも憂鬱な気持ちで過ごしていた。子供のころは単純に長期休暇の終わりがあったからだとは思うけれど、それは大人になってからも変わらなかった。何かをやり残したような気持でずっと過ごしている。夏から秋へは目に映るすべての風景が色褪せてゆくようで。秋から冬へは寒さに皆家に引きこもってしまうようで。
最近は冬から春にかけて、春から夏にかけても死にたくなる。冬眠から目覚め活動を始める春に、新学期や新一年生、新社会人などすべてが新しくなるこの季節に一人だけ何も変わらない自分に嫌気がさす。梅雨が明けて夏本番を迎える頃にも気持ちは変わらず沈んでいる。活発な動きを促されているような気がして、それに気持ちも身体もついていけない自分がいる。
単純に「老い」なのかもしれない。過去の自分を美化して、同じ動きができない自分にもどかしさを感じているのだと思う。でもこの気持ちはこれからずっと続くのだと思うと心が苦しくて早くどこかへ逃げ出したい。逃げ出す場所などどこにもないのに。一つだけあるのかもしれないけれど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?