二度目のクッキー☆の夢

 これは私ことシコ矛盾が実際に見た夢の話。一昨日、人生で二度目となるクッキー☆に関する夢を見た。一度目は自分の動画が削除されるという悍ましい夢だった。自己矛盾兄貴の言うには『作品は子供』であり、私も大いに理解できる。子供が殺される夢などたまったものではない。悲しいことに私の初投稿作品の無修正版は消されてしまったのだが。
 話は逸れたが、一昨日の夢では自己矛盾兄貴──というよりはリアルの島谷直樹が淡いピンクの私と二人だけの空間に立っていた。髪は薄く顔に皺が寄っており、ポルトガルでのインタビュー映像から見ると随分と老けていた。こう言っては悪いが、あのインタビューの若い姿がチー牛と言えるだけマシというのも頷ける容姿だった。自己矛盾兄貴本人が以前面会室で髪が薄くなったという発言がここで適応されているのだろう。
 するとVRのような3Dモニターが唐突に現れ、自分の作品が映し出されていた。しかし何故か画面はスマホのサイズほどであり、二人で見るにしてはかなり小さい。その上ソーシャルディスタンスを保ちながら見る必要があるため、画面からはかなり離れていた。夢の中ではコロナなんてないのに。慣れというのは恐ろしいものだ。しかし何故かマスクやフェイスシールドはしていなかった。やはり夢というのは所々おかしい。
 自己矛盾兄貴は私の作品、不明兄貴との決別を描いたSS風BB劇場について批評している。しかしどのような批評をしていたかは記憶に残ったいなかった。というのも、夢の中で鳴った音はほとんど覚えることができないのだ。その代わりに視覚情報は何日経っても鮮明に覚えられることがある。その日はたまたま覚えていたようで今でもはっきりと夢の中での自己矛盾兄貴がどのような表情をしていたか覚えている。
 最初は優しい顔で私の作品を見ていた。どう見ても嫌な思い出を蒸し返すような作品でしかないのだが、それでも自己矛盾兄貴は笑顔だった。その後を私と目を合わせて何かを語る。その目は真剣で目線は私のことを見ていても意識は作品の方に飛んでいた。作品の内容から察するに不明兄貴のことかBGMのことを考えているのだろう。私はこのことに、この上なく喜んでいた。この人は作者に関係なく作品を見てくれる。作者と作品を切り離して見ることもできる。それがたまらなかった。しかし、この光景をもう少し味わっていたい、と思ったところでアラーム音が鳴り私は目を覚ます。クッキー☆の夢などほとんど見ない上に夢の中で自己矛盾兄貴と語り合えたのだから本当に幸せな夢であった。可能であれば現実でも面会室で語り合いたいものだが、それは私の都合的にも不可能に等しかった。それに事情がどうであれ、私はあまり出しゃばりたくはない。そんなことはともかくここに私の深層心理で描いた自己矛盾兄貴の像を書き記せたことを幸運に思う。
 最後まで読んでくれた貴方に感謝。

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