藤井聡太、さすがにヤバい

先日の竜王戦は藤井聡太の4連勝でもって終了した。

伊藤には気の毒だが、下馬評通りだろう。
ただ、一回は勝つと思った。
知らない方のために声を大にしていいたいが、伊藤だって素晴らしい才の持ち主だ。
10年に一人レベルの天才と言ってよく、平時の世ならタイトルを2つ、3つ取っていてもおかしくない。

その伊藤にして、藤井聡太には歯が立たない。
4局すべてを通して、二転三転という将棋ではなく、伊藤が逆転されることはあれど、逆はなかった。
そして、終盤のキレが違いすぎた。

伊藤だって終盤は素晴らしいのだ。
一瞬の隙からアッと言う間に寄せてしまう。
それでも、藤井を前にするとモタつく素人のように見えてしまう。

正直ここまでの力量差とは思わなかったが、伊藤が不出来というより、藤井聡太が強くなったように見える。
特に、4局目の最後、40手程の難解な寄せを一秒で見切ってしまった。

コレはキツい。別に詰まさなくても兵糧攻めで勝てるところを、圧倒的な才能差を見せつけるようにぶった斬る。
否が応にも自身と藤井の才能差を感じるし、見ているすべての棋士も、ああ、藤井さんには一生勝てないかもしれないな、と思ったことだろう。
頭のいい渡辺は、既に二番手として生きていくか揺れているように見える。

私は常々最強は大山康晴と言ってきた。
今も変わらないが、ここまでの強さを見せられると藤井聡太が最強なのかな、と揺らいできている。
これほどAIと指し手が一致する棋士、そして異様な終盤力を持つ棋士は見たことがない。

伊藤を除けば同世代にライバルもおらず、渡辺、豊島、永瀬、羽生は既に蹴散らしており、もう誰も楯突くこともできない。

本当に30年間タイトル防衛してしまうかもしれない。

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