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ものづくり改善入門を読んで

2023年の10~12月に自己研鑽の一環として、早稲田大学オンラインビジネス講座のMBA Essentials <総合コース>を受講した。
その藤本隆宏教授の講座があり、ものづくりの現場を研究して、その改善方法と現場からみた経営戦略の在り方を説かれていた。
また、その改善方法はサービス業にも応用できるとのことであった。
日頃から知的生産における業務改善にも興味があったので、なにかヒントになればと思い、講座で紹介されいた著書を読んでみた。

藤本 隆宏 ビジネス・ファイナンス研究センター 研究院教授(FUJIMOTO, Takahiro) – 早稲田大学 大学院経営管理研究科 (waseda.jp)

Amazon.co.jp: ものづくり改善入門 : 藤本 隆宏, 一般社団法人ものづくり改善ネットワーク: 本

緻密な論理だてと、明快な切り口

先生の講座と本書の印象は、非常に緻密な分析と現場観察により、論理をくみ上げて、最後に明快な切り口まで提示されていることだ。
特に印象に残っているのが、講座で先生がおっしゃられた言葉で、
”ものづくりは良い設計を良い流れ”で作ること、これが生産性を上げる本質とのことだ。
また、最後には日本の強みは、設計や製造におけるすり合わせが強みとして、どのようにグローバル社会で競争性を持つかを論じている。
自分の仕事においては、委託業務、受注生産型、測量、設計、コンサルティングに応用には一ひねり必要でこれから考えていく。
ただ、委託業務においても、業務の設計をはじめに考えて、QCD(品質管理、コスト管理、工程管理)+フレキシビリティを意識することは重要だと思る。
また、サービス・営業においても、同様かもしれない。思案のしがいがありそうだ。
以下は、内容の要約して復習したもの。内容はいわゆる工場での生産に関して、要素に分解して解説している。

良い設計について

講座も本書も、このものづくりの良い設計を良い流れで作るということを緻密に説明している。
設計とは、市場が求めている製品(企業が提供する付加価値の具現化したもの)を作るために、ハードとソフト、機能や性能、デザインやサービスの作り方である。
良いものづくりには、良い設計の開発は欠かせない。ただし、本書では良い設計については、簡単に触れるとどめ別の著書に譲っている。
・設計とは、製品(付加価値、取引されるもの)の機能と構造の関係を示す情報であるとしている。
・最終的にものを売って売り上げるには、顧客から選ばれる力が必要であり、それは表の競争力「4P(価格、製品、販促、売場)」と生産の現場の力「QCD+F」(品質、コスト、納期)+変化に合わせるフレキシビリティ」が源泉である。

ものづくりについて

良い流れを作るための組織能力をどう構築するか。多数のルーチンワークの束を制御して調整する。この際に最終的なアウトプットである売り上げをイメージしてものを作っていく。設計、原価企画開発、原料の調達、生産、販売までがある。この辺の考え方は「ザ・ゴール」からも引用されているように思える。
製品を作る生産力の改善については、プロセス分析、コストと生産性、検査などについて記載がある。読むと気づきや考えをもらった。
ただし、万能薬の処方箋ではなく、地道な改善こそが王道と必要であると
改めて認識した。以下はメモ書き。
①プロセスの分析
・工程流れ図(人、機械、手順、かかる時間を記載)
・空間の配置によって分析
・流れを見てボトルネックの改善を図る。
②コストと生産性
 ・作業改善や原価改善が報われる会社の制度、仕組みづくり
 ・生産性は、付加価値を生まず、工夫で取り除けるムダをいかに取り除くか(手持ち、動作、搬送、段取りなど)がまず検討されるべきだろう。
 ・コストについては、原材料の価格や機能の見直しなど
③納期と工程と在庫管理
・納期の短縮と在庫管理は密接に関係している。(この辺もザ・ゴール)
・トヨタ式・ジャストインタイムは、作り置きというより、注文に対していかに丁度よい製品を作るかが肝のように理解された
・受注からのプル式の工程や注文票のやり取り、丁度良いロットの設定がされる。
④品質管理とTQCーTQM
・品質管理は、地道な検査でコストもかかる全数検査が基本で、統計的な検査もコストによって考える。
・QC活動は、職場で品質や生産性の改善を常に行う意識づけと行動が大事だと認識させられた。
・有名なQCの7つ道具(パレート図、チェック表(データの属性マトリックス、ヒストグラム、X-R管理表、属性による分析、散布図、特性要因)が紹介され、具体的な使い方の記載があった。
・また、改善について、発表のフォーマットを作るのは良いと思う。
QCストーリー、テーマ、テーマの選定理由、目標の把握、現状把握、要因分析、対策の提案、効果確認、歯止め、残された課題とレビュー。

以上は覚書なのでご興味ある方は本を購入してみてください。

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