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インド春の祭典ホーリーinジャイプール


インド三大祭の一つホーリー

インドにも日本同様3大祭というのがあり、「ホーリー」「ダシェラー」「ディワリ」の3つなのだそうです。ダシェラーとディワリはセットみたいなものなので、簡略に言えば春にホーリー、秋にディワリというのがインドの主要なお祭りサイクルなのですね。

ディワリというのは日本のお正月のようなもので、家族が一堂に会して一年の息災を喜び新年のお訪れを祝うというしめやかなテンションなのに対して、ホーリーは街に繰り出し色粉を誰彼構わずぶちまけ合うという非常にアッパーなお祭りであるということもあり、国際的な知名度はホーリーの方が上かもしれません。外国からの観光客も、この珍しくも若干野蛮なお祭りに参加すべく、しばしば時期を合わせてインドを訪れたりします。

最近では日本の女性観光客が被害にあうというネガティブなニュースも報じられてしまったりしましたが、基本的には春の訪れを純粋に祝う地元住民のお祭り、今回たまたま滞在中であったジャイプールにてホーリー真っ最中の街中に繰り出しました。

ホーリー祭当日のジャイプール

ホーリーと言えば色粉の掛け合いですが、現地の方々に話を聞いていると盛り上がりのピークはホーリー当日の午前中、またどこぞに人々が集まるポイントがあるとのこと。当日朝9時くらいにホテルを出てひとまずジャイプールの中心シティ・パレスのあたりに向かうことにしました。

インドの祝日はお店やオフィスもクローズすることが多いですが、ホーリーの場合も同様です。普段移動に多用しているUberもこの時ばかりは稼働している車両が少ないのか中々つかまりません。ただ流しで走っているリキシャーはいますので適当につかまえてシティ・パレスへ。道中すでに色づいた人の姿もちらほら。どこかで一盛り上がりしてきたという雰囲気ですが、皆一様にシティ・パレス方面から歩いてくるので方向は間違ってなさそうです。

平然としてますが顔は色粉まみれ

シティ・パレスに近づくとすでに人の流れがあり、どうやら城壁内中心部へと向かっている模様。中心へと向かう人はまだ奇麗なままですが、中心から流れ出てくる人々はピンク色の頭をしており、向かう先で何かが行われているなという確信を深めます。

何やらやり切った表情の面々

シティ・パレス前の広場を右に折れてゲートの方に人々は向かっているようでそちらへ私も流れていきます。その先にはヒンドゥー教寺院「Govind Devji Temple」があり、どうやらそこが人々の集う中心地のようです。
人の流れに乗ってゲートをくぐってすすむ様子がこちら↓

お祭りの中心地へ

ゲートを過ぎると寺院へ向かう細い道で混雑が激しくなります。すれ違う人々はすでに色粉に染まりテンション高くHappy Holi!の挨拶とともにこちらの頬に粉を塗りつけてきたりすれ違いざま粉を天高く振り撒いたり。海外からの観光客らしき姿もちらほら。皆さん一様に上下白の綿服を着てらっしゃるのはホーリーに参加する際の注意事項などが出回っているのかしらと推量しますがどうなんでしょうか。

ちなみにこの時点ですでに私の顔や衣服は色粉まみれになっています。もみ合う人々から付着したり、すれ違い様粉かけられたりというのもありますし、そもそも空中に粉が舞っている中を進むので回避は不可能だったりします。衣類に着いた色粉は洗えば落ちるので特に問題ないですが、水洗いできないもの、精密機械などは持って歩くのは厳しいですね。私もさすがにデジカメを取り出して撮影するのは危険すぎると判断しカバンの中にしまったまま、終始iPhoneで撮影しておりました。iPhoneならイケるという根拠のない確信に基づきですが。
色粉をまき散らしながら往来を行きかう人々の様子がこちら↓

中心に近づくほどに尋常じゃない色合いになってゆく人々

道なりに進めば寺院の前の少し開けたところに出ますが、そこも大変な混雑模様。先に進むと寺院のいわば本堂があるわけでその方から歓声とラッパのような音が聞こえてきますのでそちらへ進みます。通常の寺院ルールがこの日も適用されるらしく土足はNGで皆その辺にサンダルを脱ぎ散らかしてますが、愛用のサンダルをなくしたくなかったので脱ぐだけ脱いで手に持っていきました。絶対間違えて履いていく人いるだろうなと思うのですが、自分のがなかったら気にせずサイズが合うのを履いていってしまうのではないだろうか。そんなことはないのかもしれませんが。

立派な砂岩造りの講堂が寺院の中心部。人々がそこを取り囲んでおります。何か掛け声を叫んだり、色粉を中空に撒いたり、とにかく熱気が伝わってきます。謎のスプレーのようなものを噴射する人もいましたがホーリー用の新兵器か何かでしょうか。寺院に向かってお祝いしているあたり、ホーリーも立派な宗教行事の一種なんだなあと感心してしまいました。色粉撒いて盛り上がるだけのお祭りではないのですね。

ホーリーらしい風景

盛り上がる若者たち

無事祭りの中心を拝めたということで寺院の外に出たら、そこでは若者たちを中心にしたもう一つの盛り上がりが。塀に上った若者(というか子供?)が時々粉撒いたり水鉄砲を噴射したりするのを取り囲んで、シンバル系の楽器やら笛のリズムに合わせて踊るさまはさながら渋谷ハロウィンのよう。年に一度こうやって羽目を外すというのもガス抜きとして大事なんだろうねと妙に老成した感慨を抱きつつ、祭りの現場を後にしたのでした。余談ですが帰り際道路わきの家の二階から子供に水風船をぶつけられびしょ濡れになったりしました。マジかと思いましたが、親子共々にこやかにHappy Holi!と言ってましたので、まあ祭りの一興ということで。

渋谷ハロウィンのような雰囲気の若者たち

ちなみに色粉は水で洗い流せばあらかた落ちますが、完全に洗い流すことは出来ないのでどこかしら染まったまま1~2日過ごすことになります。肌に付いた色は新陳代謝で抜けていきますが、洗濯できないカバンなどは後日普段使わないポケットや縫い目の奥がピンク色のままなことに気付いたりします。やはり上下汚れてもいい服装で手ぶらで参加するのがよさそうですね。

機会がありましたら是非、ホーリー祭見物されてみると面白いかと思います。

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