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スピンオフB 制作後記

2021年12月25日0:00より各種DL/サブスクサービスにて配信開始になった上記EPについての制作後記です。
最近書いた記事と似たような感じで、提供というより共作って感じだったのもあり何となく筆をとってみた次第です)

①制作経緯・コンセプト

アザミさんとは2年くらい前に高峰伊織さん経由で知り合ってから、前回はスピンオフAというEPを作っていました

・社交辞令じゃなくマジで「またなんかやりましょう」で解散していたので、もし曲ができたら歌っていただいてリリースできないかなぁとか思っていたところ、数曲形ができてきたのでそこから本格的に始動した感じです
・プロジェクトのスパンとしてはほぼ1年くらいかかっていて、20年年末にスピンオフAをリリースした直後くらい(21年2月頃から)曲の制作やガントチャート設定がスタートしていたと思います
・大きく「バンドサウンド風曲(M1~3)/シンセ入ってる系曲(M4~)」の2種で曲調が分かれてきたので、順番をどうしようかとは思ってたんですが最終的に今の曲順になりました
・制作中終始イメージしていたのはスピンオフAのコンセプトとあまり大きくは変わらず、「アザミさんが個人リリースだとあまりやらなさそうな感じの曲を文字通り”スピンオフ”で作ろう・やろう」です

②各楽曲雑感等

M1:MeiteiKurage

昨日の残像が胸に染みる とりあえず火をつけてみたって吸いたくもないのにさ 視界の輪郭がやけに揺れる 蘇る力すらなくなって “死んでる”と同じだ やるべきことやれなくてたまってきちゃって 暗い水の中頑張ってただ酔っているの×2  忘れちゃっているの ただ濁った感情が海に沈む 繰り返す 同じものを食って味なんてないからな 異様な光景を夢に見てる 問いかける言葉すらなくたって生きる 空中で漂っているの×4  頑張ってただ酔っているの×4  忘れちゃっているの

・割と制作終盤でできた曲で、渋谷系バンドサウンド風なイメージの曲です  MeiteiKurageとMakuai以外の曲が時期的には先に出来上がっていたんですが、Monotoneの曲調・編曲だけ少し他の曲と比べるとシンセが少なくて浮いちゃう気がして、バンドサウンドっぽい曲も入れようと思って作り始めていました 
・アザミさんは今年9月末頃に2回目のワンマンライブを開催していましたが、そこでアクトしてもらった曲です

・「同じ歌詞・メロを何度も繰り返すような曲を書いてみよう」という意識があって作詞や作曲をした覚えがあります 他の曲も割とそうなんですが、酒の失敗を未だに繰り返してしまうので、そういった歌詞ではあります

・参考曲としてたまこまーけっとのOPや星咲花那のわたし色ワンダーランドがあります

・バンドサウンドっぽい編曲は難しいなぁ(楽器が弾けないので)と思いながらも明るいポップスになったので良かったと思います

M2:Monotone

もうダメになっちゃった また 欲しがりすぎたんだ 価値を求めてたって仕方ないからな ん?これは何なんだ 散々な暮らしに慣れちゃって 要らないけど酒を流し込む午後だわ 渇いた心を癒す魔法だとかはいらないかな 小指のささくれ 千切ってしまえ ふざけた理由は捨て去っておいで ひとりきりでは変われないからどうにもなんないわ 閉じた目の中に浮かぶあの日のパラサイト 空は雨の色 どうなったって信じらんないな 待ち焦がれて軋んだ心が 強く唸る時もある 後悔なんてしたくはないな 繰り返す日々だったって いつまでも嘲笑いながら 嫌(や)なことだらけの日々にやる気だとかはいらないかな ぼやけた記憶の君って良いんだね  理想の自分にちぢこまってられないで 立ち止まってられないで 忘れ去っておいて ふたりきりでも変わらないからどうにもなんないや 控えめな思想に巣食ったあの日の感情を 空は雨の色 あぁ わかってないな…

・アザミさんの個人リリースだとマイナーキーの4ビートっぽい曲はあるんですが、メジャーキーの4ビートはあまりないというか、歌ってくれたらよさそうだなぁとかねてより思っていたので作った曲です

・制作期間が長かったので、その間にドラムの音源を買ったりして差し替えとかいろいろしたんですが、これもバンドサウンド風(? もはや定義がわからないんですが)な楽器編成なので編曲が難しかったです(特にブラスセクション)
・参考曲としてOSTER Projectの他、高須クリニックのCMを実家で見たときにこういう曲作ってみたい・みようと思った覚えがあります


M3:Makuai

雨の匂いは指先で記憶をかき混ぜて 人の群れ 苦手だから嫌だな
昔のことが星の海に漂う 溜息ってさタバコの理由なのかな
ぬるい気温は流れゆくひと時を溶かして 悩みごと膨らむから嫌だな
殺めた夢が物悲しく囀る ひとりぼっちは小さな傷なのかな

・アザミさんのこれまでの個人リリースでガチガチのバラードはあまりイメージとしてないので、歌ってくれたら絶対いいだろうなぁと思い作った曲です
・個人的にMekakushiの曲が好きで、イメージそんな感じで参考にしました

