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乃木坂46 34th【Monopoly】レビュー


乃木坂がとんでもないシングル曲をリリースしてきた。
今の時代、CDが売れないから(サブスク全盛期)シングル曲と言われても表題曲の話?ってなると思うけど、乃木坂はカップリングを様々なメンバーでユニットを組ませることで数種類のタイプを作って売上を伸ばすというスタイルでやっているが、今回はそのカップリングを含む全曲を含めて、34枚目のシングル曲としてまとめさせてもらう。そのシングル曲たちが今回、過去最強の呼び声が高いので全曲レビューを行いたいと思う。






乃木坂46 34th【Monopoly】レビュー



01. Monopoly


まず、この表題曲の話をする前に言いたいことがいくつか。わざわざこのシングルはすごいとハードルをあげてまで何が言いたいかというと、この表題曲が全く目立たないレベルでカップリング曲に喰われているということ。

アンダー曲、5期曲、ユニット曲の中に名曲と呼ばれあと10年歌い継がれる可能性のある曲が3曲もあり、めちゃくちゃこのシングルにおける本気度が高いのだ。

最近のJPOPの傾向としては、TikTokの流行もありキャッチーな短めな曲やフレーズで勝負することが多く5分を超えるような大作!!!みたいな曲が表題曲になることは少ない。このMonopolyもそう。疾走感を出して、さらっと4分以内に終わる。それはそれでさらっと聞けていいんだけど、あまり印象に残らないしまた聞こう、と思わない。ところがカップリング曲はもう少し長めにしっかりと作り込めるようでアンダー曲は4分21秒、5期曲は4分33秒ある。要はそちらの楽曲制作のほうが本気度が高い可能性がある、ということ

そのあたりを踏まえてこのレビューは見て欲しい。ではまずは【Monopoly】


センターは4期のダブルエース、賀喜遥香と遠藤さくら
このレビューを読んでる人は基本的には乃木坂の知識をある程度持っているという前提で書くので個人の詳細は省くが、まあ親友というか戦友の二人。個人的に見ていて思うのは、3期のダブルエースのくぼしたはライバル感が強いがこの二人からライバル感は全く感じない。


そのへんはこのまとめを見てもらえるとわかるかと。





この【Monopoly】に至るまでに前作の【マグカップとシンク】からの流れがあるので、それについては上記の記事を読んでもらえれば。齋藤飛鳥という乃木坂の象徴が今年の5月に卒業コンサートを行い、新体制になった乃木坂を前に進めるためには、3期のエース2人のダブルセンターとこの4期のエース2人のダブルセンターは必ず年内に消化すべき案件だった感じがしたので誰しもが納得の今回のセンターだったとは思うけど、曲は特にバズることもなく売上も堅調。



前作のおひとりさま天国の初週売上は超えられず厳しい立ち上がりとなった

「週間シングルランキング」女性アーティスト今年度初週売上TOP3

2023/12/18付現在
1位:56.6万枚 乃木坂46「おひとりさま天国」(2023/9/4付)
2位:53.9万枚 乃木坂46「Monopoly」(2023/12/18付)
3位:51.7万枚 乃木坂46「人は夢を二度見る」(2023/4/10付)



女性アーティストの今年度初週売上TOP3

2022/12/19付現在

1位:65.4万枚 乃木坂46「ここにはないもの」(2022/12/19付)
2位:57.7万枚 乃木坂46「好きというのはロックだぜ!」(2022/9/12付)
3位:46.3万枚 乃木坂46「Actually...」(2022/4/4付)


飛鳥の卒業ということもあるけど、【ここにはないもの】は久々に乃木坂のシングルではファン以外の耳にも届いた感じがするし売上も好調だったが、その前のシングル【好きロック】よりも【Monopoly】のほうが売れてないのはグループとしては厳しい結果となっている。

