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米津玄師2023TOUR空想

※ライブレポートなどという大層なものではなく
あくまでワタシが見た記憶と感じたことの備忘録
2公演分の記憶が区別なく混じっています
MCはニュアンスが大事で雰囲気でまとめても正しく伝えられない自信しかない為、内容を割愛してあります

プロローグ


赤い光に照らされ片手でピアノを弾くようなメロディが始まる 一音一音に合わせてライティングの細い光が降り注ぐ
音のひとつ一つに輪郭が生まれる 
照明が寒色に変わりサポメンの4人が各自位置につく 真ん中から米津さん登場
エメラルド〜ペパーミントグリーン?を少しくすませたような色のツナギ
髪はウェーブがかった額も見えるセンター分け 開幕!

1.カムパネルラ

暗い照明の中、イントロが流れた瞬間の会場のどよめき 前ツアーで聴けなかった分の期待値の高さったらない その期待の裏切らなさ
スタンドマイクで歌う立ち姿から全てが美しい
途中暗くなり、音に合わせて頭上から細いライトがひとつずつ灯り移動する 光の柱 白いライトがとても綺麗だが、ライトが消える暗闇が音とハマり曲のイメージに添う

2.迷える羊

開始2曲目にして髪の毛のセットは意味をなさぬものになる イントロで中腰で頭を振りまくり、いきなりもしゃもしゃ(クラクラしないのだろか…)
左手にマイクを持ち「千年後の〜」で右手を広げる歌声と相まり開けて抜けてゆく感覚が気持ちいい 脊椎では飛燕で感じた会場の天井を歌声が抜けてゆくような感覚をこのサビでも感じる
かっけー
最初のダークな荒ぶりからサビでの両手を広げた瞬間の抜けるような空気感 爽快感
最後スポットライトが消えたあとの暗がりでのシルエット アウトロでのカクカク落ちてゆくような何とも言えない独特な動きが米津玄師以外の何者でもなくて 好き

3.感電

最初の一音で、問答無用でワクワクしちゃう曲
「それは心臓を〜」
噂で知り見逃すまいと意気込んだダンサーに囲まれての横ピースは、目力強いパッチリバージョンと、少し照れたのか伏せ目がちなバージョン、両方を堪能 どちらも良き!
ワンワンとにゃんにゃんでのハンドサインは無ししかしそれ以外の手の動きが色々あって楽しかったよーな…   ハイウェイスターが「スタッッ!」やたら跳ねてた

4.街(1日目)、vivi(2日目)

四角いセットが頭上かなりギリギリの位置まで降りてくる 広いステージの中 米津さんの周りだけが区切られたような白く狭い空間になる
周りから隔絶されたような小さな世界 箱庭
10年以上前に多分部屋の中一人で作られた曲たち 真白な光の中で前を向き目を瞑りひとり歌う『街』を歌う米津さんの後で すってぃと中ちゃんが楽しそうに向かい合って演奏していた 
…何だか泣きそ
最後のララララ ララララララの部分、米津さんは歌わずマイクから離れる ふと後ろに目を向けるとすってぃと中ちゃんの前にマイク
歌っていたのは2人?

最後は再びセットが浮上し元の開かれた世界に
頭上のセットの下側に映し出された、ぐるぐるとペンで書き潰すような映像が印象的

街は 1番衝撃を受けたアルバムのdioramaの開幕曲として意味のある曲であり、viviは9歳の息子が大好きで4歳の頃から一緒によく歌っていた曲
この先CD音源以外で聴くことは叶わないと思っていた2曲を、今の声で聴けたことが何よりも嬉しい


5.優しい人

ライティングが赤だったことがとても意外
私の中では冷たい白か青のイメージ
ご本人のイメージとの擦り合わせが出来るのもライブの醍醐味 
終始目を瞑り、絞り出すように でもとても繊細で綺麗な声で歌い上げる
前髪が無いせいで露わになった眉を寄せて少し辛そうな表情が、この歌の歌詞とリンクして良い
癖に刺さる歌う姿

6.décolleté

モノトーンの背景を背に(スクリーンの本人映像もこの曲だけ白黒)  …色気しかねぇ
この曲でだけ下を持つハンドマイクの持ち方、身体全体で体現する艶めかしい動き、両手でマイクを挟んで小首を傾げる小悪魔さ? 少しとろんとした目つき  えっと、役者ですか⁈
ありとあらゆる色気が詰まっとったわ!
「パパとママはどこに消えたの」の の、がっ!少し上がっていて 含みを増してて好き
décolletéとプラシボの腰つきは永遠に見ていたい
あまりの ど直球な魅せ方に、なんつーか、見るものの何かを試されとる気すらした
こーゆーの見たいんでしょ?的な…
あー、、白状します すみません…  大好きです

