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肉球で愛を測るわたしを許して

よほどの手フェチか、それともよほどの手タレでない限り、道行く人の手のひらを眺めて感動することなんてないだろう。

でも、猫の手のひら、肉球は違う。

フォルム・色・大きさ・ふにふに…
どれをとっても素晴らしいし、見るたび触れるたび何度だって感動できる。
それはもう最高に可愛い。


ただ眺めるで幸せをくれる猫は、存在自体に価値があると私は思っている。
その中でも肉球は、唯一無二というか、ロマンというか。
ショートケーキのイチゴとか、ラーメンのチャーシューとか、夏休みの花火大会みたいな特別素晴らしい部分。

もちろん、ふにふにで可愛いだけではない。
肉球は、猫が音を立てないで歩くためのクッションの役割を担っているし、色や温度や質感は体調のバロメーターにもなっている。

ヒゲほど敏感でもないけれど、人間の手のひらと同じように「触って確かめる」時にも使われているみたい。
こう、コップの水とかをチョチョイッとやってるときなんか、ダメだって言わなきゃいけないのにずっと見ていたくなる。私だけ?

体の中で毛に覆われていない数少ない部分なので、他人(他猫)に触られるのを嫌がる子が多い。
そのくせ、冬になってフローリングの冷たさに耐えられなくなると、人間の腕や首にピトッもくっつけて暖をとったりする。


 ピトッとされたとき、発熱してるのでは?と思うほどホカホカと感じることがある。私の身体の方が冷えているからで、そんな時に身を寄せたって温まりはしないだろうに。

きっと理屈ではない、損得抜きの愛情を向けてくれているんだなと、涙が出るほど嬉しくなるんだ。

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