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2021年夏旅⑩(北海道)

7月12日
4時に起きて道の駅「むかわ四季の館」を出発して中富良野町に向けて移動。
しばらく雨が降ってたけど中富良野の「万華の湯」に着いた時には上空に青空広がってた。
一日中曇りと雨の予報だったけど外れてる。明日も曇り雨の予報だけど晴れるかもしれない。

同じ敷地内にあるスーパーで昼食とスイカを買って食べた。
ここ2年くらいスイカは一口も食べてなかったけど、中富良野のあちこちにスイカとメロンって書かれた旗が立てられててなんか無性に食べたくなってた。
甘くておいしいのは当然だけど食でも夏を実感できてよかった。
小学生の時の夏休みではアイスとスイカがすごい楽しみだったのを思い出す。

青空広がってくれたのはありがたいけどやっぱりかなり暑いから温泉入って、15時くらいまで休憩室で休んでから外出たら曇りに変わって気温もだいぶ落ち着いてた。
明日万一登る場合に備えてまたスーパーで夕食と明日のパンとか買って望岳台に向かった。

途中の道路でキタキツネに3匹出会った。


北海道では毎回どこかで会うけど今回は早かった。
というか望岳台に行く間の林道はたくさんいるのかも。
車でゆっくり走ってると追いかけてくる。

車から降りるとすぐ逃げて距離をとるけど車に乗るとすぐ近づいて食べ物をねだる感じ。
摩周湖付近のキツネよりは人馴れしてないけど、人間は食べ物をくれるってことだけは理解してるみたい。
北海道は飛ばす車が多いから轢かれないことを祈る。

夕方望岳台に着いたけど既に日本各地のナンバーの車中泊の車が数台停まってた。
ここも電波が通じるから天気予報確認したけど変わらず明日は曇りで昼の1時から雨マーク。

明後日14日が晴れ時々曇りでやっぱり明後日しかないか。
でもなんか気になる。

フェリーで北海道に来る日を早めたことにどうにもなんか意味があるような、思い込みすぎだとは思うけど明日登るべきな予感がずっとして諦めきれない。
22時まで寝て起きた時にもう一度天気予報見て判断しようと思って寝ようとしたけど全然寝れず。
21時半くらいに雨も降りだしてきて、ああやっぱり勘違いだったかと思って今度こそ諦めて寝ようと思ったけど寝れず…。

22時くらいに雨が止んでたから外見てみたら星が見えて予感が更に高まってきた。
でもちょっと星が見えたくらいではさすがに登れない。

登る前の条件を決めて、とりあえず「満天の星空が見えて山のシルエットが見える」ことにした。これを満たせば天気予報関係なく登る。
23時半くらいで曇ったり晴れたりを繰り返しながらようやく満天の星空になった。

あとは山のシルエットが見えれば登るんだけど月がないからはっきり見えないだけなのか、十勝岳のシルエットがどう目を凝らしても見えない。
でもしばらく見てると十勝岳の方向の、シルエットが見えるとしたらあの辺と思ってた所に流れ星が落ちていった。
流れ星自体がもう幸運の象徴のような気もしたけど、それ以上に流れ星によって山頂付近に雲はかかってないことが確認できた。

急いで準備をして23時58分に登る準備はできたけどゲンを担いで0時ちょうどに登ることにした。
天気予報を最終確認したけど十勝岳避難小屋の天気相変わらずずっと曇り予報で明日の昼から雨のまま。

でも今現在満天の星空がずっと出てるのに今も曇りマークにしてる天気予報なんて信じるわけがない。


7月13日
0時ちょうどに出発して天の川を見ながら最高の気分で登る。
街の方見ると街明かりがはっきりしてたけど、登り始めて30分くらいでいつの間にか街明かりが全く見えなくなって一気に急に雲海に変わってた。

こんなことあるのかと思いながら夢を見てるみたいな気分のまま登り続けた。
曇る気配もなくずっと満天の星空のまま十勝岳山頂へ。

不思議なくらい全然疲れず気分がいい。
1時54分に十勝岳山頂到着。

去年の秋に見た雲海がまた見れる予感がしてたけど、山頂からの光景は予感を上回ってた。


大雪山側にも当然のように雲海が広がってたけど今回は雲海の高度が高くて山頂ギリギリまで雲海が流れてた…。

しかも上には宇宙そのものと言える満天の星空。


月明りはないのに不思議と肉眼でも雲海が見えてた。


富良野岳方向はもうこの世のものとは思えない神秘的な世界になってた…。

天の川と下界を埋め尽くす雲海。宇宙を旅してる感覚…。


朝日が昇る前に美瑛岳に着かないといけないからそろそろ向かわないとだけど、さすがに凄すぎるし、ここが今回のピークな可能性もあるから30分くらい山頂で撮ってた。

気づかなかったけど流れ星も映ってた。


まだ2時半にもなってないけど東の空はこんな時間からわずかに赤味を帯びてきた。
画面左下の薄いベールをまとったようなあのなだらかな山を進んで美瑛岳に向かうから道中は霧の中だった。