ちょっと話が脱線するが、齋藤飛鳥卒業コンサートのBlu-ray、1日目のOVERTUREからの飛鳥の一人歩き、お辞儀からの【ここではないもの】は女性アイドルの卒業コンサート史上、一番の伝説に残るシーンなんじゃないか?と個人的には思っている。たった一人のアイドルの卒業で、東京ドーム2daysが満席。なんなら4daysでもチケットを獲れない人で溢れかえっていた中、たった一人でステージに登場、颯爽と花道を歩いて花道先端のステージに移動、ファンを見渡して大熱狂が静まり返ったところでお辞儀。会場からの温かい拍手の中で流れる【ここではないもの】のイントロ。そして歌い始めると徐々に現れる選抜メンバーたち。何度見ても鳥肌が立つし、明日も明後日も何度でもそのシーンを見たいと思う。こんなことってなかなかないと思うし、あの【ここではないもの】の選抜に選ばれた16人はどれだけの多幸感に満ちあふれていたことか。人生のピークだったって言っても過言じゃないぐらい、あの選抜に入れなかったメンバーは悔しくて仕方なかっただろう。2days合計6時間以上ある卒業コンサートの中での集大成がこの1日目の1曲目だったことは本当に未来永劫語り継がれるべきだ。


話がだいぶ逸れて白熱してしまったが、乃木坂の名曲は誰かの卒業とともにうまれることが多いので次のヒットシングルは誰の卒業シングルになるんだろうか?

どこかで卒業シングルじゃないインフルエンサーみたいなヒット曲を生み出して欲しいものだが・・・

02. 思い出が止まらなくなる


いきなりきてしまった問題作。一応説明しておくと、乃木坂はメンバーが30人以上いるのでグループ内に選抜とアンダーという2グループが存在していて、01のMonopolyは選抜メンバーがテレビ番組なんかに出て歌う曲でアンダーメンバーはアンダー曲を担当して、シングルが出るたびにアンダーライブを開催している。そのアンダーライブの座長(センター)を務めるのがこのアンダー曲のセンターの人になるのが慣例となっていて、今回はそれを【中西アルノ】という5期生が務めるんだけど・・・

知ってる人は多いと思うが、中西アルノは【Actually】という表題曲のセンターを5期として乃木坂に入って2ヶ月ぐらいで務めるというスーパーエリートだったんだけど、色々あって現在はアンダーに。ただ、この中西アルノというメンバーが乃木坂メンバーでも過去1位なんじゃ?っていうレベルの歌のうまさで、生田絵梨花→久保史緒里→という系譜を継ぐ。いくちゃんとかくぼしは伸び伸びとしたミュージカル向きの綺麗な歌声なんだけど、このアルノはなんか不思議な沖縄民謡歌手みたいなゆらぎをナチュラルに使いこなせる歌声を持っていて、その実力が買われて今月からCSの歌番組を担当するほど。そんなアルノがとうとう満を持してアンダーセンターということで、どんなかっこいい系の曲がくるんだろう???と思って楽しみにしていた大多数のファンを秋元康は思いっきり裏切ってきた。

・まさかのゴリゴリのアイドル定番曲(かわいい系)
・まさかの夏曲(12月発売なのになんで?)

センターのアルノですら、驚いていると同時に、こんな曲を歌う自分も嫌いじゃないかもって言うぐらい。

MVを見て、明るい曲の自分嫌いじゃないかもなあって少し思えました。


ってか、これ表題曲でよくね?ってレベルでいいんですよこの曲。あと、とうとう(初かどうかはわかりませんが)中西アルノと林瑠奈の声がこの曲で重なるんですけどそれがまあ強い。

そして、表題曲でもそんなにある?ってぐらいアルノのソロが多い。
まずAメロの歌い出し
ここでアルノです!!!!という強めのインパクトでご挨拶。ちなみにBメロのちょっと手前で林瑠奈の声も聞こえる。
そしてBメロの歌い出し
Aメロの歌い出しもBメロの歌い出しもどちらもアルノとかすごすぎる。もはやアルノの曲と言ってもいいような。ちなみにBメロの最後に林瑠奈。
そしてサビはアルノと数人の声で進んでいったところで(キリがないよね)って音楽用語的にはなんて言うんだろうか?リフレイン?みたいな部分が林瑠奈と数名でアルノ→るるるみたいな。どっちを聞いてても歌うまいっていう・・・メンバーの振り分け方が天才。
2コはなかなかアルノが出てこない。もしやソロなしか?と思ったサビ前のBメロの最後でまたしてもアルノのソロ。
普通、センターだとしてもソロがあるのは1曲で最初だけ、とかあっても2回あれば多いほうなのに、この曲のアルノのソロは場所をすべて変えて3回。秋元康のアルノに対する信頼感を強く感じる。まあこの声が嫌いな音楽家はいないよなそりゃ・・・



