2023年夏旅⑮(長野・山形)
8月20日
昨日は夕方から雨が降り出して夕立かと思ったけど夜遅くまで降りやまなくて、土砂崩れ起きないか心配なくらいすごい降った。
朝4時半くらいに起きて外出たらすっきり晴れてて昨日の大雨なら雲海すごいんじゃないかと思ったけど、町の低い地域に雲海が出てるくらいだった。
すっきり晴れ過ぎて雲もないから焼けることもなく、写真は撮らなくてもいいかなってくらいだったから撮らなかった。
花はトリカブトが少し成長したかなくらいでさすがに昨日とあんまり変化なし。
でも1時間くらいゆっくり歩いて今日もいい気分になった。
明日は白馬村に移動だから長く滞在したけど蓼科とも秋までお別れだ。
夏の一番暑い時期を快適に過ごせてほんと助かった。
数えてみたら今日含めて15日間ここで車中泊してた。
他の時期じゃこんなに同じところにずっといるのは無理だけど、山に登ってもあんまり花がない時期だからのんびり同じところに滞在できた。
8月21日
蓼科最後の朝も清々しくてきれいな朝焼けが見られた。
雲海は町の低い所に出ててその上に更に雲海が流れてきだしたけど広がる感じではなかった。
秋の綺麗な紅葉の時にまた雲海見せてくれることを期待して白馬村へ移動開始。
安曇野市のしゃくなげの湯で温泉済ませて食料買って猿倉登山口へ。
登山口までの移動中はずっと暑くて真夏に逆戻りしてる感じだった。
猿倉登山口の標高は1420mみたいだけど、夕方着いた時点ではあんまり涼しくなかった。
窓開けてれば寝れそうな気温ではあったけどちょっと蚊がいる感じで全開にはできなかった。
八ヶ岳も立山も花はトウヤクリンドウくらいしかなかったから白馬岳も花はあんまり期待できないだろうと思って、今回はちょっと遅いスタートでもいいかなって思った。
いつもなら23時くらいに目覚ましセットするところだけど今回は2時にセットして寝た。
8月22日
窓を少し開けてたからか1時前くらいにちょっと寒くなってきて目が覚めた。
3時くらいの出発でもいいかなって思ってたけど、ゆっくりと準備済ませても時間早かったから結局1時52分に登り始めた。
夜中なのにようこそ大雪渓への石碑まですごい暑くて、町は熱帯夜だろうなってくらいだった。
一応アイゼンは持ってきてたけど雪渓を歩く所はもうほとんど無くなってた。雪渓の上を歩く時だけは急に寒いくらいの冷風だった。
雪はカチカチに凍ってたけどアイゼンは不要で普通に歩いて登れた。
短くなった雪渓を登り切って振り返ったら雲海ができ始めてて朝焼けがきれいだった。
この辺りからはさすがに気温も低くてちょうどいい涼しさになった。
めっちゃ暑かったから雲海は無いだろうと思ってたけど、標高高い所との気温差が大きいからかしっかりした雲海ができてきた。
3時起きだったら全然間に合わなかった。
朝日の時間に雪渓の上の花畑エリアまで来れたのは良かったけど、さすがにこの時間じゃ明暗差が大き過ぎて逆光の条件じゃ撮りづらい。
しかもなぜか小さい虫がすごい飛び回ってて、写真に写り込んでくるから諦めて上に行くことにした。
でも花があるのが分かって凄い嬉しかった。
20分くらい上に登ってきたところでトリカブトがめちゃくちゃきれいに咲いてた。
前回登った時に咲き始めてたトリカブトを1輪だけ見かけたから居るのは分かってたけど、期待を超える綺麗さでめちゃくちゃ咲いてた。
朝露のびっしりついた草の中に咲くトリカブト達。
それだけでも超爽やかなのに奥に雲海もあって最高…。
虫もいなくなってめちゃくちゃ楽しくなってきた。
想像もしてなかった光景…。
完璧過ぎる。花も草も逆光で透過して最高に綺麗。
重いから三脚は置いてこようかと思ったけど、念のため持ってきて大正解だった。
真逆光だからハレギリで片手しか使えなかったから、手持ちで撮るとカメラブレとか水平ずれとかで失敗しまくって1枚もまともなの撮れなかったかもしれない。
あまりにも綺麗で夢中で撮りまくった。
拡大して見ても完璧に撮れてること確認して安心した。
