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感性の人 安房直子さんのエッセイ

私の住む京都は、先週、桜が満開になり、家から自転車で行ける植物園に、一人でふらっと桜を見に行きました。

いちばんいい時期で、生き生きとした美しい桜をたっぷり楽しみ、Twitterにも写真を投稿。その時、反応してくれたのが、安房直子さんの童話に出てくる料理のレシピ本などを書かれているお方で、以前そのレシピ本を購入した際に、少しやり取りさせていただいたことがありました。

満開の桜を眺めていた時、ふと、「安房直子さんの童話で『桜』が出てくる話ってありそうだな〜」と思ったので、その方にコメント上で尋ねてみました。

すると速攻で返信されて、桜の出てくる童話を数個、教えていただきました。そのうちの一つが「緑のスキップ」。「安房直子コレクション7 めぐる季節の話」(偕成社)の中に入っていることも、親切に教えてくださりました。

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早速、図書館で借りて「緑のスキップ」を読みました。うん、素敵だ。スキップで「夏」がやってくること、桜の精と離れたくないというフクロウの人間臭さ(フクロウだけど)が、いいなぁ。

目次を見て、安房さんの晩年の作品「花豆が煮えるまで」も収録されていると分かりました。小学校の司書時代、たしか3年生か4年生に安房直子さんのブックトークをしてほしいと担任の先生に頼まれて、安房直子リサーチをした時に出会ったこのお話が、私は本当に大好きなんです。いつか映像化したいし、枕元にいつも置いて眠りたいくらい。「花豆が煮えるまで」については、長くなるのでこの辺にしておきます…

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↑子供の時、見つける度に、蜜を吸ってた花。

今日、この本を読んで感動したのは、巻末の安房直子さんのエッセイです。1980、90年代の雑誌への寄稿がいくつかまとめてあるのですが、「はじめてのほほえみ」というタイトルの、1980年8月号「マミール」でのエッセイが、とても素晴らしくて涙が出ました。

安房さんのお子さんが、人見知りを経て、色んなものに心を開いていくという成長の過程を見て感じたことを書かれています。最後の一文だけ、ご紹介。

「人間がきらいになるときが、私にはよくあるのですが、子どもの心に愛がめばえ、それが育っていくのをながめているとき、私は、やっぱり人間が、かぎりなくいとおしいものに思われてくるのです。」(安房直子 1980年8月号「マミール」(佼成出版刊))

ほかにも、自身の創作の仕方についてのエッセイは、とても興味深かったし、勉強になります。今後私の助けとなってくれそうで、嬉しいです。桜がくれた、このエッセイを読む機会に感謝です。

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