見出し画像

2021年夏旅⑫(北海道)

7月18日
昨日は稚内市の童夢温泉ってところで温泉入った。
稚内は温泉が少ないせいかかなり人が多かった。

スーパーもあるしコンビニもたくさんあるけどコンビニはセイコーマートしかない。
セイコーマートがかなり良い感じのコンビニで、セブンイレブンとかより同じ商品でも割安だしセイコーマート独自の商品も安くておいしかった。

鹿児島にセイコーマートあれば多分セブンよりこっちを利用する。
道の駅「わっかない」で車中泊しようと思ってたけど人多そうだから車通りの少ない別の駐車場で車中泊した。
夜中もずっと強風だったけど朝起きてもだいぶ風強い。

9時に稚内で多分一番大きいCITYってスーパーで買い物して、登山中に食べる分のパンと飲み物買った。
16時40分の便で利尻島に行くから12時くらいまで窓開けて昼寝してた。

寝れはしないけど真夏の晴天なのに風が涼しくてさすがに稚内だなって実感した。
だいぶ早いけどやることないから昼過ぎに道の駅「わっかない」の無料駐車場に車停めて800mくらい歩いてフェリーターミナルへ。
フェリーターミナルにも駐車場あるけど有料で1日1000円かかる。

ほとんどの人が無料駐車場に停めてフェリーに乗ってるみたいで、かなり広い無料駐車場も半分くらい埋まってた。道外ナンバーだらけで旅してる人多い。
フェリーターミナルは全体的に新しくてきれいでくつろげた。
売店のおにぎり買ったけどおいしくなかった。

定刻通り16時40分に出航。乗客は案外だいぶ少なかった。


最果ての稚内市から更に離島へ。


海鳥たちがたくさん。


稚内自体も風車と丘の街で良い感じの岬だ。

海をずっと眺めてたいけど寒くて船内で休む。


18時くらいに外を眺めに行く人が増えたから見に行ってみたら利尻島がもう間近に迫ってた。

今からあの山を登るのか…。
18時20分利尻島到着。

皆続々とそれぞれの宿に向かっていってあっという間に静かな港になった。


離島って久々だな…。
屋久島と甑島だけは行ったことあるけどなんか似た雰囲気だ。

目の前の小さな山も名所っぽくてこの時間でもたくさん人がいるのが見えた。
夕陽の名所かな?


港からの利尻山。

山頂雲がかかってるのが気になるけどまぁ夜中のうちにとれるだろ。
というか遠いな…。


夕日に染まる港町。
一日の終わりのような気分だけど今からが登山の始まり。

ヤマレコのルート表示で行ってたら旧登山道で3合目まで登ることになってちょっと後悔した。

利尻山はイメージ的に草原っぽい爽やかな登山道だと思ってたけど鹿児島の大隅の山を登ってるような鬱蒼とした樹林帯が大部分で、特に旧登山道は登る人も少ないからか草が生い茂って暗い雰囲気だった。


日も暮れた夕方にあんまり通りたくはない登山道。
3合目に甘露泉って所があって日本最北の名水百選らしく、まだあんまり喉は乾いてなかったけど水を飲んでおいた。

3合目からは通常の登山道と合流するからここからは歩きやすくなった。

残照が結構明るくて20時過ぎてもライトなしで登れて、残照がなくなっても今度は半月だけど月明りで見えるから結局5合目までライトなしで登った。

4合目半あたりでなぜか登山道に猫がいて近づくと逃げるんだけど登山道に沿って逃げるからなんかしばらく先導される形になってた。
このままじゃ登頂してしまうぞって話しかけながら登ってたけど5合目の標識あたりで消えた。
リスとかネズミとか獲って生きてんのかな?すごい猫だ。

このままライトなしで登頂できてしまうかもと思ったけど5合目過ぎてしばらくしたところで月の光が届かない影になってる登山道が続いてさすがにライト点灯。
でも暗闇に目が慣れ過ぎてしばらくはライトで照らされた登山道で目が眩んだ。

10分くらいで慣れて通常の夜登山に戻った。
6合目付近でしばらく休憩。

あんまり早く着いても夜明けまでだいぶ待たないといけないしゆっくり登らないと。


登ってきた港方向。

まだまだ写真を撮るような風景ではないけどやることないから写真撮って時間つぶす。


山頂方向。ここから見えてる頂はまだ山頂ではなかったかも。

月も沈み始めて星空がだんだん多く見えてくる。

ゆっくりと登りながら23時くらいに9合目に到着。


下を見ると意外に町明かりがはっきり見えるけど、星空を見上げるとやっぱり離島ならではの漆黒の空。

まだ山頂に着くのは早いから9合目で0時まで待つ。

避難小屋もあったけど暗い廃墟みたいな雰囲気で怖いから入らなかった。
ダニとか虫がいそうな気がする。

昨日までの強風が嘘みたいに9合目まで来てもほとんど風もなく全然寒くもないから意外に山頂で待っても大丈夫かも。
とは言っても山頂との標高差がまだけっこうあるから、寒かった場合また引き返すのもなんだしやっぱり0時までは待った。