反対の山側のトリカブトも最高に綺麗で花の多さは圧倒的にこっちが多い。
雲海が終われば落ち着いてじっくりこっちを撮りたいけど今は雲海が気になる。
トリカブトと同じかそれ以上に咲いてたミソガワソウって花も何とか雲海と撮ってみた。
ちょっと背の高い花だから花で太陽を隠せばフレアも出ないかなって思って試してみたら狙い通りになった。
ここでもっと粘って撮り続けた方がいいか迷ったけど、画像を確認してとりあえず心残りは無いはずと思って稜線まで登ってみることにした。
稜線まで来ると登る前に思ってた通りトウヤクリンドウが咲いてた。
良い花だけどこの花一択だとちょっと寂しかったから色んな花が咲いててほんとありがたかった。
前回クルマユリの花畑がきれいだった旭岳が今回どうなってるのか気になるけど、まだ雲海がもちそうというか更に綺麗になってきてたから杓子岳に向かって稜線を進んでみることにした。
丸山って所を越えて少し進んだところで稜線上にもトリカブトが咲いててくれた。
やばいくらい絵になる…。
雲海も更に広く見渡せて何もかもが別次元の美しさ。
青空のような色のトリカブトがほんと爽やかでこの天空の世界に最高に合う。
八ヶ岳とか何だったんだろってくらい全然別格の光景。
白馬岳とはほんと相性がいい。嬉し過ぎる。
トリカブト以外も花なのか草なのかちょっと秋めいた色の植物も咲いててきれい。
自分が撮ったとは思えないくらい移り行く季節も感じられて全てが味わい深い…。
トリカブトは元から好きな花だったけど今回で更に愛着が増した。
チングルマの次に好きな花になった。
杓子岳までは行かずにここでずっと眺め続けてた。
トウヤクリンドウも雲海と撮ってみたけど、この花は雲海って感じではないかな。
もっと別の風情が似合いそう。
ナデシコと一緒に咲いてるトリカブト達。
パッと見はカラフルだったけどごちゃついてて難しかった。
まだ咲き残ってたコマクサもいた。
最初に通った時は気づかなかったくらい色褪せ気味だったけど、よく見たらまだけっこうきれいだった。
雲海もだいぶ形が崩れてきたから当初の予定通り旭岳に向かってみる。
リンドウはいないのかなって思って探しながら歩いてたらちゃんといてくれた。
初秋といえばリンドウと思ってたけど、今後はトリカブトの時代かな…。
旭岳のクルマユリの花畑地帯はどんな花に入れ替わってるかと期待してたけど、意外にほぼ何も咲いてなくてかろうじてタンポポみたいな黄色い花が少し咲いてる程度だった。トリカブトもいなかった。
さっき雲海を見てた稜線は雲が立ち上がってきてた。
標高は高いけど気温は若干暑いくらいで9時半だけどそろそろ帰らないと下山が灼熱でかなりきつくなるかも。
大雪渓の上の花畑地帯まで戻ってきて、他にも秋の花無いか探しながら下ってたら見たことない花が咲いてた。
色的には秋の花らしい気もする。よく見るといい花の形してる。
でもまだ咲き始めで少なかった。
雲海も終わってようやく落ち着いてここのトリカブトの花畑をじっくり撮れる。
奥までびっしり咲いて草原を青く染めてる。
まさかこんなに咲くとは想像もしてなかった。
ほんと良い色…。見惚れる。
肉眼ではめちゃくちゃすごいんだけど写真にするとかなり大きくプリントでもしないとなかなか伝わりづらいかも。
奥まで埋め尽くしてるんだけどな。スマホでも撮ったけどスマホじゃ全然だった。
トリカブトの青がスマホではちゃんと出せない。
もう来れることもないだろうからかなり撮った。
白馬岳とは相性がいいから紅葉の時期も来てみたい気がしたけど、赤く染まる紅葉はあんまりないような気もした。
でも想像を超えてくるのが白馬岳だからな…。タイミングが合えば来てみたい。
他の山ではトウヤクリンドウくらいしかないって時期に、ほんと凄い山だ。
波打つ草の中に咲くトリカブト。この色合い何度見ても撮りたくなる。
心残りは無いか自問して多分ないって思えたからカメラをしまってしばらく下山に専念。
雪渓を下りきるところまで戻ってきた。
もう雪渓歩きはこれだけしかない。多分200mもないのかな?