7.Lemon

Lemonさん、今回初めて背景に映像あり?
最後は砂のように崩れてゆく教会
今までで1番神々しくないライティングで、だからこそ身の丈の感情を表現するような、優しさと哀しさがあった

「受けとめられないもと出会うたび〜」部分
脊椎オパールの前半で聴いて後半からは消えてしまい もう二度と聴けないのかなと思っていたライブアレンジ 
「横顔で」で、上手側客席に白い光で横顔のシルエット 今回注釈席にいた時にその眩しさに自分がその横顔の一部になっていると気づき少し嬉しくなってしもた(そこそこ変態)

8.M八七

Lemonの最後に頭上スクリーンに光が集まりひとつにまとまったクリスタル
エムハチでは砕けて星が流れ散る

圧倒的な歌声に合わせた会場全てを照らし広がるライティングが秀逸
「今に枯れる花が〜」で、花道先で吊るされた照明からの白く四角い光が降り注ぐ それを真っ直ぐ見つめて歌う姿に、変身でのアンビリの演出をふと思い出す
後半では、会場を鋭く貫き上へと伸びるレーザーの光の先を振り返り見てみる 青〜緑のステージに対して、ステージ正面の天井付近に暖色の波型のライティング あまり振り返り会場全体を見渡すことがないので会場のスケールと万の人の姿を見て、歌う米津さんはこの風景を見てあの場に立っているんだということを改めて感じて、伸びやかな声を聴きながらも戦慄する
最後光は真上にまとめられ収束する
ラストは背景だけでなく舞台下などステージ全体が宇宙の星空になり、その真ん中で歌う姿が絵になるったらない
エムハチはライブ会場での圧倒的な声の広がりを聴くべき曲

(MC1  マインスイーパー)


どんな瞬間よりキラキラした目をしていたのはマインスイーパーの話の時だったな、と
なめちゃくちゃ楽しそうで めちゃくちゃ早口で
めちゃくちゃ高速で瞬きし、めちゃくちゃ饒舌だった
世界一面白いゲームと言っても良いんか?!(F
Fさぁん!)
途中指先で空間にマス目を描き数字を目で追っているときなんぞ軽く狂気の瞳で、初めて見る表情だった
そしてツアーを重ねる毎にブラッシュアップしていった これはもはや、マインスイーパー漫談
コナンのエピソードを話し「いい話なんです」とまとめ顔の横で小さく拍手をする、その拍手姿の可愛らしいことっ!


9.LOSER

笑いを乗せた柔らかな口調のMCから歌詞に繋げての導入 「る゛ぅざぁぁぁぁ゛っっ!!」
バァァーンっ!!と叫ぶ声 えっ?さっき可愛く拍手してた人の何この変わりようっ?!
めちゃくちゃ頭振ってます! 対比の鮮やかさ
爆発的な瞬発力からの怒涛の疾走感 助走なく発射するジェットコースターに乗せられたように一気に会場の熱気が上がる
定番曲ではあるけれど歌い方見せ方が違う
指先がトコトコと歩き回り、ここは楽園か?で下を指差し振って否定、スーパースターで胸元のシャツをつまむ 薬指を立て、長い前髪 では指で前髪をくしゃくしゃにしてから広げた指先で髪を指す 指先を揃えた手を耳につけ澄ます ぐるりと胸を撫でる
いつもの動き 見たい動作の怒涛の供給に溺れる
声出しで「フゥーっ!」をしたくて、楽しみにしていたのだけど、今回、フゥーっ!を米津さん毎回自分の腕を上げて合図してくれましたよね⁈   今まではなかった気がする 私たちが元のライブに戻れる日を楽しみにしていたように、同じように思っていてくれたのならば凄く嬉しい

ライブでしか聴けない刹那感のあるアレンジの嵐
ラフに感情を乗せた今まで聴いたことの無い歌い方 ライブで何度も聴いたはず曲なのに、あまりの格好良さに一気に鳥肌がたつ 頭が沸き立つ
肩幅以上に両足を広げ膝の位置まで腰を落として両手でマイクを握りつぶすようにシャウトする 後半カメラマンに近づきスクリーンいっぱいに映るアップの顔 凄く悪い顔で画面を睨みつけニヤリと笑う 目ヂカラ凄っ!
そのまま下手側のセットに上り最上部でしゃがんだり柵に手をかけ身を乗り出したりの挑発
見下ろされる快感ったらない
降りる分アウトロは長め 最後にいつもの高笑いはなし 