7月19日
日付変わって0時になったから山頂に向かう。
全然風なくて安心したけど途中で藪漕ぎ地帯があって夜露で濡れた草で服が濡れた。

靴まで濡れるくらい続けばきつかったけどそこまではなかった。
服もしばらくしたら乾いてきた。

0時49分山頂到着。
満天の星空の中雲海と特徴的な山のシルエットが見えた。


雲海は多分海霧。
前日までに衛星画像を見てて気づいたけど海流の影響でこの辺りはほぼ毎日海霧が発生してると思われる。

衛星画像でなんか毎日利尻島の南西あたりから白い雲がかかってるなと思ってた。

冷たい北の海流と暖かい海流が混ざり合うところなのかな?


天の川がすごい。島以外に遠くに街明かりがないから不思議なくらい星空がしっかり見える。

風もないからほんとの無音。


何か召喚されそうな雰囲気の世界。
奥には近くに礼文島があるだけでそこから先はロシアまで何もない。
ロシア見たかったけど無理っぽいな。冬とか湿度の低い日は見えるのかな?

天の川を眺めながら写真撮ったりしてると割と早く時間が過ぎて明るくなってきた。
ライトで照らして登ってきた感じ9合目あたりまでは地味な感じの花しかなかったけど、山頂には急にいろんな花が咲きまくってたから夜明けが楽しみ。


3時20分くらい。
ミヤマアズマギクの姿がライトなしでも見えるようになってきた。

奥には雲海が押し寄せてくるような感じで棚引いてた。


早く光が当たらないかな…。

空が赤く染まってるからこれはこれで綺麗だけど。


4時16分日の出。意外に遅かった。

夏至から1ヶ月近く経ってるからそんなもんか。


雲海と本物の海が同時に見れる。

利尻島の景色もちゃんと見えるようになってきた。


朝日を浴びたミヤマアズマギクとエゾツツジ。
色の組み合わせが最高だ。

事前にどんな花が咲くか調べずに来たからこんな良い色の花が咲くとは思ってなくてめっちゃ嬉しかった。


朝陽が当たる斜面と逆側にもたくさん咲いてる。

この花の所がちょうど稜線。


エゾツツジがすごい。大雪山ではここまでの群落はなかった。

あっちはまだこれからだったのかもだけど。


エゾアズマギクとシルエットでも目立ってた岩峰。

ローソク岩っていうらしい。

雲海との組み合わせも最高でここの写真たくさん撮った。


天空感を出すためにちょっと下から。
この花自体はやや上から眺めるくらいが一番きれいだから意外に難しかった。
まぁでも充分綺麗な風景見させてもらった。

5時半でもう日差しがかなり暑くて山頂なのにありえないくらい虫が飛び回りだしてきた。
しかも他の山ではこの時間なら山頂独占状態のはずなのにもう何人か登ってきてる。さすがに利尻山は超人気か…。

帰りのフェリーが12時5分だから8時までは山頂にいてもよかったんだけど暑さと虫が酷くなってきて6時前で下山を決意した。

山頂の光景がきれいなだけにまだまだ撮れる風景ありそうだけど、暑さはともかく虫が常に写真に映るしまとわりついて全然爽やかな気分になれない。

せっかくの利尻山に嫌なイメージ付くのは避けたいから好判断だったと思いたい。


色々珍しい花咲いてるんだけどな…。


8合目と9合目の間あたりまで下りてきた。

ここもまだ虫がいるけどイワギキョウがすごいことになってたからさすがに撮らざるを得ない。


花の向き的にも雲海的にももう少し右側から撮りたいところだけど右に半歩ずれるだけで自分の影で花が隠れてしまう。

もっと日が高くなるまで待てれば撮れるんだけど暑さと虫で待てないし、その頃には多分雲海も消えるだろうし。


山頂を振り返る。
イメージとはだいぶ違ったけど利尻山さすがに凄い山だった。

何回も通えばすごい光景見れそうだけど、もうさすがに来れることはないだろうな…。


6合目あたりだったかな?
港が遠くに見える。この暑さの中あんな所まで戻るのか…。

下山中まだ7時にもなってないのにひっきりなしにかなりの人数登ってきてた。
景色の爽やかさに反して上に行けば行くほど灼熱地獄と虫の大群が待ってるんだけど、登っていってる人たちはまだ想像もしてないだろうな…。