どこがアルノでどこがるるるかは、このMVのリップシンクでご確認を
来年の全ツ、この曲で回れるじゃんっていう。
おひとりさま天国より全然いいじゃんっていう。

元々、アンダー曲って悔しさをバネに!!!みたいなダンスナンバーが多かったからまじでこの突然のど直球アイドルソングはなんなんだろうか?これがあーやセンターとかだったらわかるんだけど・・・

ちなみに、アンダーも表題もセンターを務めたことがあるメンバーは1期のエース齋藤飛鳥と2期のエース堀未央奈、そして中西アルノだけ。

アルノがこれからどこへいくのか、どこまで化けるのか?楽しみで仕方ない。そんなことを思う1曲でした。


03. 助手席をずっと空けていた


ここからはユニット曲。
いつもはユニットに縛りがなく、なんでこのメンバーなんだろう?っていう自由さを売りにしていた感じだけど今回はめちゃくちゃ縛りのあるユニットでそれもまた面白い。

どのユニットも3名
3期・4期・5期が一人ずつで構成されている
とあるテーマでメンバーを揃えている

って感じで、まずこの曲のメンバーは

3期 梅澤美波
4期 松尾美佑
5期 五百城茉央

テーマは?わかりますよね?
高身長・・・笑

うめ→170cm
みゆ→167cm
まお→166cm

梅とか絶対もっと大きいしね笑

そんな3人がかっこいい系(もしも心が透明なら、みたいな)の曲をやるのかと思いきや、これまた可愛い系の曲でびっくり。



ただ三人の声が似てて(梅は若干わかるけど)どこを誰が歌ってるのかがパッと聞いても自分にはわからない。


04. 羊飼いよ


このメンバーは

3期 久保史緒里
4期 林瑠奈
5期 中西アルノ

テーマは・・・もうここまで読んできてる人なら一目瞭然というか簡単にわかりますよね?そう、歌うまメンバー

そしてこれが問題作第二弾。秋元康って曲の充て方が上手なんだか下手なんだかよくわからなくて、前にも歌うまメンバーのいくちゃんとくぼしがかっきーと3人で組んだユニットで【やさしいだけなら】という曲を歌っていたが薬師丸ひろ子みたいな楽曲で歌がうまいのはわかるんだけどなんか違うというかもったいないというか・・・だったんだけど、今回もやすすがやりやがってせっかくのこの3人の待望のユニットなのになんかラップ調というかダンスナンバーっていう。いや、もちろん歌が上手いメンバーだから楽々とこの難しそうな曲を歌い上げてる可能性はあるんだけど・・・もっとゴリゴリのバラードとかをぶつけてきて欲しかったなぁ・・・




いやーほんとにもったいない。
くぼし、アルノ、るるるの共演なんて今後もうないと思うと・・・なんでこんな曲なのか・・・いや曲は良いんだけど・・・とりあえず、この曲をきっかけにこの3人は3人で全国のZeppを廻るツアーとかやって欲しい。くぼしが忙しくて無理だろうけど・・・今の乃木坂の楽曲が良く聞こえるのはこの3人の声があるからっていうのはかなり大きな要素なんでね・・・


何度も言うけど、曲はいいんだけどね・・・


05. 手ごねハンバーグ


こちらのメンバーは

3期 与田祐希
4期 田村真佑
5期 一ノ瀬美空

テーマは・・・ぶりっこ?笑
与田だけ違う気が・・・
でももはや3期はみんな大人になっちゃって、そういうキャラの子がいないから与田しかいなかったってところはある。
曲もこちらはぶりぶりの80年代のアイドルソングって感じでテーマとも合ってるしメンバーとも合ってるんだけど・・・ひとつ言いたいことが

秋元康、田村真佑に向けて曲書きすぎだろ?