紅葉の時期には完全に消失してるのかな?
炎天下の下山になるかと思ったけど、山の上部が雲に覆われてくれたおかげで下山も快適になった。
上でのんびりし過ぎたと思ったけど助かった。
歩ける雪渓地帯は少ないけど雪渓自体はまだまだ下まで残ってる。
雪渓があちこち崩落しまくってたからもう歩くには危険ってことかな?
ここの部分の夏道を初めて歩いたけど結構急で歩きにくくて雪渓の方が歩きやすい。
だいぶ下まで降りてきたらまたちょっと変わった花が咲いてた。
ちょっと南国風な気もするけどこれも秋か晩夏の花かな?
上にも咲いてたけど撮り逃してた白くて細長い花。
秋の花って感じはしない。青空が似合いそう。
12時10分に駐車場に帰り着いた。
夏の終わりの締めくくりにふさわしいような最高の光景見られてよかった…。
今の気分に合ってるような心に残る風景だった。
道の駅美麻で温泉入って灼熱の長野市を走って夕方志賀高原に到着。
蓼科ほどではないけど涼しくてほっとした。湧き水の所で車中泊。
8月23日
朝起きたら弱い雨が降ってた。
とりあえず今日は月山の8合目駐車場まで移動する。
今日は雨で涼しい中運転できるのかと思ったけど、雨は山だけで平地に下りるとめちゃくちゃ快晴だった。
平地は快晴で山の上部だけ雲がかかってるから昨日とは真逆っぽい。
景色的にはいいんだけど今日は久しぶりに350㎞くらい運転しないといけないから快晴はきつかった…。
休憩を多めに取りながら移動したかったけど新潟県の平野部は木陰すら全くなくて、車を日影に停めて休憩できるところがなかった。
長い休憩はとれなかったけど空は真っ青でぽっかり浮かんだ雲とかがずっと綺麗で、意外に気分だけはずっとよかった。
特に笹川流れっていう海岸線あたりは凄いきれいで最高だった。
でもあまりの暑さに外に出る気になれずに通り過ぎただけだった。
秋にまた通りかかることがあれば夕景で撮ってみたい。
夕方ゆぽかっていう温泉行ったけど暑いからシャワーだけで済ませて、18時くらいに月山の8合目駐車場にようやく到着。
下界では16時でもまだ33℃の温度表示で、上に行ってもそんなに冷えてないんじゃないかって心配だったけど杞憂だった。
標高1400mらしいけど長野の標高1400mの所よりだいぶ涼しく感じた。
今回は車中泊のために来てるから月山は登る気はないけど、せっかく来たから明日の朝は弥陀原だけ少し散歩しようと思う。
8月24日
4時くらいに起きた時に特に雲海もないし朝焼けも特になさそうだったから、だいぶゆったり準備してから弥陀原の散歩へ。と思ったんだけど弥陀原だけだと10分で終わっちゃうから山頂までは行かないけど景色の良い所まで歩いてみることにした。
すぐに爽やかな草原と池塘の風景見れるから月山はめっちゃ好きなんだけど、今朝は6時でもう暑い…。
気分次第でなんだかんだ山頂まで行ってしまうかもと思ってたけど、もう引き返したくなるくらい暑くなってきた。
でも草波はきれいだから秋の風景を探して、太陽をタオルで遮りながらゆっくり歩いた。白い花がポツポツ咲いてたけど秋の花かは不明。
微妙に色づいた草の中にウメバチソウが咲いてるの見つけた。
ちょっと遠くてさすがに花が小さすぎだけどいいヒントをもらえた気がした。
この感じでもうちょっと花を大きく撮れて5~6輪咲いてたらいいかも。
池塘に写り込む草原がめっちゃ爽やか。
暑さで引き返そうか迷いつつも花を探してたら結構登ってきてしまった。
ハクサンシャジンだと思うけどまだたくさん咲いてた。7月でも見かけたから夏の花だと思うけど花期が長いだけかな?
