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日本酒が好きなプロ雑用が毎年定点観測している新潟酒十傑集・参番<完結編>

プロ雑用です。
三回続いたお酒の話も今回でとりあえず区切りです。
前回、前々回のお話を見てない方はこちらからどうぞ。

新潟酒十傑集・完

北雪 純米 (北雪酒造)

辛口度★★★☆☆ 濃厚度★★☆☆☆ 酒香度★★☆☆☆ /ぽんしゅ館表記より

新潟十傑集最後は、佐渡島の酒造から。
冷酒でも燗酒でもイケるオールマイティな純米酒です。北雪の名を冠したお酒の中の最もオーソドックスでありながら、吟醸酒に負けない香りもあり、お米のうまみもふんだんに感じられ、すいすいと飲めるお酒です。

佐渡島の酒蔵である北雪酒造は、新潟の数ある酒造の中でも様々なチャレンジを行っている酒造です。たとえば、かの獺祭と同じ遠心分離製法で作ったもの、女性杜氏だけで作った限定酒、はたまたオーダーメイド日本酒など、野心的な酒造りを行っています。この純米酒は従来の製法で作られたものですが、こういった伝統的な技もしっかり受け継ぎながらも、同時に新たな酒造りへ挑戦している姿勢が素晴らしいと思います。ぽんしゅ館でも、遠心分離製法の限定酒がまれに出ている時もあるので、見かけた際には是非飲んでみてほしいです(コインは複数枚ですが…笑)

十傑集に次ぐもの

惜しくも現在は十傑集には含みませんでしたが、かつて十傑集だったものも含めて、おまけにいくつかご紹介したいと思います。

真野鶴 辛口純米酒 (尾畑酒造)

辛口度★★★★★ 濃厚度★★☆☆☆ 酒香度★☆☆☆☆ /ぽんしゅ館表記より


前回紹介した峰乃白梅のかわりに十傑集から外れたお酒です。外れた理由は同じハーブ系の香りがあるからですが、こちらのお酒は、THE新潟の日本酒という辛口の中の辛口。いわゆる超辛口と言われるもので、一説には辛口通の中では、日本でもトップクラスの辛口だという評判もあるとか。
たしかに飲んだ瞬間「あー、日本酒飲んでる!」という感じの、ガツンとしたキレッキレの味わいが特徴です。わざわざ「辛口純米酒」とつけるだけのことはあります。
余談ですが、尾畑酒造は北雪酒造と同じく、佐渡島の酒造の一つです。

能鷹 特別純米酒 (田中酒造)

辛口度★★★☆☆ 濃厚度★★★☆☆ 酒香度★☆☆☆☆ /ぽんしゅ館表記より

一般的な日本酒は、アルコール度数がだいたい15%なのですが、こちらの能鷹は17〜18%と少し高め。その分力強く飲み応えがあります。味わいは甘みと酸味のバランスが良く、ナッツ系の香りが鼻を抜けます。

新潟といえば、の定番銘柄は

新潟のお酒というと、全国的には、越乃寒梅、八海山、吉野川、越乃景虎、上善如水などが有名なところだと思います。

特に越乃寒梅はかつては故・田中角栄元首相が中国国交正常化交渉の手土産に持参したことで全国的にブレイクしたので、年配の方には「新潟と言えば越乃寒梅」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。私も名前だけは知っていましたが、味がそれほど好みではないのですが、最近見るようになった「越乃寒梅 純米吟醸 灑(さい)」はかなりライトですっきりした新しい味わいで、いい意味で越乃寒梅らしくなくて注目しています。

八海山は、昔から私も好きな銘柄ですが、その中でも好きのは冬季限定で発売される「八海山しぼりたて原酒 越後で候(えちごでそうろう)」。八海山の旨いところをぎゅーっと濃縮したといっても過言では無いうま味の詰まった一本です。

吉野川も居酒屋で見かけると頼んでしまう定番銘柄ですね。その中でも「越後純米」というシリーズが、米のうま味をふんだんに楽しめておいしいです。また最近、30年ぶりに登場したという新シリーズ「みなも」がとても気になりますが、こちらはまだ未経験…たのしみです。

越乃景虎は八海山に次いで居酒屋で見かけることが多いお酒でとてもおいしいです。その中でも「景虎 名水仕込 特別純米酒」は本当に美味いです。名水百選にも選ばれている特別な水を使って作られたからか、すっきりとした味わいでスルスルと喉を通ります。県外ではほとんど見かけませんので、わざわざ取り寄せる愛飲者も多いのだとか。

上善如水の醸造元・白瀧酒造は、越後湯沢駅のすぐ近くにある蔵本。そのため、湯沢の駅には白瀧酒造のお酒がずらりと並んでいます。12ヶ月それぞれのシーズンに合った日本酒や、ちょっと変わった酵母で醸したお酒など、いろんな酒造りにチャレンジしています。ワインを意識した味わいのお酒を以前から作っており、今はもう製造されなくなってしまいましたが、白こうじで醸した「上善如水 純米 白こうじ」が最高に好きでした。雪冷までキンキンに冷やすとものすごい味わいだったんですよね。最近だとキウイ由来の酵母で醸した「キウイ由来酵母 by Jozen 純米」は日本酒とは思えないフルーティーさで食前酒に最適です。

日本酒の沼は続く

お酒はどれもそうですが、日本酒も、知れば知るほど奥深く、本当に飽きないです。特に新潟は毎年ほとんどの基本銘柄を飲んでいることもあり特別思い入れが深く語りが尽きません。

今回あげた新潟十傑集は、比較的手に入れやすい各酒造の基本ラインをあげていきましたが、また別の機会には、限定酒や季節限定などを取り上げていきたいと思います。次回の日本酒特集をお楽しみに。

それじゃ、また👋

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