宮古島に昔からいる馬(在来馬)。総数凡そ50頭のみが生息。

2020年1月の時点で、世界でおよそ50頭だけになってしまった在来馬。宮古馬。
宮古馬(Wiki)

あまり煽った表現は使いたくありませんが、まさに絶滅の危機にあります。上記の宮古馬の紹介Wikipediaにも書かれているように、沖縄県の天然記念物に指定されている生き物です。

驚くのは、個人が宮古馬を飼育して保護活動に取組んでいることです。宮古島市が、宮古馬一頭に対して月7000円の補助金を出していますが、実際には一頭当たり約1万5千円の飼育費用がかかると見積もられています。第二次世界大戦直後あたりまでは、農作業や移動など生活の一部として宮古馬が使われていたため、数も昭和初期頃には1万頭ほどいたとの事。
➡ミャークヌーマ読本(ミャークヌーマ宮古馬の会発行。残念、リンク無)

今は、農作業や移動のために使われることもなくなり、冒頭のように総数50頭ほどとなっています。馬を維持するためだけの飼育は、ペットと同じですので飼育費用が、飼い主から出ていくのみです。また、ある程度の敷地や馬小屋なども必要となるため、多くの人が馬を手放し、かつ繁殖の目的も薄くなるなどして、徐々に数が減っていったのだと想像されます。(減少の実際の理由や、歴史的背景を詳しく知っている方がいたら教えてください。)

琉球王朝時代には、輸出品になるなど経済的な効果も生み出していた宮古馬。個人的には、この地球上にもはや総数50頭ほどしかいないというのは、絶滅がほぼ確実な生き物だと思うのですが、頭数回復の為の、種の保存の技術や方法などはあるのでしょうか。宮古馬一頭の寿命は、長くて20年ほどとのことですので、今後数十年にわたって少しづつ減少しながら最後の一頭の日を迎えるか、感染症等であっという間に消えてしまうのか。

宮古島には、観光用に開放している牧場や、観光用には開放せず、ゆったりとした環境で綺麗に手入れして見守っている牧場もあります。

観光産業で収入増を狙う沖縄県、そして中国からの大型クルーズ船なども入港して外国人観光客でも大いににぎわう宮古島。これらの観光収入が、そこに昔からいる在来の生物や、地元の人の暮らしにきちんと還元できるような仕組みにしていかなければ、自然を侵食し、地元の人の暮らしの邪魔になるだけの産業になってしまう事が、そろそろ宮古島では顕著になってきました。

宮古馬、ぜひ観光収入がうまく還元されて一昔前のような数に戻ってほしいものです。



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