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システムチェンジコレクティブ事業の近況報告!改めて感じた、現場の想いと熱さ

Systems Change Collective事業の近況報告

昨年10月に開始したSystems Change Collective事業では、1カ月間という短期間にも関わらず11月の締切までに89団体からご応募いただきました。応募いただいた各事業者及び関係者の皆様には、ご協力に改めて感謝申し上げます。
 
その後、応募書類での検討を経てオンラインでのプレゼンテーションを頂き、関係者へのヒアリングや二次資料の調査、各団体が取り組む社会課題の課題構造分析や変革仮説(Theory of Change)の検討等を行ってきました。

本事業では、社会課題の構造にアプローチすることにより課題の根本的解決(システムチェンジ)に向かうことを目指しています。そのため、多岐に渡る検討の中でも、経営者や顧客・取引先に加えて、課題と課題解決に関わる方々の考えや取り組みにもできるだけ触れるように努めました。具体的には、昨年末より現地訪問やオンラインでのヒアリングの機会をいただきながら、多様な関係者の考えや願いに触れる場・時間を設けてきました。
 
今回、そうした多面的な対話を通じて、社会課題の構造は奥深いこと、またそれだけに解決に向かうには多くの打ち手を連携させながら取っていく必要があることを改めて体感しました。
 
また、表層に見えている問題の奥にある構造を可視化することの重要性も認識しました。課題を因数分解し、どのような要素があるのかを把握するだけでなく、それぞれの要素がどう繋がり問題の解決を阻む構造を作り出しているのかは、頭ではイメージできているつもりでも実は曖昧な理解に留まっていることもあります。できる限り端的な言語化・可視化を目指し、応募いただいた事業者の方との対話により磨いていくことで、投資を決断するに足りる仮説に辿り着くことを重視しました。

対話と現地訪問の機会を通じて感じたこと

応募事業者様は、多様なステークホルダーの状況を理解し、社会課題を構造的に捉え、打ち手を見出してこられました。日々の現場にいながらも課題全体を捉え続けることは容易ではないと思います。長期的なビジョンや願いを実現するために経営に取り組み、限られたリソースをどこに投入すべきか考え続けてこられたからこそ得た視座なのではないかと感銘を受けています。
加えて、事業者様の取り組みがその組織で働く人たちが感じている意義や、かつてこの事業のあり方に反発していた方が、今では応援する側に回っていることもあり、その方自身に起きた感情の変化をきく機会は、直接お会いしないと得られないものでした。「後は君たちの世代に託した」と、若い経営者に未来への希望を語る時の眼差しのあたたかさは印象的でした。

”現場”に触れる重要性

資料としていただいた概念や情報だけを頼りに理解したつもりになってしまうことなく、ビジョンやミッションの根本にある願いや、複雑な課題に対するアプローチの独自性といったインパクト戦略の根幹について、論理と現場を往復することでより立体的な仮説を持つことができました。
 
社会構造や関わる人々の価値観のような、見えないものを捉えることも今回の事業では求められますが、なかなか一筋縄ではいきません。「価値観の変化」と言葉で言うのは簡単ですが、それが具体的にどこでどのように起こっているのか、そもそも実際に起こっているとどうしたら言えるのか、その変化をどう把握するのか、という点は今後も悩みつつ、深めていくつもりです。
 
とはいえ、意思決定の後こそが本番です。チームとして、SIIFとして、これから多くの方々と課題解決の共同探索をご一緒できることが今から楽しみであるとともに、身が引き締まる思いです。

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