逆に下に行くほどまだ日が当たってないせいか虫も全然いなくなって日影で快適になった。

5合目あたりからはまた気分よく歩けるようになった。
それにしても朝から利尻山の山頂でこの暑さは異常。

3合目の甘露泉まで戻ってきて冷たい水を飲んで顔を洗ったりして気力が復活した。

旧登山道は通りたくないから通常の登山道で下山しようと思ったら、通常の方はすぐにアスファルトの道路になってめちゃくちゃ楽だった。
旧道の方が距離的には短いはずなのにこっちの方が短く感じた。

道中に温泉があって、足湯が無料で入れたからちょっと入っといた。
フェリーターミナルに着く前にセイコーマートに立ち寄ってアイスと昼ご飯買ってフェリーに向かう。
イチゴのソフトクリーム食べながら歩いてなんかよかった。

いつもと全然違うこんな登山もいいな。
9時40分にフェリーターミナルに着いて出発まで2階で休憩。
さすがに眠くなってきて、念のため目覚ましをセットしてちょっとだけ寝た。

12時前にフェリーに乗船開始になったからすぐ雑魚寝できるところに行って稚内に着くまで寝転んでた。普段人が近くにいると寝れないけど2~30分は寝た気がする。

13時45分に稚内市到着。
道の駅まで歩いて自分の車に戻るとなんかほっとした。
童夢温泉で入浴してCITYで夕食買って移動開始。

天気予報見ると週間天気で21日まで晴れで、22日からはずっと曇りと雨の予報になってた。

正直さすがにかなり疲れて明後日登るべきか迷う。
でも大概一日経てば気力も体力も回復してるから、とりあえず今日少しだけ南下しておいて明日の朝決める。

幌延町まで移動して運動公園みたいなところの広い駐車場で車中泊。


7月20日
朝起きたらやっぱり気力体力とも全快してたから、去年の秋にも登ったけど雨で何も見れなかった羊蹄山を登ることに決めた。

天気予報では今日も晴れのはずだけど朝から霧雨で涼しい中運転できた。

羊蹄山まで340㎞だけど無料高速もあるし道中の海岸線沿いの道路は60㎞制限のほとんど信号のない道路だからそんなにきつくない。

札幌市に入る前あたりにCostcoがあって、すごい安いってことで存在は知ってたからちょっと昼の弁当買おうと思って入ったら完全に場違いだった。

皆見たことないくらい大きいカートをひいて歩いてるしレジもよくわかんないコンベアーで、なんか海外のスーパーみたいで怖かったからすぐ出た。レジの仕方も分かんない。
15時半くらいに羊蹄山麓の京極温泉に着いて温泉入った。
秋に来た時よりすごい人が増えてた。

夕方羊蹄山のふきだし湧水で水を汲み変えて羊蹄山の登山口駐車場に移動して車中泊。


7月21日
1時の目覚ましで起きて2時1分に登山開始。
満天の星空で今回は間違いなく山頂からの景色見れるから気分良く登れた。

7合目あたりからの朝露で濡れた草でだいぶ濡れてしまったけど、なんとか靴だけは守り切った。
ズボンびしょ濡れだったけど意外と山頂に着く頃にはほぼ乾いた。
モンベルは速乾性がすごいからありがたい。

8合目過ぎたあたりからイワブクロとか花が増えてきて、クルマユリも咲いてるの分かった時はすごい嬉しかったけど日が当たるのはまだまだ時間かかりそうだからとりあえず山頂へ急ぐ。


4時52分山頂到着。

澄み渡る青空…。

ほぼ無風で気温もひんやり心地いい最高の朝。


ちょっと暗いけど山頂からの火口の風景。


歩いてきた岩場ルート。

火口を一周するからどっちから周るか悩むところ。1周1時間かかる。


尻別岳の山頂に雲がかかってきれい。
あの山も登ったんだなって思うとなんかおかしくなる。

北海道のあんなマイナーな山を登ってるなんて。


花に光も当たりだした。
イワギキョウとイワブクロ。

どちらもイワとつくだけあって岩場にたくさん咲いてる。


ここの群生がすごい。
全体的な花の向きもちょうどいいし奥には雲海もあって爽やか。

北海道は全域にイワブクロが咲いてるのかな。利尻山では見かけなかったけど。


山頂火口の外側はイワブクロとイワギキョウがメインだった。

クルマユリは意外とない。


ちょっと珍しい感じの花。小さいヒマワリみたいな顔してる。

羊蹄山も意外にいろんな花が咲く。


山頂を振り返る。


シシウドかな?