猫舌カモミールティもお別れタコスもこの曲も、明らかにまゆたんを意識して書いてる感しかないし、曲のキーもまゆたんに合わせてるから歌がそこそこ上手い与田でも歌うのきつそうだし、基本的に山下美月系譜なみーきゅんは声が低めだからぶりっこというキャラは合ってるけど、このキーの曲はかなりきつそうに聞こえる。なので、ソロの部分は置いといてサビの3人のユニゾンの部分とかはまゆたんの声しか聞こえてこない笑
でもそのまゆたんはCDでは可愛く聞こえるからいいんだけど、歌自体は上手じゃないから生歌では披露できないという・・・なんとも・・・



まぁ、秋元真夏という初代スーパーぶりっこアイドルが卒業して、もはや乃木坂にはまゆたんしかそのポジションを引き継げる人間がいないし、そういう意味ではまゆたんがいてくれて良かったという1曲。みーきゅんはノリノリでやれるだろうけど、与田はこの曲をライブとかで披露するのきついだろうなー笑。そしてどんな衣装でやるのかも今後楽しみだ。


06. スタイリッシュ



こちらのメンバーは


3期 山下美月
4期 賀喜遥香
5期 菅原咲月


これ、5期がなぎだったら各期のエース集結って感じだったけど曲調からすると咲月のほうが適任なのでこれは秋元康、アッパレって感じ。曲は名は体を表すじゃないけど、タイトルの【スタイリッシュ】さながらの80年代かっこいい系のアイドルソング。WInkが歌ってそうな曲で美月、かっきー、咲月の声がよく合ってる。特にサビ前のところの咲月がいい味を出していて嬉しくなる。その場から動かずに手だけ動かしてくるくる回るようなダンスをしながら歌って欲しい曲(イメージ湧きます?笑)

ただ3人で並ぶとちょっとかっきーでかすぎるんじゃ?ってのはあるけど・・・笑



かっきーがSoLでこの曲について語っているのでぜひ。


07. いつの日にか、あの歌を・・・



こちらは5期生曲。
自分は4期推しで、4期生曲は明るい名曲ばかりでどの曲も好きなんだけど5期生曲はあまり好きな曲がなくて。前作の【考えないようにする】が今までの中では一番好きかな?と思っていたら、あっさりとこの曲が交わしていった。

3期生曲は最初の曲が【三番目の風】
4期生曲は2曲目が【4番目の光】

と、その期の数字が入った曲で先輩から受け継ぐ決意みたいなのを歌っているんだけど5期はここまでそういう曲がなかった。

なぎ→咲月→川﨑→てれぱん→なおなおと5曲の5期曲をここまで歌ってきて、ようやく五という数字は入っていないけど、その系譜の曲をあーやをセンターで。あーやを第二の齋藤飛鳥としてじっくり育て上げたい感が運営からものすごい感じられるので、満を持してといった感じなんだろう。

今回のシングルではアンダー曲もアルノのセンターのすぐ横のポジションだしこの曲ではセンターだし、とうとう次のシングルでは選抜入りか?といったところまで来ていて、ミーグリ人気も5期の中では出遅れてるけど上位に取りついてきていて時間の問題。飛鳥も握手会がガラガラだったってセンターになってから笑って言ってたぐらいだし、次のエースに育つだけの才能は持ってそう。そもそもあーやは飛鳥に憧れて乃木坂に入ってきてるしね。



まだ15歳だしあと10年でこの子がどう育つか、楽しみに成長を見ていきたいと思う中で、こんな名曲のセンターをここでやれたことはのちのちにかなり大きなプラスになるのは間違いない。

本当はアンダー曲の【思い出が止まらなくなる】がこのシングルでは一番良い曲って言いたいんだけど(聖来なきあと、アルノ推しだし)どうしてもこの曲を聞いてしまうとこの曲が頭から離れないし曲のフックのつけ方が絶妙で珍しくなぎの声が全然目立ってない(というかこのシングルのなぎの存在の消され方ハンパない)のも良い。(いや、別になぎの声が目立ってても良いんだけど覇王はもう別世界にいるのでシングルで目立つ必要性もない)

例えば、乃木坂で好きな曲を15曲選んでベストアルバムを作って!っていうテーマがあったらこの曲は確実に入れると思う。それぐらい表題曲を思いっきり喰って良いのがこの曲と【思い出が止まらなくなる】

林瑠奈の キリーがーないよねー
とこの曲のサビ前のフックがたまらなく良い34枚目のシングルレビューでした。

なんか、最後は自分の趣味を押し付けるようなレビューになってしまい申し訳ありませんでした笑

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