10.Nighthawks

正直、今ツアーでこの曲が入るとは思ってはいなかった 事前セトリバレで知って意外に感じたのだが実際ライブで聴いたら以前のライブ時より大化けしていた
10周年からまたぐ今回ツアー 間奏で入る幼なじみの中ちゃんが弾くBUMPの天体観測のリフ 
そこからの →「懐かしい音楽が頭の中を駆け巡る お前は大丈夫だってそう聴こえたんだ」って、泣くでしょ
それも、街やvivi を聴いた後のこの曲って…

「あまりに綺麗だと恐ろしいから〜」で発射される銀テってっ! エっモっ!!!って言葉を初めて使いたくなりましたからっ! 中ちゃんが独り弾く時、振り返って中ちゃんを見ながら手拍子してた
沢山の人が熱狂し頭上に舞う青く煌めく煌めきに手を伸ばす、それは泣きそなくらい綺麗な光景で
その瞬間 米津さんはどんな表情でその光景を見ているんだろうと双眼鏡で眺めると、今回はがっつり目を瞑っていて…(まーじかーぃ)
僭越ながら「見て! この美しい景色を見てくださいよっ!」って思うてしまいましたよ…私は

左右のスクリーンに交互にバンドメンバーが映り学生時代の米津少年が望んだけれど、手に入れられなかった光景がそこにはあった
そんな背景が付加された結果、私の中で今ツアーを経てかなり印象が変わった曲 

11.ひまわり

イントロのギターで爆上がり 聴けた 今ツアーでも聴けた 変身で1番好きだった曲
変身では焼き切るかのように歌っていたけど今回はひたすらカッコよかった
天体観測のNighthawksからって、もぅ!
憧れた先を繋いだ曲の流れにドラマが物語がある
黄色い照明 ひまわり色の直線の光がセットの縁を素早く走り、流れてゆく
終始黄色のライティングだったが、最後ギターを弾きながら米津さんが振り返り、中ちゃん すってぃと合わせて円陣を組むようにジャァーンっ!!
その瞬間だけ真っ赤なライティング 痺れますわ

12.ゴーゴー幽霊船

ひまわりのアウトロからの音が拡散して収束する繋ぎが秀逸  1、2、3っ!!!
ひまわりで上がりきったと思ったのに更に上がるっきゃない選曲 中ちゃんが弾く狂ったギターが更に気持ちを上げてゆく すってぃと向かい合いながらギュイーンと不協和音を入れるたびに仰反る中ちゃんが可愛い
白と黒が点滅するライティング
1  2 3 4 5 6 7、8!! 数字が頭上のセットに下から映し出される 今回ツアーの演出は全体的にど正面+アリーナから見ないと体感出来ない感じが強かった気がする スクリーンが見えないだけではなく、注釈席からは見えない気づけない景色が結構あった 気づけず終わった演出がある予感しかなく、円盤を期待せずにはいられない

13.KICK BACK 

まだまだ続くんですか⁈ この全力ダッシュ?!?
血管切れない?喉大丈夫? 本気で心配になる
怒涛のアドレナリン分泌が止まらねぃ!!
真っ赤な照明 踊り狂うダンサー達 熱気
変身では見過ごした右手を伸ばしてのモミモミ ガッツリしてましたな 
赤から白一色に変わる「しやわせになりたい」タイムは、前回変身の時のネロとパトラッシュか?!的な天国に行きそな荘厳さの照明の方が好きだったかも
ふと、この曲のこの歌い方があったからこそ、今回のLOSERに繋がったのかしらと思う
ライブアレンジで「超 超 超 超 いいカンジっ!」
炎が噴き出す演出はホントに物理的な熱を感じる
あれは暑かろ 「お水飲まして」と、ストローでちぅちぅ水も飲みたくなりますってもんで
(「ま、お水じゃないんだけど(ポカリ?)」と言ってはいけません ←絶賛ジョージアプロモ中)

(MC2  空想の由来(子供時代の思い出))

