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「忙しい」と口にする人の残酷な真実と、信頼されない本当の理由

プロ雑用です!
いろんな人と仕事をしていると、頻繁に聞かれる「忙しい」という言葉。
今日はこれが場合によっては最悪の言い訳になるということについて。


仕事は忙しい?それともヒマ?

企業で働いていて「今忙しい?」と声を掛けられた経験は誰にでもありますよね。私にもありますし、そのように声を掛けることもあります。ビジネスメールや取引先との会話の中でも「本日はご多忙/ご多用の中…」というような枕詞を使うことも多いですね。

相手の状況はわからないが配慮としてこのような声がけ/枕詞を使うことがマナーとされます。実態として相手がめちゃくちゃヒマだったとしても、業務時間中に「いまヒマ?」と声がけすることはあまりないでしょう。プライベートで気軽な関係だったら「明日ひま?」とか声かけることはあるでしょうが、取引先や目上の関係にある人に業務で「いまヒマですか?」「暇なときに呼び立てて…」みたいなことは失礼過ぎて使いませんよね。

「忙しい」は他者からはどう見えるているのか

「忙しい」と感じている人や口癖のように口に出してしまう人、いろいろ居ます。中には忙しいと口に出さずとも、態度や動作でそれを周囲にアピールする場合もあります。

その中で最悪なのは言い訳として「忙しい」を使う人です。特に業務の進捗や成果を問われたときの回答として「忙しくて手をつけられませんでした」というのは最悪です。

なぜ最悪なのか?といえば「忙しくて手をつけられませんでした」はその言葉の行間にこのようなニュアンスが含まれているからです。

「私は忙しくて、皆さんのように暇ではない」

そんなことはない!と思うかもしれませんが、あなたがどう思っているかではなく、相手はその言葉をどう感じるかが何より重要です。

忙しいという言葉そのものが「比較」の言葉。何と比較しているのか?それは自分以外の他人との比較。無自覚に「忙しさ=自分>他人」と比較してしまっているのです。

※稀に本当に相手がヒマなのに仕事を押し付けられる場合があるので、そういう場合はこう言ってしまう気持ちはわかります。

私は忙しい→君たちはヒマという図式に対して相手はこう思うでしょう。

「忙しい忙しいって、
 お前だけが忙しいのではないのだが?なんなら私のほうが忙しいが?
 そもそもその依頼、ずいぶん以前に出したタスクだったよね?
 忙しくて手が出せなくらい他のタスクが溜まるまで一体何してたの?」

相手からすれば「忙しくて手をつけられませんでした」という人は「私はタスク管理もできない使えない人間です」と、告白していることに気付いていないんですね。

忙しい、というのは思い込みかもしれないよ

過去、忙しくてしかたがない、というメンバーや仲間に対して、業務改善を行ったことがあるのですが、その経験からいうと、忙しいと答える根拠は概ね以下の4つに集約されます。

  • タスクの設定と管理が甘い

  • 安請け合いしてしまう

  • 仕事を終わらせられない

  • 一人で悩んでる/迷ってる時間が多い

タスクの設定と管理が甘い

あらゆる業務は何らかの問題を解決するために行われるもので、課題はその具体的な活動内容(遂行し達成する)ですから、タスクとはすなわちこの課題を指します。さらに分解すればそれは「誰が/何を/いつまで/どこまで/どうやって」ということ。タスクが管理できないとは、このように業務の内容を適切に分解できていない、ということでもあるのです。

言い換えれば、業務に対する解像度が低い状態と言えるでしょうか。
タスク管理できる人は、上記の4W1Hに加えて、その業務のWHY(背景と意図/Purpose)を抑え、Goal(達成したい目的/Aim)、Objective(計画上の目標/Milestone)を考えて行動します。完全に全てを言語化する必要ありませんが、少なくとも「いつまで」くらいは設定しておく必要があります。

また、重要度や緊急度の分類ができてない人も多い。重要で長期的な仕事より、眼の前のすぐできる仕事に飛びついてしまい、気がついてみれば長期的な仕事に必要なリソースが無くなってた…なんてこともよくあります。

安請け合いしてしまう

たとえタスク管理が出来ている人でも、頼まれると、安易に請けてしまうことがあります。いい人なのか、押しに弱いかはわかりませんが、タスクのバッファ(隙間)に差し込んでいくならまだ良いのですが、大体の場合、安請け合いする人はタスクを元から100%近くで設定しているため、安請け合いした業務はこの100%外で対応せざるを得ない状況になります。

また頼まれてはいないが、気が利くあまり、タスク外の業務を自ら作ってしまうこともよくあります。基本的にいい人なので、気がついたらヤラなければと思ってしまうのでしょうが、タスクにバッファがない状態なので、本来は主タスクに振り分けるべきリソースを、差し込み業務で消費してしまうのですね。

次々と降ってくる/あるいは作ってしまう差し込み作業に、作業リソースのバッファが日頃から枯渇している人も少なくありません。

仕事を終わらせられない

これは言い換えれば「完璧主義」ということ。完璧主義の人は、だいたい完璧主義であることに無自覚です。なぜ無自覚なのかと言えば、完了=完璧だと勘違いしていることが原因。そしてその完璧は、他人からそう求められているわけではなく、自分自身がそうでなければならないと、無意識に思い込んでいるだけであり、それは言ってしまえば強迫観念です。

