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大人計画

最近主人公が記憶を失うドラマで医師が放ったこんな台詞があった。

自転車や逆上がりなど、幼い頃あたりまえにできていたことは時が経っても体が覚えているんです。これを手続き記憶といって......

私は少しひやっとした。
やっぱり自転車に乗れることはあたりまえのこととされているんだ...

数ヶ月前、ハワイの行動計画を立てていたときのことだ。

「ここは交通機関よりレンタルサイクルの方が効率がいいのではないか」という意見が上がった。

だが、私は断固として、
「いや、交通機関の方が早いと思います!」
と言い張った。

自分でも自転車に乗れないことは恥ずかしいことと潜在的に思っていたのか、乗れないことは敢えて伝えずに主張を貫いたのである。

なんと見苦しい。

私だって本当はワイキキビーチを自転車で駆け抜けて風を感じたかった。
ハワイでなくても、東京のそこらにあるLUUPを
乗りまわしてみたい。

自分の努力不足でやりたいことを我慢するなんて
良くないことだと思い、今年中に自転車に乗ることを目標にした。

だが厄介なことに、一人で始めるのはなかなか難しい。補助役が必要なのである。

それを買って出てくれたのはバイト先のシェフと
大学生である。

バイト終わりの23時、お店前の道路15mを
シェフの自転車で往復する日々である。

有難い。本当に有難い。

24歳、大人計画のはじまりだ。


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