14.月を見ていた

空想のMCからの流れでFFのテーマソング
月を背景に、花道で踊るソロダンサー 多分会場毎に男性だったり女性だったり
スクリーンにはダンサー越しに歌う姿と巨大な月と波 完成され尽くした構図であり、ライブだから見られた頭の中にあったであろうストーリーボードの具現化
MCでの歌を作るとき主観的より客観的という言葉がストンと落ちる

dioramaから一貫している、現実に一枚紗をかけた寓話や絵本の世界のような世界観は、基本 俯瞰で曲を作っているだろうなと思っていたが、この曲の演出はそれを体現していた
百聞は一見にしかず
光を渇望する演者越しに 月を背景に 見る姿は
美しい 只々美しい 

ただ、10年前や5年前の声ではこのドラマチックな歌声にはならなかっただろうと感じる
私はdioramaやYANKEEでの青い声を愛している
けれど、変化を選び進んだ先にある『今』も同じくらい愛している

FFを体験した上で聴いたら更に違ったのだろうと思う 少し悔やまれること

15.打上花火

背景が写実的な海からアニメーションの海に変わる 頭上のセットには弓のような細い月のシルエット
打上花火の終わりゆく夏感が好きだ
消して戻らないものを歌う、もの哀しさ
この曲も今の声だからこそより感じる、戻らなさ
間奏で背景の光のみのシルエットで浮かび上がる揺蕩うようなダンス そこから繋がるラスト
幽玄の如く「パッと花火が〜」の初めて聴く裏声でのライブアレンジ 哀愁を誘い、クラクラするほど良かった 
この曲は、誰もが共通に持つ何かを思い出させるメロディと歌声

※毎回楽しみにしているマイクスタンド握りしめ曲、今回はこちらだった(脊オパではクランベリー、変身ではペルブルに一票!)
後半の「パッと花火が」辺りから左手にハンドマイク、少し離れたところから右手でスタンドの先端を持ち、歌に合わせてスタンド先端を倒しながら引き寄せる 「離れないで もう少しだけ」で身体ごとスタンドを抱くように体重を預ける
…良きものを見せていただきました

16.灰色と青

頭上のセットには波 寄せては返す波の画
毎回疑問に思っていたのだが、ライブで灰青は毎回波の映像が入る 歌詞からはそこまで水のイメージは無いのに… それは米津玄師その人の個人的郷愁と結びついた画ではなかろうかと今回思った
戻らないものを歌う声 アルバム時の声から変わった歌声 過去を懐かしむも未来の方を向くメッセージが、何回ものツアーで聴いた歌だからこそ実感をともなって胸に響く
途中の無音な時間が好きだ 1万人以上の熱気の中、全ての人が息をころして見つめる十数秒の完全なる無音の緊張感 あまりの静けさに会場にはスモークを流す送風機の回転音だけが響いていた
それほどまでの無音 そこから一気に広がる歌声
あぁライブに来たんだなと実感する

17.かいじゅうのマーチ

ここでこの曲を入れるのか…    意外であり必然
MCでの空想のツアータイトルの由来、子ども時代に気づいた他者との壁、孤独感、空想に助けられ背中を押された話の後の14〜17の曲の流れに鳥肌が立つ 

どの歌より瞳を閉じて歌っていた 眉に感情が乗り、見たことない表情 眉に力が入っているけど優しい顔
正直な話、ワタシは首無し閑古鳥とかいじゅうのマーチの歌詞は真正面から膝を突き合わせたら涙なしでは語れない Neighbourhoodやララバイほど直球ではない代わりに、寓話的な調理で皿に乗せたが故に より素で残った絶望と渇望と希望を
10周年を跨ぐこのツアーの、あのMCからこの曲順のラストに持ってくるんだっていう…
何も言えねぃし
そこにはワタシが感じた意図などないかもしれない でもこの歌を終始目を瞑って優しい声で歌っている姿の、その背負ってきたものを勝手に想像してワタシの心臓はぎゅっと掴まれたように痛むのだ

「ありのままじゃ 生きられないと 知っていたからだから歌うよ 愛を歌うよ あなたと一緒がいい」
あのMC聴いて かいじゅうのマーチ…
そりゃ…     泣きますて

18.馬と鹿

MCからの空想、ノスタルジックな流れを断ち切るような力強い曲 歌声
ラストを締めるに相応しい安定感
花道に行く前に左右のスクリーンとメインモニターの全面に姿が映る 画面いっぱいの姿
ここまで全面に移るのは初めてだと思う
幕張Flamingoでの終始目深に被ったフード姿を思い返す
耳朶にシルバー色のシンプルなピアスをしていたことに気づく リングタイプではなくキラッとエッジが光った気がする TEENAGE RIOTのMVのピアスに似ていた TEENAGE RIOTだったら良いなと思う 色白な肌に明るい白銀は似合っている