最高の光景の中、今日登ってきてほんとに大正解だったことを実感した。予感は当たってた。

美瑛岳の目的のチングルマ地帯に着いた頃はまだかなり薄暗くて霧も深いしはっきりは見えなかった。
予想してたようなチングルマの群落は目につかず、登山道沿いに近くで見れる花の感じだと既に散り気味なのもあった。

どうしようと思ったけど雲海も何も見えなくなってるからとりあえず美瑛岳の山頂に向かってみた。
3時51分に美瑛岳の山頂に着いたけどやっぱり山頂も雲の中で何も見えず。

もう充分すごい光景は見れたけどこれで終わりなのかと思うと時間的に正直見足りない…。
夏の山だから一度雲がかかりだすとなかなかとれることはないのかなってちょっと諦め気分だったけど、パン食べながら山頂で待ってると景色が見えだしてきた。


しばらく何も見えてなかったから夜に見たあの雲海は幻だったんじゃないかってくらいだったけど奥にちゃんと雲海が見えてた。


よかった…。明るくなってからの光景何も見れずに帰ることは避けられそう。

あとは思ったよりもチングルマが咲いてないから、もし雲海まで見えるくらい晴れた時に備えて何か花を探しとかないとと思ってチングルマの所に戻る。


戻ってる途中で行きは暗くて全く気付かなかったピンクの花がたくさん咲いてることに気づいて、もしかしてこれすごいんじゃないかって期待が出てきた。


かかってた雲もどんどん取れだして上空の青空も十勝岳の姿も見えてきた。

チングルマ地帯に着くと、登る前には想像もしてなかったピンクの花とチングルマとの花畑になってた。


めちゃくちゃきれい…。

チングルマは少なくなってたけど代わりにピンクのまん丸い花が大群生して凄いコラボになってた。雲海とも撮れて最高過ぎる。


下山後調べてみたらエゾノツガザクラって花らしい。

こんな可愛らしい花が斜面を埋め尽くすほど咲いてチングルマも良い具合にたくさん咲いてる。色の組み合わせ的にもチングルマだけより全然よかった。


撮りたかった光景を上回る天上の花畑…。

花に着いた水滴も輝いて花だけを見ててもほんとにきれい。

水滴をまとった草すら全てが美しかった。


だいぶ花は散り気味だけど、この花束凄かった。

見頃は過ぎてても全然綺麗。


どこまでも続く天国のような花畑…。このあたりのチングルマは数は少ないけどまだまだ見頃。

エゾノツガザクラがほんっときれいで大好きな花になった。
こんないい花を知らなかったなんて。


撮っても撮っても撮り足りないくらい夢のような世界でずっといれて楽しすぎる時間。


見上げてもすごい。やばい。


登りの時にチングルマが少ないことにガッカリしてたのが馬鹿らしいくらいだ。

美瑛岳の花の時期で今が一番きれいな時だと思う。


6時くらいまで夢中で撮って眺めてた。

美瑛岳はやっぱり見せてくれたな…。ほんと優しい山だ。

ありがたくて嬉し過ぎる。


雲海が太陽の熱でまた沸き立ちだした。

さすがに今回は自然の摂理で一度雲がかかりだすともう取れることはないと判断して、最高の気分のままで下山することにした。


雲に包まれる前にエゾコザクラがあったのを思い出してちょっと撮っておいた。

さすがのコザクラもエゾノツガザクラの群落の中では色的に埋もれてしまう。


美瑛町方面の雲海はまだ残ってるっぽい。でも左側から大雪山側の雲海が押し寄せてくる。


美瑛岳の山頂はもう見えなくなってきた。


完全に雲の中で包まれてしまったけど道中にこの花がたくさん群生してきれいだった。
あとで調べたらイワブクロって花らしい。
いろんな花が咲いてほんと面白い…。

7時過ぎくらいに真っ白になった登山道で2人組とすれ違ったくらいで美瑛岳に向かう人間はほとんどいない。
十勝岳の山頂に戻ったのが7時52分だった。

さすがに十勝岳の山頂には何人かいたけど真っ白で何も見えず。
大雪山側の雲海が押し寄せ続けて完全に晴れることはないのを分かってたから、雲の切れ間で山頂からの眺めを少し撮って、パンを食べて休憩後下山。


