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システムチェンジコレクティブ事業、ただいま選考中。メンバーが感じたこと

SIIFのSystems Change Collective事業において、機会格差及び地域活性化をテーマにし、根本的な課題解決を共に図る協働パートナー様の公募を10月から約1か月間公募を行い、大変多くの方々からご応募をいただきました。
 
現在、書類選考を終え、メンバーは各社の応募要項を拝見しながら、面談を行うなどの選考を行っています。そんなSystems Change Collective事業のメンバーに、選考中の現在、感じたこと、選考する難しさなどを聞きました。

当初目指していた選考の視点から、何か変化した部分はありますか。それはどのような視点でしょうか。自分の中での変化があれば教えてください。

判断基準の視点

判断基準の枠組みそのものに、大きな変化はありません。ただ、実際に頂いた多くの案件を拝見している過程で、解像度は上がった気がします。例えば応募者が取り組まれているシステムチェンジを拝見しているなかで「そもそも我々が目指しているシステムチェンジとはどういうものなのか?」という議論が起こる、応募いただいた案件の中で類似の取組があった際に「AとBの違いをどう考えるか?」という過程を経て、より検討の視点が深まったなどです。

全国各地の取組への理解の深度

今回の公募に応じていただいた皆さんが取り組んでいる社会課題はいずれも非常に複雑です。各団体が取り組んでいる社会課題の構造、打ち手の意義や効果についての仮説を持ち、現場感覚との距離を自覚しながら、共に「課題の根治」を目指せる協業のあり方を模索していきたいと思います。また、今回の公募を踏まえて、公開済の「ビジョンペーパー」で初期的に行った課題構造分析やTheory of Changeは改訂したいと考えています。
各団体の皆様はそれぞれ、①ご自身の原体験に基づき、② 大きな視座をもって社会課題を俯瞰・深掘りし、③ その上でファイナンシャルリスクを取り、その解決策を実装されています。当事者の皆様しか見ることのできない景色があり、そのことの重さを再認識させていただきました。一見、申請書の書面上から、すぐに理解の及ばないことについても、そこで思考を止めるのではなく、その「行間」に含まれる事業実装の「文脈」について理解をすることの難しさ・重要さを学びました。

社会課題への理解の深度

多種多様な社会課題の解決に取り組まれている皆様の取り組みを拝見する中で、根本的な課題の発生源にどれだけ刺さるものなのかという視点でとらえようとすると、おのずと社会課題への理解の深さが必要となりました。同じ領域の社会課題に取り組まれている事例も多く、共通点や差異などを確認しながら選考を進めていくことで、社会課題の深さを学ぶことにも繋がりました。
その他、例えば地域での事業承継を増やすという事業は複数ありましたが、なぜそれが必要か、事業承継を増やす方法でも承継の主体者とはならずにプラットフォーム型でやる場合と、グループ会社化する等で主体者となる方法があり、それらのメリット、デメリットは複数のご応募を吟味する中で理解が深まった面がありました。
また、ともするとご応募内容自体やご応募事業者の方の強みや弱みについての情報が具体的で想像しやすいことから、協業検討における議論もそれらに傾きがちでしたが、一歩下がって、そもそも何のシステム課題を解きにいこうとしているのか、ご応募内容を超えて誰がどういう動きをすればシステムに働きかけられるのか、といった根本的な課題解決についての議論に立ち返るようにしていました。抽象的な議論ですし、現地にいったり、受益者の方の声を聞いたりしないとわからないことが多い中、苦労している点でもあります。

現在選考が進んでいますが、難しいと思うのはどのようなことでしょうか。

審査の一環で、全国各地の現場へ飛び回っております

応募いただいた方々それぞれに真剣に社会課題に向き合っておられるなかで、書類あるいは短い時間の面談だけでそのお考えを深く理解することの難しさを感じました。もっと1社1社に向き合ってゆっくり時間をかけながらお話を伺いたいという気持ちがある一方で、公募という性格上一定の期間で結論を出さなければいけないことのコンフリクトは常にあります。
書類だけでわかることは1~2割で、現地に行って初めてわかる視点が多く、ご応募者の話の意味をようやく理解できるようになりました。ただ、システムを変えたくない側の意見は今回の取組では拾いにくいため、システム全体の理解を深めるにはより長期的な関与が必須と感じており、短期間での検討はかなり難易度が高いと思います。
 
ご応募いただいた申請書の内容は、どれも今の社会にとって必要なものです。すべての取り組みが有意義であり、熱い想いがあることをひしひしと感じました。私たちがもつ社会課題解決の仮説について、本当にそれが妥当なのか、より広い視点で見たときに抜けているものはないか、十分に検討の深さは足りているのか、常に私たちの現在地を問い直す姿勢を忘れないでいたいと改めて再確認いたしました。全国各地の重要な取り組みに対し、SIIFとしてどのような形でご一緒できるのかSIIFとしてどのような形でご一緒できるのか、決まった型は無い手探りな中ですが、検討を続けてまいります。

公募結果は、2024年春頃に発表させていただく予定です。
また、SIIF Systems Change Collective事業メンバーの選考における想いや進捗はこのブログで引き続き発信していきます。


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