変身の花道での演出が秀逸であったがゆえに今回の印象はそこまで鮮烈ではなかったけれど、花道先で前屈みになりながら髪を振り乱し腕を何度も地面に叩きつけるように歌う姿は、なんて言えば良いのだろうか… 現実感を伴わないアイコンとしてではなく、肉体を伴う生身の人間としての『米津玄師』を何よりも感じた
今回 眉が見えたことにより、より表情の変化がクリアになり『生身の人間なんだ』という当たり前のことにあらためて気付かされた

アンコール

19.名を知らない新曲① 『ワタシを見て』
名を知らない新曲②(横アリ3、4日のみ)

ん?何? 聞き覚えのないイントロ
歌が始まり歌詞を聴き、知らない曲と知る
アンニュイな歌声 ステージ真横上の注釈席からは足元にあるモニターに映る歌詞がよく見えた(曲名は無かった)
文字として見ると中々に不穏な歌詞で、もしコレが本人の感情から出た吐露ならば、ウマシカの鏡の上映会やロキノンインタビューで感じた心のざわつきを思い出したのだけれど 何かモチーフがあってそこから膨らませた詩だと良いなぁと思いつつ、仮にそれとしても内容と自分の真ん中にピン打ちしたもので有るならばやっぱり心配してしまう 
『ありのままじゃ生きられなくて』
『何もかも苛ついてしまうから傷つけ合うように歌を歌った』
『ずっと笑顔でいたい消えたい愛されたい』
『アナタは誰?』 『ワタシを見て』
そんなような歌詞

そんな歌を「ライブで歌いたくて作りました」と言っちゃうところが米津さんなんだわ、と思いつつも、【空想】と名づけ、MCで「ありのままでは生きられなかった」と過去を振り返り、かいじゅうのマーチを入れた今ツアーだからこそ入れた曲なのかもしれない

ツアー途中から変更になった胡座からの寝転び演出も、歌詞が歌詞なもんで少々皮肉や露悪的な意図もあるのかと感じた
両手を真横に広げ足は数字の4のような体勢で張りつけられたように寝転び「ワタシを見て」で顔を横に背ける
鑑賞のためにする展翅のように感じてしまったので、きゃー❤︎というテンションでは見られなかった
そ言えば、寝転びから起きるときに腕も使わず腹筋だけでふわっと起き上がっていて 筋力なさすぎて仰向けからは起き上がれないへなちょこは、羨望の眼差しになりましてん どうしよ華奢と見せかけて腹筋バキバキに割れてたら…

しかし、オカンかよ!な心配さえ横に置けば
曲調等、でしょましょが好きでHYPEの中断後にまた仕切り直して聴きたいと熱望している身には大変好きな系統の曲ではあったので、いつの日か音源化して表に出していただきたい
(『脊椎がオパールになる頃』は、表に出た時には結局は全然違うものになりましたからな…  )

(追記)
ツアーラスト2日では違う新曲に差し替えられていた その新しい曲②を映像に残したいというか意図ならば良いけど、まだ未完かもしれないこの曲をカメラが入る日の記録に残したく無かったからだったらどうしよ…
B面曲を愛する身にはすっげー好きな雰囲気だったので、いつか音源として手元届くようよろしくお願いします(切実に)

(MC3 中ちゃん輝くメンバー紹介)

中ちゃんがメンバー紹介をする中、「ヨネの歌声サイコーだったよね!」の時のお辞儀が可愛い
セットの後ろで座っていても立ち上がり真横に広げた腕の肘から先を九十度に上に折り曲げて、そのまま腰ごと下にペコリ パントマイムかブリキのロボットみたいなお辞儀 大層可愛いらしい
今回なら左右のスクリーンに米津さんと中ちゃんを別々に写してくれていて、両方をみたい皆の気持ちを分かって下さっておる 感謝しかない

