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【読書の時間】叱るがもつ効果はだったの2つだけ?

題名:〈叱る依存〉がとまらない
著者:村中直人


■選んだ理由
自分はどちらかというと叱らないタイプの人間だと思っています。しかし、果たして本当にそうなのだろうか?
「叱る」の本質とは何かを知りたくて手にした一冊です。

こんな人におすすめです!
・叱ることをやめたいのにやめれない人
・叱るの本質を知りたい人
・叱ることによるメリット、デメリットを知りたい人


■感じたこと

私は、これまでの人生を振り返るとどちらかというと叱るよりも叱られる側の人間だったと思う。
叱られた記憶としてまず思い浮かぶのは父親です。
いわゆる昭和の頑固親父で正直叱られた記憶しかありません。

この本では、「叱る」をこのように定義しています。

言葉を用いてネガティブな感情体験(恐怖、不安、苦痛、悲しみなど)を与えることで、相手の行動や認識の変化を起こし、思うようにコントロールしようとする行為。


後半部分の「相手の行動や認識の変化を起こし、思うようにコントロールしようとする行為」に依存性がでてくるとのことです。

要は、「この相手をコントロールできた」が報酬となり、依存性がでてくるんですね。
しかし、それは見せかけの行動であり、実際叱られた側は危険回避、
つまり危険!逃げろ!
からくる行動に過ぎないとのことです。

確かに、叱られた時はこの状況をなんとか避けたいと思い謝ったり、行為をやめたりしますよね。納得です。

結局叱っても相手をコントロールできるわけでもなく、そして、副作用としての弊害は大きいということ。

相手は「苦痛からの回避」をしているだけで、学びや成長にはつながらない。

なんとなくわかります。
その副作用のせいかはわからないですが、ずっと自己肯定感が低くく、大人や周りの顔色を常に意識して行動していました。

では、私は叱ったことがないのか?
いや、そんなことはありません。
特に思うのは、子どもが産まれてから叱る回数は増えています。

叱る理由は様々だけど、ざっくり3つ挙げてみます。

1.危険があるとき
道路に飛び出す、高いところに登る、火に手を出すなど
命や身体に被害を及ぼすときです。

2.こどもが触られたくないものを触っているとき
蓋の開いた調味料を持つ、大事な資料を破る、汚すなど

3.自分に余裕がないとき
出掛ける時間になっても準備が進まない、あれこれやることがあるときに声をかけられるなど

1と2は、この本に書かれいる「危険介入」と「抑止」になります。
叱るが効果的なのはこの二つのみであり、その他のことへは効果がないとのことです。

ということは、3には効果がないということ。確かに叱ったところでこどもがすぐに思い通りに動くわけでもないし、この先聞き分けがよくなるわけでもない。むしろ火に油を注ぐようなときもある。

叱る、叱られるは表裏一体で、状況によってどちらにもなりうる。
その時に意識しておきたい。

叱るの効果が発揮されるのは
「危険介入」と「抑止」のみである。



ここで印象に残った箇所を3つ紹介します。

・「叱る」を出来るだけ避けたほうがいい第一の理由は、倫理的、道徳的なものではなく、単純に効果がないから

・「防御システム」が、人の「学びや成長」を支えるメカニズムではないこと

・心理的虐待を含めると、虐待は、子育てをしている以上、誰にでもおこりうると考えるべき事象


ひとまずできること、叱る前に一度深呼吸をしてみよう!

最後まで読んで頂きありがとうございました!!

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