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誰もが仕事に刺激を求めているわけでは無い。安定を求めてもいいじゃないか。

プロ雑用です!
先日こちらのnoteを拝見しました。

刺激をいただいたので今日は安定について。


安定していることは安心につながる

そもそも、人間は安定を求めています。本能的に安定は安心につながるので、生命維持という意味でも安定を求めています。

マズローの5段階欲求でも、安全に関する欲求はしたから二番目に位置しており、人としての基本的な欲求であることがわかります。

安全欲求は睡眠欲などの本能に根ざす生理的欲求の次に満たされるべき欲求として位置。

安定した環境、危険を避ける、不安をなくしたいと思う感情は極めて生命としては当たり前の欲求ですから、現代においては、毎月の給与が安定的に入り、衣食住がある程度満足できるという状態は、健康的な生活を送る上でも極めて重要です。

資金繰りの厳しい企業ではやはり金銭的な安定は難しいでしょうから、良い人がとれないというは当たり前です。
一方で資金繰りの厳しいスタートアップはストックオプションなどの将来的な安定を条件として、ひとまず現状の不安定を乗り越えるという施策をとるわけです。

安定と刺激は両立する

これはマズローだけでは無く、ハーズバーグの要因論でも同様のことが示唆されています。

ハーズバーグの要因論は、仕事をする上で、どのような要因が働き手のモチベーションに影響があるか示しています。その二つは、衛生要因と動機付け要因と呼ばれています。

衛生要因
不足すると不満や不安を感じるが、満たされてもモチベーション向上にはつならないとされる項目。外的、他律的、支配的な項目が含まれる。
動機付け要因
満たされることで積極的な活動を行うようになる要因。内的、自利的、自主的な項目が含まれる。

ハーズバーグの要因論より

中村さんのnoteに記されている内容を、こちらの要因論に当てはめると、その内容のほとんどが衛生要因への言及です。これまでのキャリアで、これがなかなか満たされてこなかったということがわかります。

衛生要因を安定とみれば、動機付け要因は刺激といえます。
多くの人が生き生きと働ける環境は、実のところ安定か、刺激かのどちらかでは無く、両方満たされていることが必要なのです。

まさしく中村さんのnoteでも、後半で刺激についての言及があります。
「一方で課題も山積している」「貴重な人生の時間を何に使うか」で記されている内容は、動機付け要因にある、達成感・仕事そのもの・責任などに関連するものです。

刺激の中に安定を見いだす

一人で行うタイプのスポーツというものは、基本的にいかに不安定の中で安定をさせるかということを競うものが多いです。たとえば、サーフィン、スキーやスノボ、スケードボード、スラックライン、ボルダリング・クライミングなどが該当します。

たとえば私はスキーを楽しみますが、スキーやスノボは雪上を滑走する、あるいはアクションを行いますが、摩擦と重力によって勝手に滑る板の上でいかにバランスを崩さず速度を出すか、華麗なアクションを決めるかというスポーツです。雪の上は水の上ほどではありませんが、道具を使わない生身のからでは不安定極まりなく、圧雪していない雪上では動くことすらままなりません。

ボルダリングやクライミングは、そもそも安定もくそもない垂直あるいはそれに近い壁、何なら反っている壁を登攀するスポーツ。重力に逆らって安定的に身体を動かすことで上っていきます。

いずれにせよこれらのスポーツは、安定していない状況の中でいかに安定をさせるかということに考え挑戦していくものです。こういったスポーツが好まれていることは、一見すると本能に反することのように思えますが、実際のところ、人間は旺盛な好奇心を本当的に持っている生き物です。だからこそ、フロンティアを求めて未知への挑戦ができるというのも事実です。

どちらかではなく、どれを重視しているか

安定は必要、同様に挑戦も必要だということなのですが、そのバランスは個人によって様々に異なります。
連続起業家などは挑戦側に振り切ったバランスで、ハーズバーグの要因論では動機付け要因のウェイトが高い人だし、一方で大企業の正社員サラリーマンが良いと思っている人は、衛生要因のウェイトが極めて高い人です。

しかし動機付け要因のウェイトが高い人でも、達成感だけで永遠にドライブ続けられることはありません。逆に衛生要因のウェイトが高い人でも、全く挑戦をしないという人も少ないのでは無いでしょうか。

マズローの5段階欲求に目を向ければ、安全欲求の上は社会的欲求。これは所属と愛の欲求、親和と調和の欲求とも言われ、他者との関わりや集団への帰属意識に関する欲求です。ハーズバーグの要因論で言えば、これは衛生要因の上司・部下・同僚との関係がここに当たります。
中村さんのnote でも財務状況の次に「人間(関係)が良い」と記されており、これが満たされていることがわかります。

つづく三つ目は「組織が出来上がっている」とあり、こちらでは満足している部分と不満点の両方が記されていますが、こちらはマズローでは同じく社会的欲求、ハーズバーグの要因論では、労働環境・条件(満足)、会社の方針とマネジメント(少し不満)に当たるでしょう。

働く人も多様なら求められる環境だって多様だ

私はJTC(中小企業)、派遣、リクルート、JTC(市役所)、アソビュー(スタートアップ)と、安定しているがつまらない環境、安定してて刺激的だが疲れる環境、不安定だがやりがいのある環境、安定もなくてつまらない環境と、多様な条件の企業を一通り経験しているおかげで、人一倍自分の欲求と安定に関するバランス感覚は優れていると思います。
その私からすると、仕事や労働環境にかんするX上の意見は二極化で語られすぎです。ですから、中村さんのnoteのように、素直に自分の環境に関して語られることはとても良いことだと思います。共感する人も多いでしょうし、なにより真逆の意見の人にとっても(特に経営者には)参考になることが多く含まれていると思います。

SNSのおかげでよりキラキラビジネスマンが目立つようになった一方で、現状への不満を爆発させている人も同様に目立つようになりました。その結果、リプライやリポストでは二極化で語る意見が多い。これは良くないです。今の世の中、二つに分けて考えるのは、性別ですら不可能になっているのですから、働く環境と求める労働条件だって多様であることが当たり前なのだし、そういったことをきちんと話せることが大切ですね。

あー、またほら、2000字超えちゃった。(約2700字)
ここらへんで終わりにします!
それじゃ、またね👋

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