庄内平野と日本海が割としっかり見えてきれいだった。
途中で山小屋か避難小屋みたいな所があって、そこを越えてしばらく登ったところで紅葉したらきれいそうな風景を見つけた。
秋にもし登ることがあればここから撮ってみたい。
小朝日岳と同じくらいの緯度と標高だから小朝日岳の次くらいに登ればいいかな?
ここを発見できただけでも暑い中登ってきてよかった。
もうしばらく進んだところで暑すぎてもう引き返した。
花を撮ってる間だけは暑さが気にならない。
このリンドウが見たくて暑い中奥まで歩いて行ったんだけど、まだあんまり咲いてなかった。
さすがにリンドウは完全に秋の花だからまだかな。
登山口近くまで戻ってきた。
池塘に何かいると思ったらオオサンショウウオが泳いでた。
狭い池塘の世界だけど大海を泳いでるように見えて、この子から見えてる景色が見てみたい気がした。
池塘の淵に赤トンボが羽を休めててカメラを近づけても全然逃げないから撮らせてもらった。
最初は下の草の方に止まってたんだけど、この花の方に止まるよう念じてたらここに止まりなおしてくれた。
真っ青な空を写した池塘にトンボの赤がすごく映える。
透明の羽もきれいで思いがけずめちゃくちゃきれいな光景撮れた。
今回は写真的には期待してなかったのに結局かなり思い入れ深い写真を撮ることができた。ありがたい…。
大満足で車に戻ったけどまた灼熱の下界に下りないといけなくて、ここ数日は昼が憂鬱。東北なのに異常なくらい暑すぎる。
ゆりんこっていう温泉近くで日影の駐車帯を見つけたからそこに停めて、休憩室で2時間くらい寝転がってゆったりしてた。
ここの温泉は休憩室利用料が別途220円かかるからもうちょっと長居してもよかったんだけど、狭い和室におっさんが2人くらいイビキかいて寝てた。
周期的にフシューッってはっきりとした発音でイビキかいてて、それが気になってスマホゲームに集中できなかった。
何十秒周期なのか数えてみようかとも思ったけど知ってどうするって気がしたからまだ15時半で暑いけどコインランドリーに洗濯しに行った。
洗濯済ませて鳥海山の鉾立展望台まで移動して車中泊。
今日は暑さのせいでアイスを3回食べてしまった。
鳥海山の鉾立展望台は標高1150mで昨日の月山の駐車場より標高低いけど、夕方時点で気温は昨日より低く感じた。
快適に寝れるかなって思ったけど窓を閉めると微妙に暑くなるからちょっと開けてたんだけど、しばらくしたら蚊が入ってきて悩まされた。
最近トンボ先輩がだいぶ減ってきたせいで蚊達がすごい調子こいてきてる…。
今更だけど虫コナーズとかいうのを買った方がいいのかな?
でも明日フェリーで北海道渡るからもういいか。
ネットでフェリーの予約済ませて早めに寝た。
8月25日
2時半にセットした目覚ましの前に自然と目が覚めてフェリー乗り場に向かって久しぶりに夜中の運転。
車通りのほとんどない深夜の運転は独特の雰囲気で結構好きなんだけど今回の旅ではあんまり機会がなかった。
5時過ぎに秋田港に着いた。早朝なのに道路の温度表示は26℃で熱帯夜だったみたい。東北ですら今の時期平地で車中泊は無理っぽい。
北海道も猛暑らしいけど週明けから雨を境に秋の空気に入れ替わるらしいから、ようやく暑さとの戦いも終わって体感的にも秋を感じられそう。
北海道着いたらまずニペソツ山って所登ってみたいなとか色々考えてたけど、しばらく雨マークだからやっぱり居心地の落ち着く十勝地方に行く。
まず美瑛岳の花の移り変わりを見に行こうかな。
何も咲いてない可能性もあるけど。
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