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【経営者】俳優のステージのその先へ…


演じていませんか?

この記事は、雇用している経営者向け、特に中小零細企業の経営者向けです。

経営者のあなたは
従業員の前で
程度の差こそあれ
「演じて」いませんか?
まるで俳優のように

経営上でトラブルがあっても
動いてくれない従業員に腹が立っても
挑戦がうまくいかなくても
配偶者の喧嘩してイライラしても
いくら通帳の中身が気になっても…

従業員の前では平静を装っていませんか?

従業員の前では怒らず驕らず媚びず、いつも冷静を装い、一本芯の通った経営者を演じている。こんな経営者の方は多いのではないかと感じます。

なぜかって…わたしがそうだったから
たとえて言うなら「俳優」ですね。


いま、感じること

わたしは27歳で独立しましたので、現在、経営者24年目です。
このうち20年間、従業員を雇っていました。中小零細の規模ですけども。(ちなみに今は従業員に事業承継し、会社はいくつか持っていますが、基本、一人だけの個人事業主をやっています)

また、わたしは主には中小企業や創業したい人をお手伝いする職業(=行政書士)です。お手伝いした社長さん(経営者さん)は3,000人は超えています。

社長さんたちと話をする中で時折感じるのが
俳優の雰囲気”なんですよね。

わかりやすい例があります。
とある社長とお会いしている時に、その社長の会社から社長携帯宛に連絡が入ってきました。
社員がミスした系の話のようです。
携帯電話を耳にあて話を聞くうちに、社長さんの顔はみるみる歪んで、最後は鬼の形相に。
でも電話に向かって話す口調は落ち着いており、いかにも怒っていない感じでした。
相手には、わたしの目の前にある、社長の眉間にシワを寄せ、怒っている表情は伝わっていないでしょう。

この社長さん、会社では、演じているんだろうなぁとしみじみと思った記憶があります。というか、直接お話しましたね。
演じるのも大変ですねぇって。

あくまでも一例ですが、他にも「演じるのも大変ですねぇ」と感じるシーンは数しれず、ありました。


経営者自身に俳優ステージがあるのではないか?


この例に限らず、いままで、結構な回数、「社長、あなた、俳優やっていますよね?」と感じる場面は多かったです。

ここで一歩踏み込んで考えてみます。

経営者自身に、俳優ステージというものが存在するのではないか?

今回、このステージについてお書きしたく思います。
※正しくは、ステージのうちの1つを深堀りしたいと思って書いている。


経営者自身の俳優ステージ

経営者その人自身に俳優ステージというのもがあるのではないか?
について、わたしが思うのがこの3つ(3段階)です。

1.俳優として演じることすら気づかない、眼の前の出来事に一生懸命すぎるステージ
2.良い経営者であろうと演じる、俳優ステージ
3.演じることに疲れ、俳優だけでは立ち行かなくなるステージ(俳優ステージのその先へ…)


冒頭と重複しますが、この話は経営者向け、特に中小零細企業の経営者(雇用している事業主含む)向けです。
中小零細を超えた組織の経営論については、書籍等でそこそこ語られていますので今回お話しません。

さて、1は、無我夢中、一生懸命の時代のステージです。自分がどこに立っているのか分からない、経営者としては3歳児のレベルです。演じているのかは当然気づきません。

2は1の段階を経て、少し落ち着いてきたころあい。
少しずつ周りが見え、採用活動の「さ」の字を学びながら組織拡充を図るステージです。
良い経営者とは?を学びながら、それに近づく努力を行い、良い経営者像であるべく、行動します。(それが苦ではないことが多い)
多くの経営者さんは、ここで自分が演じているのに気づきます。
従業員から見て、立派な経営者としてその目に映るよう、振る舞うことになります。
なお、演じるのではなく、本当の自分として振る舞い、結果として立派な経営者像を作り上げる人はすごいです。成功しないわけがない。


で、今回わたしがお伝えしたいのは、3つ目の
「俳優に疲れ、俳優だけでは立ち行かなくなるステージ」
がある段階についてです。
わたしのような凡人がぶち当たる壁、といえますね。

人数としては10名~20名の会社の社長さんでしょうか。業種によって違います。飲食業や製造業で10名~30名、サービス業や士業では5名~15名というところが該当するかと思います。

創業期は過ぎた。採用活動も行ってきた。
受注活動も慣れてきて、固定客(固定的な販売チャネル含む)も増えてきた。落ち着いた目で周りが見えてきて、近づいたほうがいい客筋とそうでない客筋も見分けられるようになってきた。
こういう段階です。