・個人的にMakuaiはかなりお気に入りの曲で、アザミさんはこういうバラードも合います と思います

M4:SundaySoda

Hello こんばんは 夢の中でいさせてよ まだ 白いミルフィーユ 溺れるの Love U 私眠れてないから 嗚呼 ねぇ いちごクレープに うずもれてたいの 辛い1日にゲロ甘パフェ ないもの全部 溶かして sweet sweet   ちょっと待ってよ 眩しく光るゼリーは甘い甘い蜜のTasty check、こっち向いてよ 捉えた視線を 嗚呼 離さないで YES、本気なんだよ 小さな幸せプリンも当たり障りないの別に えっ、どうかしたの? 抑えた気持ちのまま変わらないで Adieu 散らかった部屋の中で見られても Nyao …冗談さ 手放しに信じられたいの 全て投げ出して麻薬をチャージ ありもの全部 壊して skip skip ちょっとだったな 長らく続く世界に淡い淡いkiss me baby は?調子乗んなよ お洒落な愛しの 嗚呼…

スピンオフAの要素を継承するような曲が1曲欲しいと思い作った曲です
・自分は基本暗い歌詞を生成しがちなんですが頑張って明るくしながら作りました
・サビ前の転調をゴルスパ転調と個人的には呼んでいます

JerseyClubみたいなリズムを使った曲を作りたいなと思って作った覚えがあります

M5:Kumorinohi

ふと湧き立つこの気持ちはわからんで結構 昨日と変わらない今日もイライラしたって終わらない 痛みで目が覚める Lululu… こんだけ怠いのは飲みすぎだから 眠れてないから ひとりでに泣いてたってさ 確かな手触りが気まぐれじゃないなら まぼろしじゃないから 曇りの日だって萎えてさ このままじゃダメなの ふと感じるこの痛みは知らなくて結構 とろけた日が落ちる Lululu… ほんとに怠いから 星屑を切って貼って雨上がりのがらんどう 止めてくれよ 終わらせてくれよ 散々だな 狂おしいから 愛おしくなったな  差し伸べる手も無くてさ 明日の手触りは したためてないから キラキラじゃないから わたしだけじゃないってさ

昨年末のVIRTUA FREAKのコンピで作った「終わらない」という曲があるんですが、そんなイメージの曲もまたあるといいかもと思い作った曲です

・制作途中で「男女ツインボーカルの曲にしたら良さそう」と思い自分で歌ってみたんですが、そもそもメロが歌うの難しすぎるし自分のボーカルの録音環境があまりにも終わってるし歌下手でピッチ補正とかの問題じゃなくヤバかったので、アザミさんの声をオクターブ下げて重ねることにしました
・いきなり転調を何度かする曲で、こういう転調を”いき転”、ないしは”エロゲソング転調”と個人的に呼んでいます

M6:しごおわ

明け方の4時この東京に繰り返し流れてくる .jpg
思えば早めに寝た気がするし目が冴えてもこのまま朝を迎える日 ピリピリと鳴くアラームにうんざりする午前5時 185mlのジュースで喉の渇きは潤せないかな 嗚呼 冗談だよ 嗚呼 まだだったよ お酒飲むデスクはお家にないです しごおわ・即時・眠りつくんです 変な時間に流し込むユンケル 気付けば無くす意識は分裂 リセットしてリスタートしたら淡々と続く日々は散々だが こういう道嫌いじゃない 期待したって 何にも変わらないから

・もともと自分のSoundcloudに作ってあげていた曲なんですが、アザミさんに歌ってもらえたら浮かばれるだろうなと思い収録した曲です

・HipHopなRapというよりPopsの文脈で細かいリズムのRap風メロを書いたんですが、アザミさんはタイムがめちゃ良いし、Popsの文脈でラップ風メロを歌うことはアザミさんの得意領域だと個人的に認識しています

M7:涙のある街 鹿あるくRemix

今年5月初旬頃にアザミさんがアルバムリリースしておりましたが、その中の収録曲をRemixしてます アルバム聞いて、個人的にビビっと来たので制作着手しました

・このRemixの制作当時、MarprilのRemixコンテストで何となく作風が1つできてきたので、そんな感じのサウンドも入れとこうと思って作った覚えがあります

アザミさんの2ndワンマンライブでギタリストの方が弾いていたイントロリフをRemixに含めています

M8:ラストシーン 鹿あるくRemix

・原曲はアザミさんのデビュー曲で、クラブユースできそうな感じの親があったらおもろいかなぁと思って制作着手しました

・クラブユースできそうな感じ、と言いながら自分はほとんどクラブに行ったこともなければDJもしたことないので想像ではありますが作っています
・MoeShopみたいな4つ打ちをイメージしていて、リリースカットピアノの使い方などを参考にしました

③おわりに

・スピンオフAとはだいぶ毛色が変わったアルバムになっていると思います
・初作のコンセプトはどちらかというと「コンセプトとかまぁ後付けでいいからやりたいことやろう・とりあえず作ろう」っていう雰囲気が強かった気がしますが、今作は「アザミさんがこれまで歌ったことがない曲を文字通り”スピンオフ”で作ろう・やろう」とか「自分があまりやったことないこともやろう」の意識が強かった気がします
・アザミさんは前回EP制作の時と同様にボーカルリテイクはいらないテイクを上げてくれるので本当にありがたいです
・もしスピンオフCが出るとしたら曲数を出さずにちょっと絞っていこうかなとか思っています

(書いて思ったのは制作後記というより雑感の方が適切に思います)

以上