いつも身近にあるもの、ノート

 ついつい買ってしまうものがある。
 何かを買いに行くときは大体欲しいものが決まっているときで、そうでないときは物を販売している場には近付かないことが多いのだが、例外となる場所が二つ。
 文具売り場と本屋。この二か所は抗いがたい引力があって、特にストレスゲージが振り切れたときは無意識に足を運んで散財の限りを尽くしている。つい先日も少しだけと思って本屋に寄って、六冊の本を手に本屋を出た。宣言通りの行動かどうかは、これを読んでいる貴方の判断に任せたい。
 文具に関しても似たようなもので、学生時代から意味も無くノートとペンを買っては当時好きだった歌の詞を書いたり、自分の感情を書き殴ったり、小説擬きを書いたり、突然真面目に数式を解いてみたりと様々に活用していた。それは今でも変わらず、自分がいいなと思ったものを見つけては無理矢理使い道を決めてノートやペンを買い、書き散らしている。目的と手段が入れ替わっている。
 見たらすぐに買ってしまいがちなものは、A5ないしB6の、70~80シート以上のリングノート。最近は方眼紙にはまっているので、方眼紙で無い場合は見送ることが多いが、昔は見境無く手に入れていた。脳内で「前にも似たようなの買っただろ」「いやでもこれはこういう用途に使うから」などと喧嘩を繰り広げ、大抵物欲側が勝利する。倹約家が見たらひっくり返るかもしれない。
 そうして使い道を決めたものの、大抵は途中で飽きて雑記帳と化していたノート達だが、最近はこのノートにはこういうことを書く、と一貫した使い道を与えている。たまにメモ帳感覚で余白に走り書きをすることもあるが、それは見逃して欲しい。
 ノート術なんて大層なものは無いが、備忘録代わりにこういうノートを作っている、というまとめを記していく。


現在使用中のノート


1.思考、発想を書き留めるもの
 昨日のNoteに記したように、気になったことや気付いたことをなんでも書き留めておくためのノート。外出中にも書けるようにこれは鞄の中に入れておく。表紙にペンを一本挟んでいるのだが、鞄から出すとき7割くらいの確率で鞄の中に落ちている。「Sooofa」のB6変形。

2.1の移転先
 これも昨日のNoteで紹介したように、更に思考を深めるためのもの。こちらは「EDiT」のA5サイズ。図らずも1も2も同系色のノートになっていた。いつでもどこでも書き留められる状態にしておきたい1のノートと違い、落ち着いた環境でまとめたいのでこちらは自宅待機。余談だが、今日も文具売り場で新しく「EDiT」のノートを買いそうになった。個人的に非常に魅力的形状をしている。ノートにしては少々値が張るが、相応の見た目と書き心地も兼ね備えているので、小さめでページ数の多いしっかりしたノートをお求めの方には是非お勧めしたい。

3.思考を書き出して深堀するもの
 もやもやしたことや疑問に思ったこと、改善したいことなどに対して自分でツッコミを入れるためのもの。上記二つとは違い、「そのうち」「いつか」ではなく「今」「近いうち」にどうにかしたいことが中心。ネガティブな内容のことが多いがたまに好きなものに対しての深堀もする。「ニーモシネ」の特殊方眼軸(A5)を使用。見開きではなく1ページおきに罫線が引かれているので、見出しを書いておきさえすればどこに何を書いたか探しやすい(多分)。横型なのも新鮮さがあって面白い。

4.勉強用のごく普通のノート
 無性に学生時代の勉学に触れたくなったときに使う。慣れ親しんだ「Campus」のB5。

5.知識集積用
 主に小説執筆に役立つ事項をまとめるためのもの……だったのだが、それ以外の知識も書いてある。本や記事を丸写しするのではなく、一度読んで何も見ずに出来るだけ自分の記憶を頼りに書いた後、補足や訂正を赤字で書き込んでいる。疑問に思うことがあればそれも一緒に記入しておく。こちらはA4のルーズリーフを使用。用紙の名前はうろ覚えだが「書きやすいルーズリーフ」シリーズだった気がする。

6.プロット作成用
 執筆は専らパソコン上で行うが、それ以前のネタ出しやプロットは紙上の方がやりやすいのでこちらもノートに記入。と言いつつしっかりしたものを作ろうと思い過ぎて近頃は全くと言って良いほど進んでいない。こちらもルーズリーフだが、記入する際は無印の「はがせるルーズリーフ」でノート上に記入して、まとめる際に順番を並び替えたり出来るようにする……予定。

7.モーニングページ用
「モーニングページ」とは、「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」という本の中に出てくる手法の一つで、無意識に行動制限をかける理性を弱らせて、自分のやりたいことにフォーカスするアーティスト脳に出番を譲らせるために行うもの(と理解しているが、違っていたら申し訳ない)。やり方は簡単で、A4サイズのノートを、何でもいいから思ったことを埋めていくだけ。「書くことが無い」とひたすら書いてもいい。毎朝3ページとのことだが、著者が自身のワークショップで”日本語の情報量なら1ページでもいい“と仰っていたそうなので、私は1ページだけ。字の大きさもその日の気分によって違う。正直もう少し寝ていたいと思う日もあるが、睡眠で流しきれなかった脳内の余分なものを吐き出せているようで気分が良く、なんだかんだで続いている。使用しているノートは「スパイラルノート ベーシック」で、やはり80シート。

どのノートでも共通して気を付けていること

  • 日付を記入しておく

  • 頭の中で文章を組み立て過ぎない、思うまま書き連ねる

  • 字は出来るだけ綺麗に

  • 出来るだけ漢字で書く、分からない場合はその場で調べる

※二番目に関しては勉強用やプロット用ではその限りではないが、他の事項は共通。

 ただの愛用ノート紹介記事になってしまった気がしないでもない。
 ここで挙げたノートはどれも書き心地も良く見た目も良いと感じているので、ノート選びの参考にでもしていただけたらと思う。
 他にも日常の記録やレシピ作成ノートなどを作ろうと画策しているので、いつかまたしれっと使用中ノートを更新するかもしれない。

蛇足


 読書ノートを作ろうと思っては結局機会を逸しているのだが、もし実際に読書ノートを作成している方、もしいらっしゃれば所感を教えて頂けると助かります。


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