良い経営者像に近づくべく、俳優のように演じることで、ある程度の期間は、うまくいきます。

そこそこうまくいった状態であれば
従業員から、取引先から信頼される経営者像が、できていることでしょう。
経営者自身のブランディングが成功している、と言い換えることもできます。


俳優に疲れ、俳優だけでは立ち行かなくなるステージ

信頼できる経営者像はできた。なんとかうまくいっている。
でも、問題はその先にあります。

それが
3の「演じることに疲れ、俳優だけでは立ち行かなくなるステージをどう乗り越えてゆくのか?」です。

経営者自身か俳優をすることに違和感を持ち、中には拒否感まで持ってしまう。演じる自分が嫌になる。
演じることに疲れてしまう。

従業員も、経営者自身が俳優を演じていることにうっすらと気付き始め、本当の経営者自身ではない姿(経営者の本当の姿)では、組織が立ち行かなくなる段階です。
人間、長く一緒にいると、本音が垣間見える瞬間があるものです。

さてどうすればいいのか?
そのまま、自分自身を偽り続けても俳優として演じ続けるのか?
演じるのを辞めて、偽りない、正直な自分を出すのか?

難しい判断です。

「いわゆる素晴らしい経営者」と決別するかもしれないですし、ある程度うまくやってきた状態との決別となるかもしれないからです。

でもわたしは、俳優を少しずつ辞めてゆき、正直な自分を出したほうが良いと感じます。
なぜなら、演じるのではなく、「経営者自身の本当の器」で勝負しないと乗り越えるのが難しいステージであると考えるからです。

従業員がすごく嫌な違和感を持つ水準の俳優引退はしてはいけないです。
あくまでも「少しずつ、少しずつ」ですね。


俳優ステージのその先に必要なこと

俳優として演じるステージを終え、経営者自身の本当の姿で勝負する段階へ来ました。(というか、それ以外、できない状態になってきた)

ここで必要なことは、
夢について、もう一度、考えてみる」ではないかと感じます。

こうなりたい、会社をこうしてゆきたいという願望を、過去、持っていた人は多いのではないでしょうか。
明確でなくても、こうしてゆきたい、という方向性だけでも。(強弱含めて、総じて「夢」とします)

なぜこんなことを書くのか?ですが。

おそらくというか、わたしがそうだったので思うのですが、
俳優を辞めるかどうかの段階は、経営者としての夢が消えかけている段階と重なることが多いから。

こうしてゆきたい!!という強い願望が消えかけている、中には完全に消えている状態の方もいるかもしれません。

だからもう一度、夢について考えてみる。
毎日少しずつ、湯船で天井を見ながら考えてみる。
1ヶ月かかろうが1年かかろうが。

奥深い自分が望む姿が見えてくるはずです。
それを文字化してみる。

夢が現状維持的な内容な場合があるでしょうし、中には組織として衰退へ向かう内容であるかもしれません。
それでも文字化してみる。

仮にそんな内容だったとしても、中にはおそらく「挑戦」の要素が含まれていることに気づくと思います。
挑戦。長らく忘れていたように感じる言葉。

文字化した内容を実現するために、初心を思い出しながら頑張ってみる。

頑張る中でおそらく、挑戦のカテゴリーの要素が増えてくる。
そこを掘り下げて、もう少し頑張ってみる。

厳しい企業存続率の中で経営者を続けているのですから
ある程度の経営者としての器は形成されていると思います。

器の中を、挑戦という要素で洗い、再び満たしてゆくという感じですね。

理想的には「いつの間にか、自分の願望に基づいて、本当の自分の器で頑張っている状態」になっているのが良いですね。

もうこれ、人生論になってしまいますが、生きているとあらゆる場面で同じようなことが起きるんです。
「挑戦があると良くなる」という場面。

慣れきって、生活の一部となってしまったことが、ふとした挑戦で活き活きしてくる。
経営=人生、なんでしょうかね。


まとめ

経営者自身に「俳優ステージ」があるのではないか?

すなわち
1.俳優として演じることすら気づかない、眼の前の出来事に一生懸命すぎるステージ
2.良い経営者であろうと演じる、俳優ステージ
3.演じることに疲れ、俳優だけでは立ち行かなくなるステージ(俳優ステージのその先へ…)

3のステージに行き着いたら、少しずつ俳優であることを辞め、本当の自分の器で勝負していくほうが良いのではないか?
そのためには、もう一度、「夢」について考えてみてはどうだろうか?

という内容でした。

乱文となりましたが、読んでくださる方の今後の人生の参考になりましたら嬉しいです。



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