アンコールに戻る時「あと数曲歌って帰りますっていう言い方をしてて、終わりますではなく、帰るんだ…と思う 
日々は続くのです 私たちも米津さんも

20.POP SONG

ウマシカに続いての、2局目の花道曲
終始楽しそう 花道では、変身で初めて見て言葉を失ったファンサが更にパワーアップし左右にしまくる   変身ではプラシボでふわっと手を振っていたけど今回はポプソンだったせいか両目パッチリの威力か、レーザービームの如く四方八方を指差しまくる キレがある …あれはされたら死ぬわ ポプソンちゃんにビシッと指を差された皆様、羨ましいったらない

この曲に限らずだが、曲ごとに憑依されたかの如くイントロの一瞬で場の雰囲気を変えてしまうのが凄すぎる
4テールもミニスカもタイツも履いてないツナギ姿なのに花道を歩いているのはポプソンちゃんだった 悪戯しそうな目をしている
頭上のスクリーンには猫足のバスタブやオモチャの兵隊
声出し禁止だった変身では音源だけ流れた「それもまた〜」後部分 今回は客席にマイクを向けて、会場の皆で「全部くだらねぇ!」 良き! ヨロヨロした歩き方で花道から踵を返す背中からは、LOSERではなかった高笑いがした
スクリーンには画面に溢れるほどのニギちゃんの顔 それに被さるライブで一度は聴きたいこの笑い声 ありがとです

21.Flamingo(1日目)                                            アイネクライネ(2日目)

Flamingo! HYPEの寝転び以来だ 嬉しい
モニターには脊オパに似たピンクベース逆三角形脊オパでは会場毎に違かった「あ ぁ ぁ はぃ」が今回はさらっと流れてふて腐れてない
他の会場はどうでしたかね? 

アイネさんは、日替わり班に入りましたか…と少しびっくり Lemonやアイネが特別な位置付けではなくなってきていることが感慨深い
独立せず、ツアーの物語全体を構成する1ピースになっていた
間奏ギターでの荒ぶり時は、照明は敢えて当てず背景の光からの逆光でのシルエット(打上花火も同じく)
今回ツアー、私は照明が当たらない時のシルエット 動きの美しさというジャンルの良さを再確認をしておりまする
引き算であり、想像、空想するから感じられる美しさ  これは意図してのものなのだろか

マイクに両手をかけたまま顔だけを逸らすラストを再び見られて満足しかないのだが、どの曲だ?Flamingoで合ってるよね?(ポンコツ頭めっ!)

22.春雷(1日目)
PLACEBO(2日目)

Flamingoに続き春雷! 私が喜びに咽び泣く流れ
今回私は断然初日派だ! イントロでの会場のどよめきはFlamingoより春雷
みんなが大好き、春雷 ブラボー
ビビッドな背景を背にぴょんぴょんくるくるサイコー 私は春雷の時の手の振り身体の動かし方、その全てを愛しておる!!
最後のハンドマイクを両手で包みこみ肩からまるまった猫背姿でマイクに吐息を吹き込む姿が、目に焼き付いて消えない 
襟元が左にズレやすいのか鎖骨と白い襟足の色気ったらねぃ…(中ちゃん側が好き)

PLACEBOでも出だしにぴょんぴょんくるくる
その後は終始くねくねとした動き CDでの2人で歌うパート時は男性的に感じるのだけど、ライブでのパフォーマンスはやや女性的
身体の線、腕や指先にも表情がありセクスィー décolletéや春雷ともまた違う色気
途中歌詞に合わせて左右を指差していたよーな
んでリズムに合わせて肩を前後させる動きが大変可愛らしかった記憶

23、LADY

ラストはやはりこの曲でしたか
初日セトリのFlamingo→春雷→
2日目のアイネクライネ→PLACEBO→
どちらもラブソング そこから続くLADY 
ドラマチックな終わりではなく、日常に戻るようなこの曲がラストにきましたか
盛大に盛り上がってから終わると落差に感情がついていかないヒトなもので、前回変身ではETAでの終わりの余韻が大変心地良かった
LADYも同じくで、魔法が解け日常に帰るイメージ

両手を広げヨロケ気味にバランスを取りながらも軽やかなステップ にこやかな顔 高い部分を少し辛そうに歌う姿にキュンとしている間に半年以上何よりも楽しみにしていた夢のような時間は終わってゆく
歌い終わり、「どうも米津玄師でした ありがとうございました」の言葉と膝に手をつき腰を90度曲げた深く長い長いお辞儀
去ってゆく後ろ姿 そのタイミングで背景はオープニングの夜空に戻り星空の向こうに汽車が走り去ってゆく ニギちゃんの時と一緒 魔法の時間は終わり熱気はそのままに静かに日常へとスライドしてゆく

