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14年前にヤフオクで売ったロードバイクと再会した話

表題の通りです.
以下にその顛末を記します.

1.憧れのロードレーサー Rossin

いまから36年ほど前の中学生の頃, 「サイクルセンター ナガノ」によく通っていました.ここは自分の家の最も近くにある専門店でした.

サイクルセンター ナガノはジャニーズV6の元メンバー 長野博の実家としてよく知られています.
私は長野博と同じ年齢です.
店のおっちゃん,おばちゃんは私の両親と同年代
初心者の私の素朴な質問をいつもやさしく丁寧に答えてくれて,とても親しみやすいお店でした.
ちなみに,最近知ったのですが井ノ原快彦によるサイクルセンター ナガノのCMソングがあるそうです.

当時,ナガノの店内の一番目立つところに展示されていたのが,カンパ レコード仕様のRossinです.
価格は55万円くらいだったと記憶しています.

 中学生の自分が乗っていたのは,中古で買った傷だらけのスポルティーフを改造した105仕様の自作ロード.
 純イタリア製の高級ロードは夢のような存在です.
 ナガノに行くたびに,Rossinの前で佇みながら,
カッコいいなぁ,自分も大人になったら,いつかこんなロードレーサーに乗ってみたいなぁ
と思いながら,うっとりしていました.

2.ついに購入した Rossin

 それから十数年後,時が過ぎて私も大人となり,仕事をして給料をもらう身となりました.
 最初の給料を全額つぎ込んで買ったのが下の写真のRossin Performance,コンポはもちろんカンパのレコードです.

 購入した店舗は,当時よく通っていた横浜の「サガミサイクル」
(今のビル店舗ではなく,三ツ境駅北口の旧店舗の時代です)
店内の吊るしフレームの中に黄色いRossinがあり,私は店に行くたびにそれが気になっていました.
たしか2-3年くらいずっと吊るしてあったと思います.

 購入時に驚いたのは,1色ではなく,後ろから見るとシルバーとのツートンカラーであったこと.
 天井から吊るしてあるフレームは,客はヘッド側からしか見ることができません.そのため,ずっとイエロー1色だと思っていたのです.
 購入時の店員さんの説明では,サイクルショーのために見本として輸入されたもので,日本にはこれ1台しかないとのことでした.

 ちなみに,このフレームの使用感について
 一見,三角形断面のメガチューブで剛性があるように見えますが,そうでもなく,直進性が不足していて,前に乗っていたレイノルズ531チューブのRALEIGHに比べて進みが悪かったです.そのため,せっかく憧れのRossinに乗ることができたのに,組み上げて乗った初日に少しがっかりしてしまったことを覚えています.

このRossinではいろいろなところに走りに行きました.
ある日,こんなことがありました.
私の自宅から江ノ島まで片道40分.
江ノ島往復は私のお気に入りのトレーニングコースでした.
ある日,いつものように江ノ島に到着し,橋を渡ってすぐの公園で休憩しようとすると,サイクリングに来ていた中学生くらいの3人組がベンチに座っています.
私は彼らの前を通り過ぎると,後ろから
「スゲー,今の見たか? ロッシンだったぞ?  スゲーなぁ」という彼らの声が聞こえてきました.
私は中学生だった頃の自分自身を思い出しました.


3.Rossinとの別れ

 2006年にメインバイクをLOOKに乗り換えてからも,Rossinはサブバイクとして時々乗っていました.
 その後,結婚をして部屋が手狭になったことと,子供が生まれてロードバイクに乗れる時間も以前より減ったことなどから,このRossinは2009年にヤクオクに出品して売却しました.
 以後,ロードバイク(LOOK565, 595)には乗りつづけてはいましたが,自転車関連については,しばらくネットの情報からは離れて過ごしておりました.

4.Rossinとの再会

 さて,私はこの4月から単身赴任生活をすることになり,これを気に再び趣味としての自転車を本格的に再開しました.
 
 私がRossinに乗っていた頃,ちょうどデジカメブームがあり,私も小型のデジカメを携帯して,たくさんの写真を撮っていました.

20年前に撮影したRossinと風景の写真
以前のPCのハードディスクに保存してあったものだが,
先日,今使っているMacにもコピーして写真を整理した.

 先日,それらの写真をパソコンで整理していたときのことです.
 昔のRossinの写真を懐かしい思いで振り返りながら,
「そういえばRossinって,今はどれくらい認知されているのかな?」
 と,ふと気になって,Google検索をしてみました.
 すると,検索結果のトップにビチアモーレという横浜の買取・販売店が表示され,見覚えのある車体の写真が目に留まりました.

私がかつて乗っていた Rossin Performance です.
傷の位置もビンゴで一致しています.
日本には1台しか入っていないと,サガミの店員さんが言っていましたから,間違いないでしょう.ネット上ですが14年ぶりの再会です.

(しかしこれにはビックリしたなぁ.
なにせ,パソコンで自分のRossinのデジカメ写真を振り返っているときに,ネット上でそのRossinと再会したのですから)

Webには下記の説明文がありました.

ビチアモーレさんの販売サイトの掲載写真より

やっぱり,Rossinにはカンパがよく似合いますね.
ホイールはチューブラー仕様
写真の年代のケンタウルも丁度よい選択です.
販売サイトの方もとても丁寧な説明をしてくれています.

このRossinは既にSold outになっています.
私がヤフオクで売ったのは西日本の方でした.
私の手を離れてから,誰がどのように乗って,どのような経路でこの横浜の買取店にたどり着いたのかはわかりませんが,
私にとっては,最初の給料で買った思い入れのあるフレームです.
今でも,どこかの誰かがこのRossin Performanceを大事に乗ってくれているに違いない  と思うと,とても嬉しくなりました.

この話には「続き」があります.
もしよかったらご覧ください.


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