この花が咲きだすと真夏中の真夏のイメージ。


火口周りが面白い。めっちゃ爽やかだ。


下界は京極町付近かな?俱知安町かもしれない。


完璧な雲海ではないけど、前回何も見えなかったからただ晴れただけでもほんとありがたい。いい眺めだ…。


イワブクロさん達がほんと多い。たくましい花達だ。


一部区間だけキバナシャクナゲの群生地帯があった。

この花も絵にするのはなかなか難しい…。


火口周りも3分2くらい過ぎてしまった。

残りわずかの所でようやくクルマユリが登場してきた。


さすがクルマユリ。青い空にオレンジが映えまくる。

鹿児島では夏の花と言えばコオニユリとオニユリのオレンジだからこの色がほんと夏っぽい。
羊蹄山登ってきてよかった…。


すぐ奥の少し谷になってるところが岩場ルートとの分岐。
案外クルマユリが咲いてる範囲は少なかった。

こっちルートから来てればすぐ見れたけど光待ちになっただろうから岩場ルートからでよかった。


エゾノツガザクラも結構咲いてる。ここはさすがに撮りにくい。


クルマユリは色が目立つから数輪でも絵になる。


全部がちょうどピークのような何も傷みのない咲きぶりで最高のタイミングだった。風もないから撮りやすい。

火口一周してとりあえず充分撮れたから、9合目あたりまでで登ってる間きれいそうなのがあったから行ってみる。


登ってる間はまだちょっと暗くて見間違いかもと思ってたけど、ニッコウキスゲの群落も遠くにあった。
あそこまで近寄る登山道がなくて望遠で拡大して撮るしかできない。
こういう撮り方は好きじゃないけどまぁいいか。

ニッコウキスゲは鳥海山で思う存分撮らせてもらう予定だし。
9合目までもクルマユリは結構咲いてたけどまだ日影で日が当たるのはもうしばらくかかりそう。

日が当たればどうかなってイメージしながら眺めて歩いたけど意外にどれも難しそう。

山頂火口に戻るべきかと思ったけどちょうどいい具合に爽やかに咲いてるクルマユリがいた。


真っ青な空とニセコ連峰を背景にチシマフウロウっていう青い花達の中に咲き誇ってた。

シンプルだけど最高にいい。

北海道最後の山で最後までいい風景見させてもらえた…。
それぞれの山で違う花が主役になって夏の中でも季節の移ろいを感じる。

クルマユリのオレンジの爽やかな立ち姿がずっと見てても飽きが来ない。
楽しすぎる羊蹄山だった。

暑くもなく虫もいないしこれが北海道の山だ。
良い気分のうちに7時過ぎに下山開始。


6合目付近辺りまで下りてきた。
花とか撮りながら下りてたら8時過ぎになってだいぶ暑くなってきた。
でもここから霧の中に入ってまた涼しくなった。

2合目付近あたりまでは虫もたまに蜂が絡んでくるくらいだったけど、2合目から下は急に虫が増えて蚊がたくさんいた。

立ち止まらなければ刺されることはないだろうけど2合目からは走って下山した。
9時31分に駐車場到着。

走ったせいで結構汗かいたからすぐに京極温泉に移動して10時開店直後くらいで入った。
開店直後から出待ち勢がやっぱり結構いた。

温泉上がってスイカバーを買って、休憩室で扇風機浴びながらアイス食べた。
ぼんやり食べながらこういうのもいい時間だなって思った。

セイコーマートで昼食買って、あまりの暑さにまたアイス買ってしまった…。
10時過ぎると急に暑くなってきて冷たいのが食べたくなる。


苫小牧に向けて移動中に羊蹄山を振り返ると山頂はもう雲の中だった。

秋はほとんどあの状態がスタンダードだったから今回はほんと見れてよかった。
北海道での山は全部完璧な状態で見れて最高の山旅ができた。
あっという間だったけどこれで北海道の旅は終了だ。

明日からはしばらく曇り予報の上に連休にも入るし26日までは山は登らずに休憩だ。

苫小牧市のイオンタウンで夕方まで時間つぶして、夕方海岸線沿いの砂浜の駐車場で車中泊。今日までは晴れの予報だったのに夜は霧雨だった。


7月22日
6時まで寝て熟睡してた。

外は軽い霧雨で少し暗めだったから明るさで起きずに済んだみたい。
洗濯物はまだあと2回分くらいは余裕あるけど今日は暇だしコインランドリーで洗濯。

今日は日高町のイオンマックスバリューで時間つぶし。
連休初日のわりに全然少ない。曇ってて車の中でも過ごしやすいし助かる。

明日の19時半のフェリーで苫小牧から秋田に渡る。
26日に鳥海山の予定だけど今の所曇り予報。
変わってくれればいいけど、とりあえず30日までは待つ。
でも26日以降で早めに晴れてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?