エンドロール

開幕時のピアノの音が流れる
下から流れる文字を目で追いながら、楽しみだった時間の終わりが哀しくもあり、ありがとうの気持ちで溢れる
普段自分のことは二の次の生活の中、120%自分の好きなものを追えるライブはそんな自分への本当に唯一のご褒美だった
ライブの数時間だけでなく、ツアー発表から当落、当日を迎えるまでの全ての時間が愛おしい時間だった
ありがとう 楽しい時間をありがとう
そんな気持ちを山ほど詰め込み拍手をする

【総監督 米津玄師】

米津さんを見たい歌が聴きたいそれだけではなく、米津さんが作った歌たち世界を旅して全身で体感した2時間半だった 豊かな時間

雑記

3つのMCを挟みはするものの、前回から2曲増えた全23曲をほぼノンストップで歌い上げる
頭を振り、腰を曲げて身体全体でノリ、時折踊る
初めて見たという初参加の同行者がその体力にびっくりしていた
このパフォーマンスを体現するための身体のメンテナンスは如何程であったのだろうか
本来部屋の中で曲をつくっている方が好きと公言する中で、ファン感謝祭と位置付けるライブを24公演をこなす覚悟 むしろこちらが感謝を伝えたい場でもあるのだけれど、本当にこの『感謝祭』を全力で用意してくれているんだと感じた
ライブでの、「この場所この瞬間を当たり前だと思ってはいけない」という言葉は、私の中でも響いた言葉


歌い方、魅せ方の変化に驚いた
両目が見える! それだけじゃない全ての変化に
今ツアーでの、アレンジが違うのひと言では語れないライブならではの熱量 感情を直に添加した歌い方 以前歌声がシリアスになり過ぎていたかもと言っていたその先の進化に目を見張った
幕張Flamingoでの、常に変化してゆきたいという言葉に惹かれて私の今があるのだけれど その変化に毎回驚くし めちゃくちゃカッコよかった
初参加な友人の、「こんなによく喋るアグレッシブなおにーちゃんだとは思わなかった」という言葉に、ワタクシ早口で今までの軌跡を語るヤバいオタクになりましてよ…   それほどの変化

今回のスクリーンがとてもクリアで綺麗だった
肌の質感まで拾う解像度
使っていない時は透ける不思議な器材で圧迫感もなく、とても見やすかった
画面には以前より本人映像が映る場面が増えた気がする ダンサーと歌う米津さんという左右で分けた映像も多く、両方見たくて目が足りなかった今までだったのでとてもありがたかった
特に、MC時に中ちゃんと米津さんを常に分けてくれるのはめちゃくちゃありがたい 中ちゃんの話を聴きたい!でもその中ちゃんを楽しそうに見る米津さんも両方見たいんじゃ!!という皆の気持ちが伝わったのだろう
ありがとうリィシューさん✨


毎回感じるのはダンサーと曲のリンク、親和性
今回はダントツで「月を見ていた」
スクリーンに映し出される背景映像、足元に流れる大量のスモーク、それらを背景に歌う姿を更にダンサー越しに見る
苦悩し救いを求めるように月に手を伸ばす
画としてのインパクト ドラマチックであり幽玄

あと全体で気になったのは、ほとんどのダンサーさんが身体にタトゥー(シールかは分からない)が入っていたこと 見える場所にどちらかというとボタニカルな絵柄が多かった 以前ツアーではあまり気づかなかったものなので、これは個人の趣味ではなく何かしらの意図があってのものかしらん?と思った どうなんでしょ?


ライブはなんの曲を聴けるかもだが、どの曲が選ばれどの順番で組まれたのかを考えるのが好きだ
答え合わせはないけれど考える時間が好きなのだ
今回軽く驚いたことは、アイネクライネがメインから外れたこと
ファイナルは街〜Flamingo側のセトリだったのでメインセットは1日目の方であったのかと Lemonの位置もトリではなく流れとして入っていた
両方の曲が取り立てて特別扱いされることなく ひとつの曲の選択肢として存在することは、それ以降の曲達の強さがあるからだと思う 現状に満足せず常に変化し続けることはどれほど大変なことだろう
私が追い始めてから5年? 幕張Flamingoで初めて姿を見てからまだ5年しか経っていないことに改めて驚く 美しく鮮やかな変化だ