雲の切れ間で一時だけ青空が見えるのになかなか時間かかった。

もう少しゆっくり眺めてもよかったけど老人団体が登ってきて、案の定大声で騒ぎだしたから入れ違いで山頂を後にした。


山頂は雲がかかってたけど少し下りると晴れて、美瑛側の雲海に入るまでの道中はきれいに晴れ渡っててまた雲海を見ながら歩けた。

こっちも最高にきれい。右の雲の流れ込みが大雪山側の雲海の流れ込み。


雲海も凄いけど火口からの噴煙も凄い。

あれのせいで夜は十勝岳のシルエットが見えなかった。でもきれい。


この登山道の景色も大好き。

歩いてるだけで楽しい超爽やかな山。


山頂稜線はもう今日は永遠に晴れないな…。


十勝岳を振り返る。山頂は見えてないけどほんときれい…。

秋もそう思ったけど最初から最後までずっと良い山。


我が美瑛岳も山頂は見えないけどここでお別れだ。本当にありがとう。


ここからは雲海の中に入っていく。


しばらく下ってるとこっちの登山道にもイワブクロがたくさん咲いてた。
美瑛岳付近より開花がだいぶ進んでてこんなにきれいになるのかと思って驚いた。

あっちの方が数は多かったから1週間後とかエライことになるのかな?
さすが美瑛岳だ。

山でも電波があることに気づいて天気予報確認してみたらちゃっかり晴れ予報に変えてた。
だからか今頃登ってくる人がけっこう多かった。

多分朝方天気予報を晴れに変えて、それを見て急遽登ってきた人が多かったんじゃないかな?

今日登っといてよかったって思うことがもう一つあって、下山中テン泊装備のグループが登っていってたから、明日登ってたらどんなに早く着いても一人で山を見れなかった可能性がある。

誰もいない中一人で大自然と対峙できるっていうのが本当に最高なことで、今日の美瑛岳の花畑でももし他の人がいれば多少なりとも気が削がれて感動が薄れてただろうし、グループで騒がれたりでもしたら台無しになってたと思う。
いろんな意味でほんと今日でよかった。

10時52分に望岳台駐車場到着。
寝てないからちょっと眠気がしてきそう。

着替えとかしてたらちょっと離れたところでおじさんが話しかけたそうにチラチラ見てて、出発しようとしたら待ってたかのように止めて話しかけてきた。

鹿児島ナンバーってことでよくあるから別にいいけど、話しかけてくる人皆無理やり接点を言ってきて親戚が鹿児島とかどうでもいい情報を教えてくれる。
眠くなる前に万華の湯に温泉に入りに行って食事セットコースだと900円の食事も700円で済むってことで食事セットコースにした。

温泉入ってから900円のしょうが焼き定食にしたけど肉4切れしかなくて700円でも割高だった。
昨日まで曇りって予報してた割に日中もきれいに晴れてきて北海道とは思えないくらいめちゃくちゃ暑い。

昼寝したいけどこれじゃ寝れないと思って木陰がありそうな道の駅「美瑛白金ビルケ」に向かう。
向かってる途中から雲が広がってきて着いた頃には木陰じゃなくてもよくなってたけど、17時くらいまで昼寝してた。

夕方雨が降り出して結構長いこと夕立が続いてた。
起きたばっかりだけど夕食も取らずに19時過ぎにはまた寝た。


7月14日
4時くらいに起きて熟睡できた。

天気予報では週間天気しばらく晴れになってようやく天気に悩まされることなく予定が立てられるようになった。
本州でも一気に梅雨明けが進んでるみたいだし、まさしく夏本番になってきた。

十勝・美瑛岳を元々の予定より早めに登れたから色々と余裕もできた。

次は大雪山黒岳を予定してたけど考えてみたらロープウェー人が多い山だから自然以外の所で結構がっかりすることが多いかも。

2013年の秋に一度チラッとだけ登った赤岳を銀泉台からまた登ってみようかなと思って予定変更。
ずっと晴れの予報だからいつでもいいけど15日に登る。

今日は銀泉台まで移動だけど朝から晴れて今日もだいぶ暑い。
最終のコンビニが層雲峡にしかないから夕方まで層雲峡にいて夕方から銀泉台に移動する。

雲海とかの期待できる山ではなかった気がするからなんか面白い花とか花畑が見れたらいいかな。

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