直ぐにできるような仕事にも、持ち前の職人気質を発揮して不要に完成度を高めてしまう。それで相手が喜んでくれると、よりつまらない仕事にリソースを割いてしまう…これも重要度と緊急度の分類ができてないことがその一因です。

タスク管理が出来ていたとしても、完璧主義のせいで仕事を完了させることができず、終わらないからタスクが蓄積されつづける…仕事は、マーク・ザッカーバーグの画像で有名な「完璧を目指すより、まず終わらせろ」です。

一人で悩んでいる/迷っている時間が多い

忙しいと感じている人の一日の動きを観察していると、非常に悩んだり迷ったりしている時間が多いです。はっきりいいますと、悩んだり迷ったりしている時間はほぼ意味がない、と統計学的にはわかっています。5分で出した結論と5日考えて出した結論は変わらない、というデータもあるそうです。

悩んだり迷ったりする原因はたった一つ。
決めるための情報が不足しているのです。
不足している情報は、自分ひとりの頭で考えても出てきません。いわば栄養失調なわけですから、栄養を取らなくてはなりません。つまり、人に相談するなり、情報を集めたりすれば良いわけです。情報集めはしていると、という人でもよくよく観察していると「検索で答えを探している」人が多い。情報ではなくドンピシャな解答を求めているので、そりゃ見つかるわけがありません。

不足している栄養分を摂取するには、食物を食べてそれを消化しエネルギーに変えるのといことで、それは自分の身体が行います。それと同様、インターネットの海に、あなたが求めている答えがあるわけではありません。情報をあつめて考えるソースとしなくてはならないのです。そして考えるためには、考える方法を学習しなくてはなりません。

かつて、スタートアップで学生インターンを見ていた時、彼らには「30秒考えてわからんことは直ぐに聞きにきなさい」と教えていました。ただし、何がわからないかは解きほぐす必要があります。

共通する問題の本質

タスクのコントロールができず、
それなのに仕事を安請け合いし、
しかし完璧主義だから仕事を抱え込んで終わらせず、
答えの出ないことを延々悩んでいる…
というのが忙しい人だということです。

この根底にあるのは、ひとえに現状認識ができない、ということでしょう。
忙しいと感じているのは現状を認識しているのではなく、焦燥感などの感覚が反応しているのであって、論理的な現状認識でありません。

こういったメンバーに、一日ないしその週やったことを時間を含めて書き出してもらったことがあります。すると、実際の労働時間と書き出した内容にかなり乖離がありました。自分がなんの活動にどれくらいのリソースを割いているのか、認識できていないのです。ひどくなると実労働時間の50%未満しかタスクを認識できていない人も過去には居ました。書き出した本人が一番おどろき頭を抱えていたのを覚えています。

どんな人間でも一分一秒の行動を逐一記憶することはできませんが、一日で2時間以上のズレが生じているとすれば、完全に認識が狂っていると考えなくてはいけません。その人は、ずっと仕事に追われ続けているんですね。

仕事は追うものであり、追われるものではありません。
「忙しい」と感じている人の実態は「忙しいと感じているが、何が忙しいのかは具体的にわかっていない」ということが、本質的な問題なのです。

逆にそれがわかっていてなお労働時間が多い人は、粛々と仕事を行っているので労働時間ほど「忙しい」とは感じていないはずです。

「忙しい」の対処法

忙しいと感じている人の根本的な問題は、現状認識できていない、と書きました。現状認識の一番カンタンな方法は、アウトプットするということ。まず紙でもメモ帳でもなんでもいいので、自分のタスクを書き出しましょう…

と、言うと必ず出てくるのが「そんなことやってるヒマはない!」という言葉。「木こりのジレンマ」という(出どころのわからない)寓話がありますが、まさにこれはそんな言葉ですね。

繰り返しますが、忙しい忙しいと口にする人は、
「タスクのコントロールができず、
 それなのに仕事を安請け合いし、
 しかし完璧主義だから仕事を抱え込んで終わらせず、
 答えの出ないことを延々悩んでいる…」

という人です。

こういう人を信頼して大事な仕事を任せられますかね?
まぁ、無理ですよね。中には「無能」レッテルを貼られてしまうこともあるでしょうが、さもありなん。

忙しいと言い訳してしまう人、口に出してしまう人は、自分が
「タスクのコントロールができず、
 それなのに仕事を安請け合いし、
 しかし完璧主義だから仕事を抱え込んで終わらせず、
 答えの出ないことを延々悩んでいる…」
という人に見られていることを意識しましょう。
忙しいと口にしてしまう人が、逆にこういう人に相対した時、このような人に無能レッテルを貼らずにいられるか、重要な仕事を任せられるか、と考えてみてください。

自分を客観視すること、これが「忙しい」と口に出してしまう人、言い訳に使う人が、まず行うべき対処法です。

具体的な話はそれからだ!


ということで、今日は
「おめーだけが忙しいだけじゃねぇんだよ!」
というお話でした。

それじゃ、また👋

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