星空に汽車が走り、カムパネルラから開幕した今ツアー【空想】
MCで補完されたこともあり、振り返れば『空想』以外何ものでもない流れのツアーだった
暗闇から明るくなってゆくような全体の流れはもちろんだが、『月をみていた』から『かいじゅうのマーチ』までの流れの美しさ
全体を体感した後に私の中に残ったフレーズは「ありのままじゃ 生きられないと 知っていたからだから歌うよ 愛を歌うよ あなたと一緒がいい」
「また目覚めた朝に あなたと同じ夢を見てますように」 であったし、
ラストが、地に足をつけるような日常を描き「今日は昨日の続き」と歌う『LADY』であったことの意味を、暫く考えてみようと思った

そういえば、『恥ずかしくってしょうがねぇ』が入ってなかった B面曲を愛する身には悲しい
セットリストの物語性や流れを重視したのだろうか? そもそも今回B面曲が一曲もないのだな
発表曲が増えるほど、ライブでの取捨選択が難しくなってくると思う くどく毎回叫びますが
「B面曲再録アルバム下さーい」
「ひっさげたツアーして下さーい!」

MC
たまアリは9歳の息子と一緒に行った
自閉スペクトラムをもち、確固とした自分の世界を持ち周りの世界との擦り合わせに悩む彼と聴いたMC
マインスイーパーの過集中でも、空想の由来でも少年時代の話でも、ずっと私の袖を引っ張り顔を寄せ小さな声で「おんなじ」、「四季とおんなじだ」と言っていた
帰り道でも「米津さんも色々大変だったんだねー」とMCを反芻していた
5年前、HIGHSNOBIETYの記事を読んで私が感じたことと同じことを今回彼は感じたらしい
彼がいま悩んでいること、これから悩むこと、その答えがどこにあるのか 正確なんてあるのかそれすら分からないけれど、今回たまアリで大好きな人からの言葉として聴けたことが彼の中で少しでも何かとして残ればよいなぁと願う
「こんな自分でもここまで来れた」
「言えることは 生きていればいいこともあるよ」
今回の空想のMCは今の私や息子にとても響いた 出来ることならば各地のMCを全て聴きたかったなぁと思う

米津玄師2023 TOUR / 空想

神戸 神戸ワールド記念ホール
4/22(土) OPEN15:30/START17:00
4/23(日) OPEN15:30/START17:00

大阪 大阪城ホール
4/26(水) OPEN16:30/START18:00
4/27(木) OPEN16:30/START18:00

熊本 グランメッセ熊本
5/2(火) OPEN16:30/START18:00
5/3(水祝) OPEN15:30/START17:00

愛知 日本ガイシホール
5/7(日) OPEN15:30/START17:00
5/8(月) OPEN16:30/START18:00

宮城 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
5/13(土) OPEN15:30/START17:00
5/14(日) OPEN15:30/START17:00

北海道 北海きたえーる
5/20(土) OPEN15:30/START17:00
5/21(日) OPEN15:30/START17:00

福井 サンドーム福井
5/27(土) OPEN15:30/START17:00
5/28(日) OPEN15:30/START17:00

徳島アスティとくしま
6/3(土) OPEN15:30/START17:00
6/4(日) OPEN15:30/START17:00

広島 広島グリーンアリーナ
6/10(土) OPEN15:30/START17:00
6/11(日) OPEN15:30/START17:00

埼玉 さいたまスーパーアリーナ
6/14(水) OPEN16:30/START18:00
6/15(木) OPEN16:30/START18:00

神奈川 横浜アリーナ
6/28(水) OPEN16:30/START18:00
6/29(木) OPEN16:30/START18:00
7/1(土) OPEN15:30/START17:00
7/2(日) OPEN15:30/START17:00

全24公演


【セットリスト】
1.カムパネルラ
2.迷える羊
3.感電
4.街(1日目)    vivi(2日目)
5.Décolleté
6.優しい人
7.Lemon
8.M八七
9.LOSER
10.Nighthawks
11.ひまわり
12.ゴーゴー幽霊船
13.KICK BACK
14.月を見ていた
15.打上花火
16.灰色と青
17.かいじゅうのマーチ
18.馬と鹿

アンコール
1.新曲① 新曲②(横浜ラスト2公演のみ)
2.POP SONG
3.Flamingo(1日目) アイネクライネ(2日目)
4.春雷(1日目) PLACEBO(2日目)
5.LADY
※ファイナルは1日目のセットリスト
ラスト二日間のみ、小春さんとホーン隊(メルローホーンズ)がスペシャルゲスト






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